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ショートショート タネ明かし

おお~!

会場に歓声が鳴り響く。
今回は成功のようだ。

私は、パフォーマーをしている。
私の得意とする分野は、言葉を操るパフォーマンスだ。

多くの人を魅了し、虜にする。
お客さんは私と関わる全ての人だ。

司会「では、本日はお忙しいところありがとうございます!皆さん大きな拍手を!」

パチパチパチパチ👏👏👏

??「ちょっと待ったー!」

ある男が私が帰ろうとするのを制止した。
(これはまずい…)
少し脈が早くなるのを感じた。

男「確かに社長は言動一致するように心がけており、私もそのような方についていきたいと思います。しかし、今回のイベントはどうもパフォーマンスのためのイベントだったように感じます。質疑応答をした目的は何だったのでしょうか?
少なくとも、私達の目線で見た会社の課題を経営者として知りたいといった目的は感じられませんでした。」

(うわ〜、バレた〜(笑))

会場の空気は凍りついていた。

私「コホン。
あなたのように課題を見つけられる人は素晴らしい。皆さんもそれぞれ現場で困っていることがあると思います。私は立場上、あまり具体的なことを言えない、というのは、リーダーに現場のことは任せているからです。そのため、見つけた課題は相談できる人に相談して、皆さんが変えていきましょう!」

明らかに先程の拍手と比べてまばらであった。
パフォーマーはタネ明かしされるのが苦手だ…。

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