見出し画像

「記号(シンボル)」で物事を見る、ということ。

【人間の頭脳には「記憶容量」がある】
人間の頭脳は霊長類の中でも発達していることが常識になっているが、それでも、もちろん無限ではない。記憶量の制限があり、複雑さの制限もある。

【「モデル化」する、ということ】
近代の学問で常識的に行われているものの1つが「モデル化」なんだね。これは、AとBとCは違うモノだが、見ているとその動きが同じだ。だから、AとBとCは同じカテゴリーに入れて「同じもの」と考えることにしよう、というものの見方のことなんだね。そして、その「なにかが似ているものの塊」に名前をつける。そして、その名前を覚えればいい、ということにしておく。これが「モデル化」だ。

【モデル化で「記憶容量節約」】
この「モデル化」をすることで、AとBとCは同じものだから、AとBとCを個別に記憶するのではなく、その「型」に「X」という名前を付けて脳の記憶領域に格納して、脳のメモリーの「節約」をして、より多くの記憶を、人の限られた記憶領域に格納する。これが人間の「記号(シンボル)」を扱う理由だ。そして、より大きくて複雑なものを人間は扱える様になった。これが人間の文明の進化を作ったと言えるだろう。

【「モデル化」が「例外」を作る】
しかし、シンボルをあれこれと扱っているうちに、それが時間とともに現実とは違ってくる、ということが始まることもけっこうあるんだな。「AとBとCは同じXというもの」だと思って「X」と理解していたら、Aがいつのまにか時間とともに変化して、全く違うものになっちゃったので、仕方なく、AはXから外す、みたいなことが起きたりする。つまり「例外」はモデル化できなかったもののことだね。

【「シンボル」だけでわかった気になっちゃうのも問題だねぇ】
あと、シンボルばかりを扱っていると、シンボルだけの組み合わせで世の中のすべてのことがわかっちゃう、と勘違いする、って問題もあるんだね。それが単純化されると、あるキーワード(記号名)を知っている、というだけで、キーワードしか知らないのに、キーワードが示すものの本質を全部わかった気になってしまう、ということもある。

【「モデル」も短時間で変化する時代】
某所でいろいろ言われている「イスラーム」とか、そのあたりの話や、キーワード、モデルも、そういう目で見ていると面白い。「モデルの例外」だと思われていたものが、いつのまにか大きな勢力になって「例外」とは言えなくなったりして「モデル化」がいつの間にか、今までのキーワードでは、できなくなってたりするんだな。世の中の流れが早い時代になったので、モデルは非常に短時間で違うモデル化をし直さなければ追いつかなくなり、更にその新たなモデルも短時間で役に立たなくなる。そういうことが始まっているんだと思うんだよね。

【「簡単解説動画」が量産されるワケ】
つまり「簡単解説動画」って、すぐに古くなるので、どんどん出てくることになるし、それも短時間でまた変わる。そういう世の中になったんだと思うんだね。

思想系とかの文系の人たちが筆頭だと思うけど、「モデル化」を主たる仕事とする、いわゆる文系の学問が生きにくい世の中になったねぇ。短時間で実態が変わっちゃうんだもの。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?