大粒の泪

わたしはよく泣いた
大粒の泪をながして

「どうしてそんなに泣けるの」と
母によく驚かれた

不思議な顔をされる
母は泣かない人
母の泪は見たことがない
泣くのは恥だとでも思っていたのか

「また泣いて…」
わたしの涙腺は異常事態だったんだ

もうすぐ母とお別れだから
今ならば分かる
いつも泪があふれくる
ひとりぼっちにされるのはたまらない

母とわたしは同じ方向を向き生きてきた

母は死んだら無になると
魂なんかないと思っていた
でもおやさまに出逢って変わった
不思議な不思議なこころのはなし
不思議な不思議な見えないはなし
強く強く信じていた

わたしなど足元にも及ばない信仰心

泣かない母と泣くわたし
母の導きがあって生きてきた
二人一緒に生きてきた

母がいないと今日も泣くのは
こころを洗うため

いつまでも、いつまでも
わたしは大粒の泪を流し続ける

さみしさをごまかすために