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道をつくる

ど~も~。旅ノリです。
先日、山へ行き、林業に関して教わる機会がありました。
実際に林業に従事している方から、困っていることが何かを聞いたところ、山の中で道を作ることが重要であるが、道を作る作業がとても大変である。ということを言っていた。どんな機械があればいいのか尋ねると、ユンボと削岩機がミックスしたような機械が欲しい、とのことであったので、“道をつくる”機械を、今回は考えていこうと思います。

道の重要性

林業における道の役割の一部は下記のようなものが挙げられます。
・現場までたどり着くための道
・重機、高性能林業機械搬入のための道
・伐採した木材を搬出するための道
このように、道がなければ、伐採することも、伐採した木材を活かすこともできないことが想像できると思います。
しかし、道をつくる作業というのは課題が多いようです。

道をつくる作業の課題

誰も通ったことのない場所に入ったことはありますか?雪国の方だと想像しやすいと思いますが、まずは最初に歩いてみて、どんどん踏み固めたり、或いは、雪かき道具を持って、道を拓いていくと思います。林業でもやっていることはほとんど同じです。そのため、次のような課題があります。
・道があるところまでしか入れない
・時間がかかる
・山の奥に行けば行くほど、道づくりの難易度が上がる

林業の道づくり機械に求める機能

では、どのような機能が要求されるのか、考えてみました。

・削岩機+バスケット

ユンボだけでは足りない部分は、埋まっている石を砕く作業だと聞きました。そのため、どんな場所でも切り拓くためには、削岩機は重要です。

・小回りの利く幅

日本の山は外国と比較して、とても急斜面だと言われています。外国の高性能林業機械を簡単に導入できない要因として、小回りが利くか否かも含まれるのではないかと考えます。道をつくる機械は最初に山に入る機械ですので、小回りが利く幅である必要があります。おおよそのイメージ、最小900㎜、大きくても18,000㎜程度が妥当であるのではないでしょうか?

・車両重量

車両重量は重い方がいいです。道をつくった後には、その道の上を重機や伐採した木材が通ります。最初にある程度、地面に加圧しておくことで、重量物が通った際の道の崩落リスクが少なくなります。

・山の中のものを燃料にしたパワーユニット

現在挙げている機能を考えると、明らかに燃費の悪い機械が誕生します。しかし、燃費の悪さは、燃料補給が困難な場所で問題となるものであるので、現場で手に入れることができる燃料を用いることで、そのようなリスクは低減できます。現場で入手できるものと言ったら、やはり薪といった木材でしょう。しかし、山にたくさんある木材は水分を多く含んでいるため、燃焼効率は薪よりも落ちます。このパワーユニットの肝は、燃焼効率の悪い燃料から、いかに高出力を引き出すのか、ファンをつけて酸素を送ったり、窯の形状を工夫したりなどが必要になりそうです。また、外燃機関、内燃機関を一つにせずに、ガソリンとの組み合わせ、或いは電気との組み合わせ(ハイブリッド)もありだと思います。電気の場合は、泥や水の侵入に気を回す必要がありますが、方法は無限にあるのではないでしょうか?

マーケティング

この機械は、斜度が急な日本の山林をターゲットにしているため、海外から注目を浴びることはないかもしれません。しかし、自然災害が多発している現在、この機械の活躍のシーンは林業だけに限らないのではないでしょうか?そのため、消防であったり、自衛隊も注目すること間違いありません。また、山の中のものを燃料にしたパワーユニットの開発は、汎用性が高く、次世代パワーユニット(実は薪バスなど以前からありましたが…)と言っても過言じゃありません。石油に代わる新たな資源を掘り返すことを考えてしまいますが、石油も所詮、地球が長い間、炭素に、その上に積み重ねられた物の位置エネルギーを加えてできた産物でしかなく、人間はその時間を消費しているに過ぎません。それは、石油以外のリチウムイオン電池の原料についても言えることで、大きなエネルギーを得るためにトレードしたもののことを、もっとイメージしなければ、どんなに新しい資源を発見しようとも、同じことを繰り返すだけです。人間の寿命はせいぜい100年、樹木の寿命はそれよりももっと長いですが、その寿命の尺度で使えるものを使わないと「持続可能な社会」など、とんだ夢物語でしかありません。
少し熱くなってしまいましたが、要するに、山の中のものを燃料にしたパワーユニットは、その開発だけでも十分に価値があり、「持続可能な社会」を目指している社会風潮を鑑みても、今後注目されること、間違いありません。

最後に

林業は、人手不足で困っている。という問題の中に、多くの要因が内包されていることを学びました。この機械の提案は、解決方法の一つにしかなりませんし、現在あるものでもないので、これから創るしかありません。しかし、技術的な内容は今まで熟成されてきた技術を組み合わせたものであるので、実現の難易度は比較的簡単だと思います。
しかし、私自身にこの機械を創る技術も人脈も財産もありません。
ですので、どうか、この案を受けて共感した方、特に大学やクボタさん、ヤンマーさん、ホンダさんの関係者の目や林業機械化センター、お金持ちの方に留まることを祈って、このようなプロジェクトを誰かに進めていただきたいと思います。

したらね~。


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