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平和ボケのまとまらない考え

私はワクチンを3回打ち終えているので、3月からは、スペインやベルギー、タイなどなどにも行って帰ってくることができて、帰国時の隔離が0日となる。



ワクチン証明や陰性証明は必要だが、ほぼ、コロナ前の条件に戻って旅ができるということになる。おそらく待機0日の国はこれから増えると思う。
めでたいニュースだが、それほど喜べない。
長旅に向けてお金を貯めなければいけないので、それまではお預けにしようと思っているし、まだまだ感染者数のカウントで不安にさせる世の中だし、それに、戦争まで始まった。

毎日、ネットでウクライナやロシアのニュースや情勢を目にしてとてもしんどい。
しんどければ見なきゃいいんだけど、自分の生きている時代に起こっていることを見て見ぬふりして無知でいることは、世界を旅したいと思っている人間としてあまりに無責任な気がするから、見てしまう。

NHKのEテレで「プーチン政権と闘う女性たち」というドキュメンタリー番組を見た。ロシアを変えるために闘おうと選挙に立候補しようとする若い女性たちをことごとく阻止するロシア政府。
選挙活動中に、コロナの感染防止の法律に違反したとかなんとかで無理やり逮捕して牢屋にぶち込むわ、足にGPSをつけるわ、協力者(多分弁護士だった気がする)の女性は何者かに空港でカバンの中に麻薬を入れられて逮捕され拘束された。これら全ては信じられないことに2021年のロシアで起きている。
最後は立候補する権利を剥奪されて選挙委員会から「恥を知れ」と言われていた。
これじゃあプーチンの支持率が高いのは当然だと思った。

一回り歳下のほぼ友達の彼女は、実はアジアの銃声も聞こえるとある紛争地帯へ難民支援の手伝いに行くのだが、明るく送り出すという私の態度で良かったのだろうかと自分で引っかかっている。


「やりたいことを叶える」という彼女に対して「楽しんで」と伝えたが、不適切だったのではないかと思ったり。
念のために書くと、「思ったり」というのは文字通り「ちょっと思ったりする」という意味で、どんな局面でもそこで楽しむことを大切にしたいという私自身のスタンスだがら、自分の伝えたメッセージは間違ってないとは思っている。
難民支援だからって楽しむのは不謹慎だとは思っていない。
自分が楽しい状態じゃないと接する相手が人生を楽しむ余裕など生まれないと思うから。
だからこそ、私は「気をつけて」を1番最初に書いたけど「楽しんで」生きることを忘れてほしくなかったから付け足した。
しかし、戦争になったり、紛争状態の地では「楽しむ」という概念はなく、とにかく生きるか死ぬかしかない。
ウクライナの報道を見ていると、私の彼女への「楽しんで」の言葉は平和ボケしていたのかも知れないなあと思ったりした。
心配だとか、命を大事にしてとか、危ないところへは行かないようにとか、危険なことからは逃げてとか。親も含めて色んな人にそういう言葉を散々言われたらしい。自分でも不安な部分が大きいし、誰よりも分かっているのにいちいち周りから言われたらうんざりもするだろう。
100%応援してくれた私の言葉が嬉しかったと言ってくれた彼女だったが、彼女に何かあれば私は一生後悔をするのだろうなあとも思う。
自分の言葉に責任を持たなければいけないと常々思っているが、気をつけることと、それでも恐れすぎないこと、自分自身が楽しむこと。この三つをバランス良くやれればきっと無事に過ごせると信じてはいるけど、それでもあの言葉で良かったのかなあと思いもする。
紛争の最前線で働くわけではないらしく、あくまで安全な場所でプロジェクトに関わるという形らしいが、いつどこで何が起こるかなんて分からないので、とにかく安全であってほしい。

楽しむなんてのは、心の中が平和じゃないとできないし、それは平和な世の中があっての話である。
だけど、完全に平和な世の中などないのかも知れないから、楽しむことを奪われないように努力をしないといけないと思うものの、何をどうしたらいいのか分からない。

昨日は間違えて古いオリーブオイルをクスクスに使ってしまい、油が酸化したような変な味だったのに全部食べてしまい、数時間後に酷い腹痛とお腹PPに襲われた。救急車を呼ぼうかなと思うくらい苦しかった。やりたいと思っていたことが何もできずにベッドとトイレの往復だった。楽しむ余裕などどこにもなかった。
だからか、何だかとってもやるせなくて悲しくて辛い気持ちになった。
戦争の苦しみについて、お腹を下した自分の状態と重ねて理解しようとするなんて、本当に私は平和ボケしていると思う。
情けないがこれが私の思考回路なのである。
治ったので、お粥を作って食べて、その後に、彼女にあげたものと同じアマノフーズの味噌汁を飲んだら、ものすごくしみた。
食べれること、眠れること。
生きる上で一番大切で必要不可欠なもの。
それを確保しながら、同じ時代に起きていることに目を向けていきたいと今はそう思っている。




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