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内尾紀彦のKOE BLOG-声がかすれる・声が高い-

みなさんこんにちは。
そらいろ耳鼻咽喉科センター北駅前院院長の内尾紀彦です。
前回は音程・リズムがうまく取れないというテーマで記事を書きました。
本日は【声がかすれる・声が高い】という内容で記事を書いていきます。
最後まで読んでいただけたら嬉しいです。

前回の記事をまだ読んでない方はこちらから閲覧いただけます。

「声のかすれ」について

声がかすれる原因は、以下の通りです。

  1. 感染症
    感染症が原因で、声がかすれたり、喉が痛んだりすることがあります。風邪やインフルエンザ、新型コロナウイルス感染、急性扁桃炎、声帯炎などがその代表例です。後鼻漏が原因でかすれる事もあります。

  2. 声の酷使
    長い間大声で話し続けたり、歌い続けたりすることで、声帯に過度の負荷がかかり、声がかすれることがあります。

  3. 声帯の病気
    声帯に病気がある場合にも、声がかすれることがあります。

    ■できものができている場合
    声帯ポリープ、声帯結節、ポリープ様声帯、声帯のう胞、声帯白板症、喉頭乳頭腫、声門癌などがあげられます。

    ■声帯がやせ細っている場合
    声帯萎縮、声帯溝症、声帯瘢痕などがあげられます。

    ■声帯の動きが悪い場合
    声帯麻痺、披裂軟骨脱臼、迷走神経麻痺、後部声門狭窄などがあります。原因として脳や甲状腺や肺に、病気があることがあります。

    ■その他
    筋緊張性発声障害、心因性発声障害、痙攣性発声障害、音声振戦症、変声障害などがあります。

  4. 喉頭アレルギー:アレルギー症状によって、喉がいがいがして声がかすれることがあります。

  5. 喉の乾燥:喉が乾燥すると、声がかすれることがあります。空気の乾燥、喫煙、アルコール・カフェイン・炭酸などの摂取などが原因となります。

  6. その他の原因:ストレス、睡眠不足、咽喉頭逆流症など、身体の様々な原因によっても、声がかすれることがあります。

声のかすれの予防には、1日1.5リットル以上のこまめな水分摂取、声をできる限り休める、睡眠をしっかりとる事が重要です。治りが悪い場合は早めに、音声専門の耳鼻咽喉科にご相談下さい。

「声が高い」について

声が高いという悩みは特に男性に多く、
原因としては「変声障害」が多いです。

一般的に思春期以前の男性の声は高いですが、
第2次性徴で男性ホルモンが増加して、甲状軟骨が成長し、
甲状披裂筋も太くなり、声が低くなります。
この時期に声が低くならない病気を「変声障害」と言います。

「変声障害」の音声治療としては、
喉仏を斜め下に押す音声治療である「Kayser-Gutzmann法」が有効です。喉を下げて低い声が出せるようになったら、
診断もほぼ「変声障害」で確定します。
喉を下げるリハビリで早ければ1週間、時間がかかっても半年くらいでよくなります。

改善が無ければ「ホルモン療法」や「甲状軟骨形成術3型」といって、
声帯の緊張を緩める手術を行う事もあります。

「Kayser-Gutzmann法」は病気のあるなしに関わらず、声帯の緊張を緩めて声を低くする効果がありますので、声が高いと悩まれている方はまず試してみると良いと思われます。

本日も最後まで読んでいただきありがとうございます。
「声のかすれ」「声が高い」原因について知っていただけたのではないでしょうか?
次回のテーマは【声が小さい】という悩みについて記事を書いていきます。
次回もお楽しみにしていてください!

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