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コロナ考4最終回 自宅療養に備えるもの、それは解熱剤と抗原検査キット

発熱から3日目。

子供の診察が終わった午後、無事、陽性と分かって安心した?母の私に、頭痛の症状が表れた。

普段から頭痛持ちではないはずだが、ちょっと尋常じゃないくらい、がんがんぐらぐらする。

はや、感染かと戦慄した。

子どもが感染した時は「これだけ流行っていたらしょうがない」と達観して冷静に対処できたが、いざ我が身がさらされると、恐怖で思考停止になるのだから、なんとも情けないものである。


厚労省HPで、成人の場合、妊娠時以外は非ステロイド性抗炎症薬も服用可とあったので、これまた家にあったロキソニンを飲みこんで、しばし横になることにした。

何度計っても熱は平熱のままだったが、それはワクチンのおかげなのかもしれない。

頭痛が治まらなかったら病院行かなきゃな、ああ嫌だな、またあの一方通行電話に時間を割かないとならないのか。いや、その時はまた、ゴッドマザー先生のところにお世話になろう・・・

うとうと寝たり起きたりを繰り返していたら、数時間後、なんとか痛みは消え去ったので、ほうっと胸を撫で下ろした。


そんなことがあったので、5日間の濃厚接触者待期期間が明けた朝、自主的に抗原検査をしてみることにした。

抗原検査キットはアマゾンで購入できる。一回分で1,300円~4,000円程度、製造メーカーによって値段に幅がある。

国が承認している医療用抗原検査キットは「体外診断用医薬品」と記載があるもので、ドラッグストアで薬剤師を介してでしか購入できない。基本、症状のある人、および濃厚接触者で待期期間を短縮させる理由のある人しか買えないということなので、自主検査を希望する無症状者は安価な未承認のものを使用するしかない。

さまざまなものが出回っていて迷うが、私は、①製造元が日本の企業、②販売元が法人であること(転バイヤーではないこと)、③手軽に購入できる値段、④短時間で結果が出ること、の4点に着目して精査してみることにする。

そして、日本の中小企業(とアマゾンが書いている)製造の、1,500円程度のものを購入。

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結果は、「陰性」。思わず、ガッツポーズ。


キットのパッケージには大きく「研究用」とあり、説明書には「感染しているかどうかの判断目的には使用しないでください」と明記されているが、同時に「抗原検出精度は99.4%で、PCR検査との比較実験では陽性陰性一致率は100%」と謳っているので、自主検査には十分だろう。

一般市民が出来る感染予防には限界があり、その限界ぎりぎりの安心が手に入るという点では高く評価できる品だと言える。

ともあれ、これでひとまず、大手を振って街を歩けるってもんだい。ヤッホー!!


無論、感染者の我が子も、私から遅れること5日、療養期間明けの朝に検査。きちんと陰性を確認した。

「10日間、よく頑張ったね」

と髪をなでながら覗き込んだら、嬉しそうに目尻を下げた。

無論夫の分も買ってはいたが、彼は「俺は症状も無かったし必要ないよ~」と言って逃げた。

まあ、5日間巣ごもりを守ったし、問題はないか。


図らずも私が自主検査をした同日、「岸田総理大臣が全国の病院・診療所の負担を減らすために、抗原検査キットの無料配布を決めた」というニュースが流れた。

医療従事者でなくても入手・取り扱い可能の簡易検査である抗体検査キットを、その結果をもって陽性者となり自宅療養に入れるようにすることで、PCR検査に代わるものとして、その有益性を政府が公認したと言える(実はここで初めて、政府公認と未公認の抗体検査キットがあることを知った)。


我が子も、実のところ、PCR検査は受けていない。

あの時、ゴッドマザー先生は「抗原検査で陰性だったら(偽陰性の可能性があるので)、PCR検査をしましょう」と言った。そして、より精度の増すPCRの出番を待たずして、我が子の検査器には、くっきりと陽性ラインが出たのだった。


つまり、一部の現場ではとっくの昔に抗原検査の有効性を認識し、先行して使用した後にPCRで補完するという上手な運用が行われていたわけだ。二つの検査を併用することで時間短縮を図り、希少なPCRキットの在庫を確保するという涙ぐましい知恵と努力を繰り返して、発熱患者を受け入れ続けてくれている。


岸田首相は各自治体の準備が整い次第、配布を始めると言ったが、具体的な配布方法については言及しなかった。今日まで、我が自治体からは何のアナウンスもないし、小児科、内科、耳鼻科などのかかりつけ医のHPを見たり、実際に診療所の前を通りかかったりしているが、

「抗体検査キット、有り〼」

などの文句は、未だ目にはしていない。


検査キット、いつ必要なの?今でしょ。


感染症対策において、何より迅速さがモノをいう。「自治体の準備が整い次第」を待ってたら、この夏中の配布は無い気がする。

だって、それって、またしても、各自治体の健康保険課や保健所への丸投げに過ぎないのでしょう? 発熱相談センターのようなバミューダトライアングルがまた発生するだけですよ。


非業の死を遂げたからって持ち上げる訳ではないが、阿部元総理のように、たとえ愚策と後に誹られようとも、政府主導で各家庭に1キット送るなんて大技はもう二度と見られないのだろうか。名付けて「キシダキット」作戦。岸田さんに一考を投じたい。

いや、私は冗談を言っているのではない。

まもなくお盆を控え、三年ぶりの民族大移動が起こると予想される、七月下旬現在。

この重要局面で、帰省や旅行を控えている人が自宅で抗原検査をしてくれたら(その後の行動は個人の良識に任せるしかないが)、むざむざと大事な人を危機に晒さないで済むのである。

助かる命が増え、患者数、病床使用数を抑えることが出来れば、エッセンシャルワーカーの皆さんにだって、少しは、息つく暇を得てもらえるのではないのだろうか。

追記:

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こちらは保健所から届いた救援物資。

カップラーメン各種、チンするご飯、ふりかけ(これ嬉しい!)、レトルト牛丼、アミノバイタルゼリー、トイレットペーパー、ティッシュなど。

患者一人で3日分だろうか。ありがたい✨

でも、保健所に陽性証明を出さないと当然貰えない。

うちの場合、届いたのは発熱から7日目だった。

今週から、全陽性者のうち一人暮らしさんだけを選別して送ることに政府が決めたから、もう少し迅速になるといいんだけど。

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