総務のさとう

東京の会社で総務や人事の仕事をしています。 読書が趣味で、ビジネス書、歴史の本、ノンフ…

総務のさとう

東京の会社で総務や人事の仕事をしています。 読書が趣味で、ビジネス書、歴史の本、ノンフィクションなどをよく読んでます 読んだ本や仕事で学んだことのアウトプットの場として活用していきます。

最近の記事

【書評】山口周「読書を仕事につなげる技術」「知的戦闘力を高める独学の技法」

読み始めたきっかけ 私はもともと本を読むのが好きなのですが、仕事でもっと良いやり方がないかとビジネス書に手を伸ばすことが結構あります。ただ、そうやって読んでいて、なんとなく成長した気になって、結局仕事にも活かせるわけでもなく、単に暇つぶしになっているのではないか、との疑念を抱いていました。そこで、よりインプットの質を高めたいと探して出会ったのがこの2冊です 本書のポイント 今回2冊まとめて紹介していますが、書かれている内容はかなり重複しており、正直どちらか1冊読めばもう

    • 【書評】スタンレー・ミルグラム「服従の心理」

      もともとその存在は知っていた「アイヒマン実験」の結果及び考察のレポートである。実験のやりとりが詳細になされており、その一つ一つが自分でもやりそうなものがあり、また、ミルグラムの論考もスリリング。さらに、最後の最後、訳者の「蛇足服従実験批判」でもう一回頭をガツンとやられてかき回される。 ●実験内容 この実験は、最初、学習における罰の影響を調べるという虚偽の目的の下、様々な職業、年齢の人から被験者を募集する。 実験は「実験者」「被験者」「学習者」に分かれる。被験者は、学習者に対

      • 【書評】城山三郎著「落日燃ゆ」

        戦前から戦後にかけての歴史を丁寧に説明し、その中で、A級戦犯としては唯一文民(非軍人)であった広田弘毅という人物について書かれた本である。 ・広田弘毅の人間性 福岡の石屋の息子であったが広田が、大変勉強ができるということから周りが学費を捻出したという。また、広田自身、日露戦争後に領土の割譲されるのを見てから、外交の力が大事であることを痛感し、外交官を志す。  非常に真面目で物静かであり、かつ、外交官を志した動機も華やかな経歴を得ることに全く興味がなかったから、当時の外交官

        • 【書評】草薙龍瞬著「反応しない練習」

          ●判断は「毒」 判断することは分かった気になって気持ちがよいと言う側面、自分は正しいと思える(承認欲を満たせる)快楽があるため、皆判断をすることに夢中になっている。 しかし、その判断がしばしばその人自身を苦しめる。完璧主義者の人間は「こうあるべき」という拘束を自分に課すので、それが達成できない自分を駄目な人間だと思う。人が苦しみを感じるときには執着がある(求めるものを得たい、手にしたものがいつまでも続くようにした、苦痛をなくしたい)が、判断は執着の一種となり、人を苦しめる。

        【書評】山口周「読書を仕事につなげる技術」「知的戦闘力を高める独学の技法」

          【書評】上村紀夫著「辞める人・ぶら下がる人・潰れる人 さてどうする?」

          経営コンサルタント・産業医として活動している著者による人事戦略の本。 ●何故人事政策は効果がないのか  会社が、社員にとって良い会社になろうとフレックスタイム制を導入したり、1on1ミーティングを導入しても、「何故上司と仕事外のことまで話さないといけないのか・・・」と社員はそれによって却ってやる気をなくしてしまう・・・・  著者によれば、会社はついつい人事のときに新しく何かをする「プラスの政策」を行うが、これでは上手くいかない。重要なのは、社員個人個人が抱いている「マイナス

          【書評】上村紀夫著「辞める人・ぶら下がる人・潰れる人 さてどうする?」