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「トニー・レオン、ベネチア映画祭で生涯功労賞」に寄せて

久しぶりに記事を書こうと思ったのは、こんなニュースが飛び込んできたから。

をを、よかったですなぁ御大。男泣き。涙。
で、次に、こんなのも見つけてしまった。

Vogue Japanさんの選ぶ10作をチェックしてやろうじゃないかと思い立った。以前、トニー・レオン沼にハマりにハマって書き散らかした弊記事を掘り起こしながら。
写真および文章の引用元は、一部を除き全て上記の記事です。






『悲情城市』(1989)

香港のTVで人気を博し、1980年代半ばから映画界に進出したトニー・レオンは、本作で初めて国際的に注目された。終戦により日本の統治が終わった1945年から、戦後台湾の最大の悲劇と言われる1947年の二・二八事件までの日々を、ある一家の群像劇として描く。

香港出身で広東語が母語のトニー・レオン、台湾語が話せないため聴覚に難ありの役どころへと設定変更となったのは有名なエピソードだ。
観たいなぁと思いつつも未だ実現せず…30年近く昔の映画なので、どーやって探したらええんやろ。Netflixなんかには落ちてなさそうやし、TSUTAYAでリアルのビデオを探した方が早い気がする。
しかしいいなぁ台湾。また行きたい。


『月夜の願い』(1993)

『月夜の願い』は、香港版『バック・トゥ・ザ・フューチャー』というべきロマンティック・コメディだ。中秋節の夜、過去にタイムスリップして若き日の両親と出会った青年の物語。

知らん。
けど画像右にいらっしゃるのはもう当時、パートナーだったカリーナ・ラウだそう。2008年にご結婚なされているが確か…ブータンで挙げられたのではなかったかな?
いいなぁブータン。行ってみたい。


『恋する惑星』(1994)

ラストシーンだけに出演した『欲望の翼』(1990)のウォン・カーウァイ監督と本格的に組んだ最初の作品。香港の街にある惣菜店に通う2人の警官の、それぞれの恋を二部構成で、トニーは後半部でCAの恋人に振られた警官663号を演じ、彼に恋した新入り店員フェイを人気シンガーのフェイ・ウォンが演じた。 

観た。

これは日本でもブームになったと思うので、ご記憶にある方もいらっしゃるだろう。そう言えば人生2回目の海外旅行は、大学時代のゼミ旅行だったのだが、行先は香港だった。この映画が撮られたときから数年しか経ってなかったのもあって、なんだか空気感が一緒だった気がする…
いいなぁ香港。(当時とすっかり変わってしまって今は微妙かもだが)また行きたい。


『ブエノスアイレス』(1997)

ウォン・カーウァイ監督が、香港からアルゼンチンへと渡ったゲイカップルの波乱に満ちた関係を描く。トニーは、レスリー・チャンが演じる自由奔放なウィンに振り回され続けるファイを演じた。

観た。

「同性愛者の役はできない」とウォン・カーウァイ監督に言ったのに、撮影しながらストーリー等を練り上げていく監督独自のやり方に翻弄されて結局、ゲイ役をやらされる羽目になったのも有名な話。
タイトルロール他ところどころに出て来るイグアスの滝、アルゼンチンタンゴの哀愁を帯びた音色、南米ならではの陽光…
いいなぁブエノスアイレス。今すぐ飛んで行きたい。


『花様年華』(2000)

ウォン・カーウァイ監督との4作目のコラボレーションで、カンヌ国際映画祭で主演男優賞を受賞したメロドラマの傑作。

観た。

主演男優賞を受賞したトニー・レオンもさることながら、「ダンサー・イン・ザ・ダーク」ビョークがいなければ、この年のカンヌ国際映画祭主演女優賞はマギー・チャンのものだったのではないかと思うくらい、ハイカラーのチャイナドレスに身を包んだマギー・チャンが眩かった。
そう言えば本作の舞台は1962年の香港な訳だが、撮影当時、香港ではもうそのような場所がなかったため、撮影地はタイではなかったかな?更にラストシーンはカンボジア。
いいなぁタイ…バンコクやアユタヤなんぞ有名どころだけにしか行けてないので、そんな下町感満載のところに行ってみたい。カンボジアは言うに及ばず。また行きたい。


『HERO』(2002)

中国の巨匠、チャン・イーモウ監督が、ジェット・リーやマギー・チャン、チャン・ツィイーなど、オールスターキャストを起用した武侠映画の大作。戦国時代末期、のちの始皇帝となる秦王を狙う刺客たちの物語だ。

リアルタイムで観た。
当時はトニー・レオンが、というよりも、始皇帝暗殺を目論む刺客たちひとりひとりの物語が、それぞれのテーマカラーに彩られるという趣向、そのテーマカラーに沿ってワダエミが手がけた目の覚めるような衣装に釘付けになった。またカンフーのアクションと、流れるような布の動きが美しいこと…
是非もう1度観てみたい。


