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起業家に求められる資質(一)

起業するに際して、売れるビジネスモデルの構築、そして市場参入と事業成長のための戦略策定は当然の取組みです。しかし、それさえすれば安泰というわけにはいきません。どんなにビジネスモデル(あるいは商品サービス)が秀悦で、資金調達も順調に整い、スタートが順風満帆だったとしても、欠けていたら事業継続が危ぶまれるものがあります。
それは、経営者としての資質です。経営者として、求められる資質があります。経営者に限ることではなく、高いパフォーマンスを発揮するビジネスパーソンは、その資質を備えています。私は、これまでに1,400件を超える起業相談に対応してきました。また、多くの起業家や経営者の方々にお会いしてきました。たとえ、状況が不利になり、苦境に立たされたとしても、その資質を有する経営者あるいは創業を志すひとは、苦難を乗り越え、突き進んでいきます。起業家である前に、ビジネスパーソンとして大切なことであり、経営者には、一層高く求められることです。

起業家に求められる資質について、その一です。

一、高い倫理観
倫理、社会における「人の守るべき道」。倫理観、その考え方や態度。
個人主義社会ともいえ、個人の主張を慮る現代、だからこそ、高い倫理感が求められるのだと思います。当然、ひとによってその判断基準も異なり、「正しい考え方」は、人それぞれです。そのようななか、「個性」や「創造性」と勘違いして、「倫理」から外れている事象がないでしょうか。
社会におけるマナーや道徳は、不変であり、決して欠くことのできない観念です。法律やビジネスに関わる基本的規律の遵守は当然ながら、「人の守るべき道」から逸脱しているようであれば、人や社会は自然と離れていくでしょう。目の前の利益を優先して、守るべき道を外せば、事業は崩壊していくでしょう。
起業家には高い倫理観が求められます。情報化社会において、私たちは容易に多くの情報を得ることが可能です。そして容易に情報を発信することも可能です。直接的な対面無しでのやりとりも、日常化してきました。接触手段や接触回数が増えてきているいま、あらためて認識をしなければいけないことだと感じています。

行動が、ビジネスの規律に反していないか
言動が、誰かを傷つけていないか

高い倫理観を備えている人が、真に自由なひとなのだと思います。日本には、古より「三方よし」の商いの精神が醸成されてきました。常に顧みることを忘れずに、倫理観を高めていくことが、起業家の資質として求められます。

村上紀子


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