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心も体もお疲れモード。動悸がして食欲がなく、悪夢を見る方に。心脾両虚の漢方薬「帰脾湯」

漢方薬が大好きな方や、お勉強中の方に漢方薬の処方構成と効能について書いています。

今回は、GWごろからよく出だした「帰脾湯《きひとう》」です。

帰脾湯とは?

神戸市中央区にある漢方薬店「咲美堂漢方薬房」で、漢方カウンセラーをしている池田のりこです。

帰脾湯は、ひとことで言うと心脾両虚しんぴりょうきょで精神不安がある方に適するものです。

心の働きの「主血しゅけつ」と「蔵神ぞうしん」、脾の働きの「運化うんか」と「統血とうけつ」がうまくできていない方が適応です。

心の主血ができなくなると、動悸が起こります。

蔵神ができなくなると、心や脳に栄養が届かず、健忘、不眠、多夢(悪夢)、不安感が増えます。

脾の運化ができなくなると、食欲不振、消化不良、体力の低下、だるさ(体全体・手足)などが起こります。

統血ができなくなると、不正出血、口腔内出血、皮下出血やあざ、尿や便に血が交じるなどが起こります。

精神不安&消化吸収システムのダウンに、悪夢、漏れ出る出血(勢いのある大量出血ではない)があることなどが弁証のポイントです。

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