『インファナル・アフェア』(2002)

警察学校で同期だった2人。1人は捜査のためにマフィアに潜入するが、もう1人は実はマフィアが警察に送り込んだ人物だった。それぞれが警察とマフィアに敵側から潜入し、優秀さを見込まれて組織の重要人物となり、やがて対峙するサスペンス・ドラマ。

観た。

ハリウッドでリメイクされた映画がアカデミー賞を取ったり、日本でも「ダブルフェイス」というタイトルでリメイクドラマが放映されたので、御存知の方も多いはず。こういう、元々は立場が似通ったもしくは同じ(双子とか)人物が別々の道を行き、その運命が交錯する、みたいな話はウケがいいんだろうな。
盟友アンディ・ラウと、珍しくオールバックでないトニー・レオンに、再び会いに行くのも悪くはないかも。本作も公開から20年記念ってやってた気がする。


『ラスト、コーション』(2007)

日本軍占領下の上海と香港を舞台に、抗日運動の弾圧に取り組む日本の傀儡政権特務機関高官と彼の暗殺計画のために送り込まれた抗日組織の女性スパイの情事、心理戦がドラマティックに展開するサスペンス。

これも「悲情城市」と同じく観たくて観たくてたまらないのだが、観るに至っていない作品。性描写の過激さ…というよりかは(まぁ興味はあるよねぇ、忍笑( *´艸`))、

孤独や恋する心を演じるのが巧みなトニーだが、本作はその究極と言えるかもしれない。彼が演じるイーは、誰も信じないと断言しながらも自分を見失ってしまうほど恋にのめり込み、それでいてどこまでも孤高の人だ。

これこれ!
この、凄まじい程の孤独を抱えた人の心の虚、恋による心の揺れが観てみたいの。トニー・レオンを通して。


『レッドクリフ Part I』(2008)、『レッドクリフ Part II-未来への最終決戦-』(2009)

香港の巨匠、ジョン・ウー監督がオールスターキャストで「三国志演義」を映画化。史実や原作にないオリジナルの展開も多い壮大なスケールの歴史大作

リアルタイムで観た。
が、トニー・レオンが出演していたことを忘れるくらい、諸葛亮@金城武の涼しげな表情と、孫権@チャン・チェンの凛々しさに心を奪われた。
当初のキャスティングでは諸葛亮孔明役はトニー・レオンだったそうなので、そっちのバージョンも観てみたかったかも。


『シャン・チー/テン・リングスの伝説』(2021)

マーベル・コミックのヒーロー、シャン・チーの誕生物語を映画化したシム・リウ主演作『シャン・チー/テン・リングスの伝説』で、トニー・レオンは満を持してハリウッド進出を果たした。彼が演じるのはシャン・チーの父親で、犯罪組織“テン・リングス”のリーダーのシュー・ウェンウーだ。

これこれこれ!沼に引きずり込まれたやつな!
触発されまくって、こんなに立て続けに記事書いてた!!晒す。

…しかし、還暦近くにもなって「満を持してハリウッド進出」

「誰もが彼を悪役だと知っているから」と、トニーはこのキャラクターの人としての側面にフォーカス。一時は家族との幸せを選び組織を手放したウェンウーが、悲劇に見舞われたことでより冷血な人物になっていくプロセスを掘り下げたという。

太字は筆者

この役者としてのプロフェッショナルさにやられたんやろうなと、熱の覚めた今なら思える。ウェンウーの心の動きを表現するため、今までのキャリアで身に付けてきた演技手法が総動員されている気がするから。
そのことは、こちらのYouTubeに詳しい。



以上が、Vogue Japanさんが選んだ代表作10選だそうだが、あれ?
うちならこれ入れるけど?


番外:『グランドマスター』(2013)

出典…Hulu?

グランド・マスター』(原題: 一代宗師、英語題: The Grandmaster)は、ウォン・カーウァイ監督による2013年中国香港合作映画。詠春拳の達人として知られる武術家の葉問を描いた伝記映画カンフーアクション映画である。

Wikipedia

観た。

「恋する惑星」「ブエノスアイレス」「花様年華」とは全く趣の異なるウォン・カーウァイ監督作品ではあるが、流麗すぎるカンフーアクションだけをYouTubeでザッピングしてひたすら観ているのでも楽しい。




たった10作(+α)を並べてみただけでも、トニー・レオンが稀有な俳優であることは一目瞭然というもの。次は一体、どんな役柄を見せてくれるのだろうか。
彼が生まれ、キャリアを積み始めた後に生まれてホンマによかった。

神様ありがとう。




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