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起業家に求められる資質(二・三)

起業するに際して、売れるビジネスモデルの構築、そして市場参入と事業成長のための戦略策定は当然の取組みです。しかし、それさえすれば安泰というわけにはいきません。どんなにビジネスモデル(あるいは商品サービス)が秀悦で、資金調達も順調に整い、スタートが順風満帆だったとしても、欠けていたら事業継続が危ぶまれるものがあります。
それは、経営者としての資質です。経営者として、求められる資質があります。経営者に限ることではなく、高いパフォーマンスを発揮するビジネスパーソンは、その資質を備えています。私は、これまでに1,400件を超える(2020年10月現在)起業相談に対応してきました。また、多くの起業家や経営者の方々にお会いしてきました。たとえ、状況が不利になり、苦境に立たされたとしても、その資質を有する経営者あるいは創業を志すひとは、苦難を乗り越え、突き進んでいきます。起業家である前に、ビジネスパーソンとして大切なことであり、経営者には一層高く求められることです。

起業家に求められる資質について、その二、その三です。

二、胆力
胆力、ものごとに動じない気力、度胸、そして精神力をいいます。事業をはじめるとき、また事業を始めた後も、経営者は、常に冷静にものごとに対峙し、強い精神力でやり抜かなければなりません。次々と、容赦なく課題がふりかかってきます。あるいは、課題を見つけていきます。意思決定連続の日々といっても過言ではないでしょう。
迷いが生じたときやくじけそうになったときには、どうしたらよいのか。強い味方になってくれるのが、事業理念です。意思決定に迷ったとき、事業理念に立ち返り判断をする。そして不安な想いがよぎったとき、事業理念はふたたび、情熱を灯してくれるでしょう。
いかなるときにも、ものごとから逃げることなく、立ち向かっていく胆力が、起業家の資質として、求められます。

三、限りなく高い向上心
いかに、自己を高めていくか。いかに、事業を成長させるか。向上心がなくなったときは、言わば、現状に満足するとき。ここでいう「満足」は、成長に対する満足のことです。現状に満足するときは、成長がとまるとき。
常に、次の目標を持ち、高め続けることをしなければ、現状維持も厳しいでしょう。進化し続けようとする高い向上心が、起業家の資質として、求められます。

起業家に求められる三つの資質、高い倫理観、胆力、そして限りなく高い向上心。苦境を切り拓き、突き進んでいく起業家に共通する資質です。

村上紀子

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