【書評】スタンレー・ミルグラム「服従の心理」
もともとその存在は知っていた「アイヒマン実験」の結果及び考察のレポートである。実験のやりとりが詳細になされており、その一つ一つが自分でもやりそうなものがあり、また、ミルグラムの論考もスリリング。さらに、最後の最後、訳者の「蛇足服従実験批判」でもう一回頭をガツンとやられてかき回される。
●実験内容
この実験は、最初、学習における罰の影響を調べるという虚偽の目的の下、様々な職業、年齢の人から被験者を募集する。
実験は「実験者」「被験者」「学習者」に分かれる。被験者は、学習者に対