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衝撃!?笑劇!!「う○こ」って恩送り!? ペイフォワード記事Vol.5

言い間違いから劇団結成?!

宮城県仙台市荒井にあるオーサムカフェ。ペイフォワード形式を取り入れている(Vol.4参照)と知った時からスタッフさんと意気投合し、気が合う仲間に会いに行くような感覚で頻繁に通うようになりました。自宅から車で約30分の距離もなんのその。だってここに行けば毎回面白い出会いが待っているのですから。

その日は、スタッフのしもちゃんが、オーサムカフェの閉店後に「スナックしもちゃん」なる夜のお食事イベントをしようと計画中だと話をしていました。

のりぱぁ(私)「えーと、しもちゃんがする夜のイベント、なんだっけ?ほら、劇団じゃなくて、、、」

しもちゃん「なにそれー、面白いね、劇団?じゃあペイフォワードを広げる劇しちゃおっか!?」

のりぱぁ「え!?劇??あ、そうだね。面白そう。ずっと演劇をしてみたいと思っていたし。」

しもちゃん「あ、ちょうどあの常連さんいる!あのさー、今のりぱぁとペイフォワードを広める劇をしようって話になったの。やらない?あ、こっちの方は面白い気ぐるみたくさん持っているんだって、貸してもらおうよ!」

と、いう具合に、言い間違いでアッという間に劇団結成。そして、着ぐるみをたくさん持っているというお客さんの写真を見ていると、牛だの、さるだの、かわいらしい動物の他に、なにやら茶色くてソフトクリーム型の動きづらそうなコスチュームがあることを発見。

「うんこだ!!」

うんこのコスチュームってあるのね。しかもその方、それを着てお花見して、その書格好のまま帰宅したというのだからあっぱれ。このコスチュームに釘づけになっていると、一人がこんな突拍子もないことを言い始めました。

「ねぇ、うんこってペイフォワードじゃない?」

一瞬耳を疑うこの発想ですが、こういうことなんです。

「うんこって、何かものを食べた時に出てくるよね?そのうんこが、また堆肥になって次の植物のもとになる。そしてそれをまた人間が食べて、、、。」

そういうことか!確かに、「うんこ(堆肥)」と「植物」と「食べる人」の関係は、不特定多数の人が関与する「開かれた円」として循環していますよね。その人自身のうんこが家庭菜園の肥料になっているなら(そういうこともあるかなぁ?)、それは対象が限定される「閉じられた円」の循環ですね。そう、この「開かれた円における循環」こそがペイフォワード、恩送り、ということの大事な概念なんです。ペイフォワードや恩送りを知らない人に、少しでも面白く分かりやすくコンセプトを伝えるにはどうしよう?と考えていたので、「うんこ様」にご登場いただき、劇を盛り上げていただくことになりました。

ペイ・フォワード劇団便Ben、結成!

そういうことで、なんと言い間違いから始まったこの企画、一週間後のスナックしもちゃんが初公演の場となりました。「うんこ」がテーマの本があるということを知り、その本を読みながら例のうんこや動物の着ぐるみをきて演じようということに。

https://www.ehonnavi.net/ehon/34494/%E3%81%86%E3%82%93%E3%81%93%EF%BC%81/


夜にZoomミーティングをし、実際に会って練習したのは一度だけ。かけられた時間は少ないものの、うんこでペイフォワードを広げるぞ!という情熱たるや、まるでハートからも目からも頭からもオーラが出て天にも届くような勢いでした。


うんこのペオフォワード、チラ見せ

この本の中で私たちがペイフォワードだと解釈したのは、やはりこの主人(?)公のうんこが、他の誰かのために生きる道を見つけていくところ。是非ご自分で読んでいただきたいのでネタバレは控えますが、おおよその流れはこうです。

最初は嫌われ役のうんこ、居場所をみつけられません。あっちにもこっちにも嫌われてしまい、どうしようかと悩んでいたところ、あるお方にその才能を見いだされます。そこで決意しその人について行くと、自分の活かされる場所を見つけます。そしてそこで全力を尽くし、次の人のためになる存在になるのでした。めでたし、めでたし。

要は、うんこが堆肥になって野菜がおいしくできました、その野菜があなたの元に届いて消化され、それがうんこに。そしてお話は繰り返されますよ、ということなんですね。

べんべんべべんべん!ペイフォワード♪

スナックしもちゃん当日。ペイ・フォワード劇団便Benのメンバーは、自分たちの出番が近付くにつれて、文化祭の舞台を控えた高校生のような異様な興奮状態に。大人5人と子ども3人がうんこや動物に化けてその時を待ちます。

長年子どもたちのためにショーを続けているメンバーがナレーターの「おなれしょんしょん」という役回り。彼はエンターテイメントに長け、本番に強いのです。その場のノリと勢いでシナリオを絶妙に変えて、他の演者に臨機応変に演じさせます。マリオネットが見えない糸で操られているかのように、彼の台詞に合わせてドタバタの演技。見ている方も演じている方もゲラゲラ笑いながら。

演者が楽しすぎて笑っているんです。観客席も大いに盛り上がりました。

その心地のいいこと。きっとこの劇を通してペイフォワードや恩送りということの「楽しさ」「身近さ」を感じとってくれたのではないかな?と肌で感じました。

最後は演者全員が手を繋ぎ前後左右に踊ります。

あ~うんこのペイフォワードの野菜、おいしいな~~♪
べんべんべべんべん!ペイフォワード♪×4
あなたに ペイフォワード!!!

ペイ・フォワード劇団便Ben初演より


この日からスナックしもちゃんにもペイフォワードチケット導入です!

あなたの想いをお隣さんに巡らせてみましょう

劇が終わってから、参加者さん全員で輪になりました。ちょっとした劇の要素を取り入れてペイフォワードを疑似体験してもらうためです。
準備していたハートのぬいぐるみを便Benメンバーが隣の人に手渡します。その時、アイコンタクトをしながら、「どうぞ」「ありがとう」の声掛けをします。それをお隣りへ、お隣りへ、と続けていきます。途中でそのハートがずっしり重い質感を持つように手渡されたり、軽やかに渡って行ったり。そして、一人から始まった恩送りが、全員の手元に渡って最終的に同じ人に戻ってきました。恩送りとは、送る人と同じように、受け取る人がいて成り立つのです。

日本人は、誰かのために役に立とう、という意識がとても強いと思います。だから、自分が誰かに恩を送ったことに気付くのは簡単かもしれません。その次のステップとして、自分は恩を受け取っていい存在なんだ、と思えると、(別の表現をするならば「恩を受け取っていいんだと自分に許可できたとき」)、自分と世の中の関わりはそれまでと違ったものになるのではないでしょうか。そう。自分にその「恩」が巡ってくれるまでにどれほどの人たちが存在していたのか、どれだけの幸せが介在してきたのかと想像すると、世界が豊かに見えてくる。そんな風に思うのです。

うんこの話、深いのです。うん、うん!




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