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2021年4月の記事一覧
色について「うすだいだい色」
そうか。最近は肌色と言うのはだめなのか。薄橙色というのか。でも肌色と橙とは少し違う気がする。そしてこのような言い換え置き換えは、言葉を大事にしたい世代にはカルチャーショック。グローバルで偏見なき世界のためにはそれ相応に言葉も変わるのだろう。それが人類の進化なのかもしれないが、本当にそれで良いのだろうか?
人間の感情や行動は言語に支配されるという。言語化され、事物に名前がつくことにより共通認識とな
色について「ねずみ色」
俺、鼠。今回のお題は俺達の毛色たる鼠色だってな。君らは俺達、鼠の色覚がどういう物か知ってるか?俺達の視細胞はさ、青紫付近と黄緑付近に吸収極大を持つのさ。つまりさ、紫外線も見えるってことなんだ。
君達が思う鼠色ってみすぼらしい白と黒の中間だろ。色気も何もない寂しいモノトーン。俺達の毛並にそんな失礼な話があるかいってことさ。俺達の眼では紫外線に反射した輝くような、まるで深い夜空に輝くオリオン座大星雲の
色について「すみれ色」
「かんざし、これいいね。」彼女はそう言ってすみれ色の和紙で出来たかんざしを手に取った。
「うん、先生に似合う。」僕は曖昧に返事をした。正直、高校生の僕にはかんざしの良し悪しなんてわからない。彼女が良いっていうから良いのだろう。そんなものだ。「今日はありがと、付き合ってくれて。」「いいの?彼氏さんに悪いんじゃないの?」「いいのよ、最後のデート。」「うん。もう最後だね。」「最後にさ、これ買って?」「