体を温めても低体温は治らない
長い夏休みも終わり、今日から通常営業です。
休み中に頭を緩めながら、いろいろなことを考えていました。
問題を解決するというより、「どうしたいのか」「どうありたいのか」という感じ。
もうね、妄想が止まらない…(笑)
だから、早く仕事を初めたくてウズウズしていました。
この仕事が本当に好きなんですよねぇ。
温かいスープでは体は温まらない
漢方カウンセラーで国際薬膳師の池田のり子です。
先日、友人から「ミネストローネを作っているんだ。体を温めたいんだけど、何を入れたらいい?」と連絡がありました。
思わず、「生姜、ネギ、鶏肉…」と温める仕事をする食べものを伝えました。
できあがってから「生姜が効いていて、すごい汗かいたわ!体温が35度前半の友達に送ってあげるねん」と言われて、私はムンクの叫び状態…。
「それダメーーー!!」と、否定してしまったのです。
「じゃ、捨てる…」と言われて、せっかく心を込めて作ったのに傷つけちゃったな…と思って、慌てて解説をしました…。
低体温の方に、過度の発汗はNGなんです。
その友人の「体を温める」というのは、「低体温の子の体温を上げる」ということだったんだ…とそこで初めて理解しました。
少し気温が下がったから、エアコンなどで冷えた人に対してかと、私は勝手に思ってしまったのです。
「温める目的」を聞くべきだった…と深く反省。
スープにも、彼の愛にも罪はなく…
そのスープを活かして、彼も彼の友人も笑顔になれる方法を考えました。
「なぜ温めたいのか?」を確認する
いつも私の薬膳の話を聞いてくれているので、「温度的に温かいものが体を温めるとは限らない。食べものには温めるものと冷やすものの性格がある」ということは、理解していたようです。
だから「何を入れたらいい?」と聞いてくれたんですよね。
こういうのって、嬉しいですよねぇ。
でも、そこで「なぜ体を温めようと思ったの?」とか「誰に対して温めるの?」と聞くべきでした…。
「いつもはそんなに冷えないけど、今冷えているの」という方は、温める作用のある食べものを温かくして食べると◎。
エアコンで内臓が冷えたときとかも、いいですよね。
でも、慢性の冷え症や低体温の方は、お鍋の中の冷たい水にぬるま湯を足しているようなもの。
コンロの火を強くしてあげないといけませんよね?
健康な体温とは
体温は体を温める力のことです。
温めるしくみが働いて、温めるものが循環することで、健康な体温をキープできます。
このしくみが「腎」というシステムで、ものが「気(陽)」です。
中医学でいう腎は、臓器の腎臓だけでなく、生命維持に欠かせない内臓です。
成長や発育、生殖やホルモン、呼吸を深く吸い込むこと、体液や水液の代謝をコントロール、脳への栄養補給、他の内臓のを大家さんのように守ること…など、たくさんの仕事をしてくれています。
この腎が、今年はバランスを乱しやすいのです…。
腎については、こちらでも書いているので、お時間があれば読んでくださいね。
腎の仕事の中で特に重要なのが、内臓を温める火力をコントロールすること。
これが弱ると、体温が下がってしまいます…。
そして、体内が寒いと他の内臓さんたちは、冬眠します。
食べものから気血水(体を作っているもの)を作り出す製造工場の「脾」も働かないので、在庫が減ってしまいます。
もうひとつ大切なのが、気の量です。
気には、ものを推し進める、温める、外邪から守る、液体を漏らさない、内臓を持ち上げておくなどの働きがあります。
「陽気な人」というように、気は陽で活動的で温かいもの。
その温かい気が内臓を動かして、体のバランスを取っています。
この気が少ないと、体を温めるものが足りず、全身をめぐることができないので冷えてしまいます…。
体を温めるには、気の量とめぐりが必要なんですよね。
発汗し過ぎはNG
発汗するときには、たくさんの気を消耗します。
気の働きと汗をかくと気を消耗することは、こちらでも書いていますので、まずはこちらを読んでくださいね。
低体温の方は、腎が弱っていて、気の量も少ないです。
その方が、過度に発汗するとどうでしょうか?
さらに気が減って、体力を落としてしまいますよね。
体力がない方の発汗には、要注意なのです…。
「5過ぎ」に注意
気を消耗する「5過ぎ」があります。
・動き過ぎ
・しゃべり過ぎ
・発汗し過ぎ
・食べ過ぎ
・飲み過ぎ
疲れているときは、この5つの「過ぎ」に気をつけてくださいね。
特に病み上がりは、これらを避けてゆっくり休んで体力を温存しましょう。
そうすることで、腎が元気になって気を作り、体温を上げていくことができます。
普段から、この「5過ぎ」が多い方は、心も体も脳もお疲れ気味…。
特に40代後半になったら、この疲れが長引いて大きく体調を崩しますよ。
がんばってきた自分を大切にしてくださいね。
薬膳で魔法をかける
さて、先程のミネストローネをどうしたか…を最後に書きますね。
生姜がたっぷり入っていて、発汗する可能性が高いので、少量ずつパックしてもらいました。
そして、そのままではなく、ご飯を入れてリゾットにして、卵を加えて、茹でたブロッコリーを添えて食べてもらうことに。
お米は消化吸収システムを整えて気を作ります。
スープに入っていた鶏肉が胃腸を整えてくれるので、お米から気を作りやすい環境です。
卵は滋養強壮に。気が減ると血も減るので貧血対策にもなります。
ブロッコリーは、補腎。マッシュルームでも良いですが、ブロッコリーの方が冷蔵庫にあるかなと思って。
「合わない」と思われた生姜たっぷりのミネストローネが、低体温でしんどい思いをしているお友達にピッタリなものに変わりました。
薬膳には、「ダメ」はありません。
「それなら、こうしよう」というバランスのとり方をします。
間違って作ったのは、知らなかっただけ…。
でも、それをきっかけに知識がついて、もっと多くの方のお役に立てるようになりましたよね。
薬膳って、ダメと思われたものでも良いものに変化させる、ステキな魔法だなぁ~とよく思います。
あ、ということは、ステキな魔法を使える薬膳師の私は魔女か…。
どんくさいから、ほうきには乗れそうにないけど…(笑)
最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。
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