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「起業」の成功率は?

【「結果」だけ見る?】
「イノベーションを起こすんだ!」と叫んで(叫ぶかどうかは知らないが、勇ましく)起業。それって「結果だけ」に、注目している言い方だよね。

【起業の結果がダメってあるはずだよね】
起業、っていうのは、自分の経験から言うと、だけど、結果がダメな場合の方が多いんじゃないかと思うな。多くの起業を目指す人は成功が前提で話をしているけど、みんながみんな「起業したら成功する」とか「イノベーションを目指した全員がイノベーションできる」ってことは、冷静に考えれば無いでしょ。むしろ成功する方が希なわけでね。

【「当たる馬券だから買って!」は詐欺まがい?】
「当たる馬券だから買って」みたいな、そういう話って、やっぱおかしいよね。それって、詐欺みたいなもんだろうな、と個人的には思う。誰もがGoogleやFacebookのメタになれるわけじゃないだろう。普通に考えて。

【シリコンバレーの成功率】
シリコンバレーが元気なときでも、5年以内に上場できたのは1000社に2~3社くらいだ、という統計がかつてあった。上場出来なくてもなんとか生きている、というものも含めると「成功率」は1割弱、というのが、最近のシリコンバレーのベンチャーキャピタリストが言っていることらしい。「成功のためにする起業」は、多くの屍を作るのは目に見えている、と思う。シリコンバレーでも、起業しても9割以上が失敗するのが現実なんだな。

【だから「好き」が一番!】
猛烈に好きなことをやって、やりきればいいんだよ。結果がついてくれば、そりゃ嬉しい。やりきるだけやったなら、失敗しても充実感と豊富な経験は手に入る。人生に健康的な満足が得られると思うよ。つまり、起業したい、って人は「成功」を目指すのではなく、精一杯好きなことをする。そして、結果がついてくればすごく嬉しい。でも、結果がだめでも、後悔はない。そういう人生が充実した人生になるはずだ。

【是非とも起業したまえ!】
哲学者である自らへの自虐も含んだとされる、ソクラテスの名言を少々変えて「起業」を言えばこうなるだろう。

是非とも起業したまえ。成功すれば幸福になれる。不成功であっても人生の充実が得られる。

【ただし…】
言うまでもないが、起業して、精一杯やったら、だ。

【実は日本に必要な「労働市場」】
日本の場合、戦前の富国強兵政策、戦後の高度経済成長期、ともに「政府とつながりのある豊富な資金を持つ資本家が起業し、そのお金で人を囲い込み、そこで生産活動や、新しい製品を作って行くなどをしていた。そのため、高度経済成長が終わり、集団主義が薄れた日本の社会には、起業の失敗などであふれる人を次にどこに就業させるか?という「労働市場」がなかった。そのため、起業して失敗すると、失敗者はそのままだ。リベンジの可能性が非常に低く、そのために「起業」というリスキーな「生き方」が今でもしにくいところがある。そのため、日本で「起業」というと、この前の項目までで書いた「当たる確率が低い馬券売り」という詐欺まがいになってしまう。あとは精神論で鼓舞して起業してもらうしかない。実際には「人生のリベンジができる環境作り」が、日本に起業家を多く作り、日本経済の活性を呼び込むベースにならなければならない。「正常に働く労働市場」がないために、日本における起業の多くは「片道切符の命を賭けた出撃」になってしまう。日本において、起業家を多く作りたいのであれば、成功にだけ目を向けず、失敗してもリベンジできる環境作りに、より多くの目を向けるべきだろう。そうでないと「精一杯」に、事業に集中できない。

実は、米国に「労働市場」があり、失敗者もリベンジできる環境が整っていたのは、その社会が経済的に豊かだったからでもある。逆に言えば、日本はリベンジが許されるほど豊かではない、貧しい地域だった、ということでもある。

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