「動画で得る知識」に頼る人を「情弱」と言うんですね。
【動画で「わかった」という人は危ない】
最近、高齢者でもインターネットにつながったスマホやPCで「動画」を見て「素晴らしい知見を得た」とか言う人が増えている。ところが、ネットにあふれる動画のほとんど、全てと言って良いものに「本当らしいこと」はあるものの「本当のこと」は以外に少ない。できるのであれば、自分で実際に手にとって自分で実験する、くらいのことはしたいものだが、訓練して得た能力も無ければ、素質も時間も知識もなく、結局は「信じるじか・信じないか」だけになってしまう、というものもすごく多いのは、覚えておいたほうが良いだろうと思う。動画に限らないのだが、マスコミでも昔から「間違えていること」って結構あるものだ。
【「わからなければ困ること」はあるが「わからなければいけないこと」は案外少ない】
結局、人間の生活のなかで「わからなければいけないこと」は以外と少ない。わからなくても問題ないこと、のほうが多いのではないだろうか?わからないことは「わからない」でいい。どうしても知りたいことは、しっかり時間をかけて集中して勉強をし、できれば実際の物事に触り、自分が一次情報の取得者になり、自分の知見を得るほうがより質の高い情報が大量に手に入る事は言うまでもない。そういう集中があれば、そこに黙っていても人も集まってくる、ということを、私も何度も経験した。
【歴史でも同じことはあった】
例えば、昔から言われてるこういったデマには「作られたデマ」も多い。ネットをちょっと調べただけでも、以下の話がすぐ目に止まる。
1.古(いにしえ)のテレビドラマ「水戸黄門」のモデルになった「水戸光圀」は、お忍びであれ、一生涯国を出たことはない。従って「ドラマ」はあくまで架空の話。
2.鎌倉の鶴岡八幡宮の事件として知られる「公暁」が義父・源実朝を暗殺した、という事件。史実は暗殺事件当時は「大きな銀杏の木」はまだ大きな木に育つはるか前。「大銀杏の影に隠れた殺意を持った公暁」は、江戸時代の講談での創作。この話は一時、学校の教科書にも載ったが、今は削除されている。
3.明治維新は坂本龍馬が強く推進したために成った、というのは実際の史実とは違い、有名な「船中八策」も、別人が語ったもののコピーだった。坂本龍馬は明治維新にはあまり影響はなかったので、一時、教科書から削除されようとしたが、司馬遼太郎の「竜馬が行く」の作中の坂本竜馬(創作なので「龍馬」ではない)」像を懐かしむ人々の反対で、教科書掲載が残ることになった。
【日本以外でもある「歴史の面白い書換え」】
様々な意図で、実際の史実とは違う「架空の物語」が多く史実と思われているものは数多い。これは日本に限らない話なので「本当のことはちゃんと調べましょう」というのは、世界中どこでも同じなんだなぁ、ということだ。
【動画を始めとしたネット情報はあなたが見たいものに最適化されている】
ややこしいのは、最近のネット情報は動画を含め、あらゆる検索や「おすすめ」に出てくる情報は、あなたが検索してきた履歴をもとに、あなたが「こういう情報を欲しがるはずだ」と予測し、表示されているものがほとんどだ。試しに、隣の人の検索結果画面を見せてもらい、自分の検索結果画面と比べてみると良い。それぞれの「好み」によって、上位に表示されるものと、そうでないものが違っているのを見るはずだ。ネットで得られる情報というのは「動画」でもなんでも、そういうものだ。例えば、水戸黄門が好きな人というのは史実の水戸黄門を知りたいわけではなく、物語の中の水戸黄門が好ましいと思っている人だろう、という「予測」を、ネットの向こうにあるデータベースシステムが行い「水戸黄門」を検索する人の好みに合わせ、史実ではない物語の中の「水戸光圀」について多くの検索結果を表示する。逆に「水戸光圀」でネット検索する人は、物語の中の架空の「水戸黄門」ではなく、史実の「水戸光圀」を知りたがっているのだな、と予測するので、史実の「水戸黄門」について多く検索結果を表示する。こんな仕組みなのだ。この仕組みを知って後に検索を行えば、より正確な情報が手に入る。知らずに検索すると「あなた好みの検索結果」しか得られない。
【検索の仕組みを知れば「情弱」ではなくなる】
まとめて言えば、こういった「ネットの仕組み」を知らないでネットを使う人を「情弱」というんだな。
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