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WKW 4K祭り第3日目 花様年華/In the Mood for Love

この祭りの中で、いちばん劇場で観たかった映画だと思う。
「花様年華(英題:In the Mood for Love)」。

第53回カンヌ国際映画祭にてトニー・レオンが主演男優賞を受賞。日本で公開された2001年当時、その存在は知っていた。ずーっと気にはなっていたのに何故か見逃してしまい、20年越しで鑑賞が叶った。その感想(ネタバレ含む)。




え、えーと?

正直なところ、思っていたのとは若干違ってた。期待値が高過ぎたのやも知れぬ苦笑
今まで観た「天使の涙」「ブエノスアイレス」、過去に個別で観た「欲望の翼」は、ポップでキッチュな色合い、広角レンズのカメラによる流麗な映像を使った、微妙にすれ違う若者たちの群像劇って感じだったが、「花様年華」はそれらとは一線を画していた。何とも言えない角度から登場人物を覗き見るようなアングルは健在やったけど。撮影監督が、途中からクリストファー・ドイルからリー・ピンビンへ交代したからかな。

伏線回収されてスッキリ!とは無縁、鑑賞者に想像や妄想の余地を多大に残してくれるのがウォン・カーウァイ作品だと思っているのだが、「花様年華」は空白があり過ぎて終始頭の中が???で埋まっていた。


例えば、一線を越えたのか問題

たまたま同じ日に同じアパートへ引っ越ししてきて隣人となるトニー・レオンとマギー・チャン。それぞれ配偶者がいたのだが実は、不倫関係にあることに気づく。パートナーの裏切りに傷ついたふたりは、濃密な時間を共有し始める…

最初のうちは、マギー・チャンが「一線は超えたくない」「噂になるのはマズい」等と随分と警戒しているくせに、”旦那と別れる練習”を繰り返していくうちに「苦しいくらい辛い」と、号泣すること多数。トニー・レオンに肩借りて。それが「帰りたくない」に繋がっていくようだけど…

https://33press.com/cinema_inthemoodforlove/から借用

タクシーの中でそんなこと言われて寄り添われて、トニー・レオンがマギー・チャンの手を握るところまでは明示されるが、その直後に場面転換してしまう。え、やったのやってないのどっちなの?!

私は、超えてない説を唱えたい。

マギー・チャンの気持ちとはうらはらに、トニー・レオンの気持ちはこのとき引き気味だったのでは?と。

ふたりの時間が始まった頃が最高潮で(そう言えば初めてふたりきりで会ったのは、トニー・レオンが誘ったからだった)、時が移ろいゆくにつれその興奮も引いていったのかな…と。
そう言えば冒頭だったか、こんなキャプション入るし。

女は顔を伏せ 近づく機会を男に与えるが
男には勇気がなく 女は去る

https://33press.com/cinema_inthemoodforlove/から引用

あ、勇気がなかっただけやの…?



ではここからは、主演おふたりについて。

マギー・チャン

いやもう、綺麗すぎるっしょ。
この映画に出るために生まれてきたの?


画像は全てhttps://qipao.news/maggie-cheung-in-qipao-in-the-mood-for-love/より借用

割と背中から迫っていくシーンが多かったように思えるけど(見返り美人的な)、ハイカラーのチャイナドレスを身に纏った彼女の美しさには、溜息しか出ない。トニー・レオンの主演男優賞より、マギー・チャンの主演女優賞ではないのか?(このチャイナドレスをデザインした美術のウィリアム・チャンもか?)


トニー・レオン

いやもうこちらも、正統派美男子という風情で。眼福でございましたわ。

http://kimageru-cinema.cocolog-nifty.com/blog/2008/12/post-fa75.htmlから借用

お家芸でもある目の演技が炸裂しておられましたしな。

何も言うことなし。以上。(*´ω`)



以上、「花様年華」をお送りしました。
Netflix等、映画のサブスクビジネスが隆盛の現代ではあるが、映画は映画館で観るに限るねぇと思う今日この頃。
始まるまでの予告編で次どれ観るか決めてみたり。
照明が徐々に暗くなるにつれて否が応でも増す期待感だったり。
何より、映画館ならではの大スクリーンに音響、それに没入感だったり。

たまにはそんな非日常、¥1,900で体験するのも悪くない気がしやしませんか。



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