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「詳細が詰まっていない提案」は営業が悪いのか?

以前の記事でも書いた通り、僕は新卒で入社したメガバンクを退職した後、現在の会社を立ち上げるまでの約2年半、建築系のベンチャー企業の役員を勤めていました。そのため、今日の話は建築関係の仕事では当たり前のように認識されている「基本設計」と「実施設計」の違いを使いながら、タイトルにあるような話をしていきたいと思います。


企業で働かれている方は、営業が取ってきた契約の詳細が詰まっておらず、「こんな曖昧な内容でなんで契約を取ってきたの!その後をフォローするこっちの身にもなってくれよ!」と感じたことはありませんでしょうか。これはおそらく業界関係なく、どんな仕事においてもよくある営業と内部事務との間で起こる事象だと思っています。

一度、建築業界における設計の基本的な考え方を用いて、この状況の紐を解いていきたいと思います。

建築業界の設計には「基本設計」と「実施設計」という二つの設計の概念があり、お客様との商談で契約が成約になる段階での設計は基本設計と呼ばれ、営業の仕事の範囲はこの基本設計までとなります。そして成約となり、いざ工事に進みましょうという段階で使用する工事図面は実施設計と呼ばれる部隊が担当します。そのため、営業段階で契約の詳細が詰まっていないというのは建築の世界であれば当たり前のことなのです。


さて、ここで再度冒頭のシチュエーションの話に戻ると、こういった場合、おそらく当事者の人間は会社視点ではなく、個人視点で状況を見てしまっているがために、このような印象を持つのだと思います。どういうことかというと、個人視点でこの状況を整理してみると、営業が取ってきた契約のその後のフォローが自分の仕事だった場合、契約内容が詰まっている状態と、あまり詰まっていない場合だと、後者の方が自分の仕事量とそれに費やす時間は、当たり前ですが増えます。

では視点を変えて、会社視点でこの状況を整理すると、仮に営業が一つの契約を結ぶときに、内容を完璧な状態まで詰めたとして、その案件が成約にならなかったとします。すると、その案件に費やした営業担当の仕事量と時間は水の泡となってしまうのです。他方で、一つの契約を提案する際に、完璧とまではいかないが、ある程度の内容が整った状態での提案が成約になった場合、先程よりも少ない仕事量と時間で一つの契約を取れたことになります。しかしこの場合だと、冒頭でも述べたように、内部事務の方のアフターフォローが必要不可欠になります。

会社として、前者と後者のどちらが理想的な構造かというと、もちろん後者です。特に人的資源に限りのある小企業だと特に、一人当たりの営業が取ってくる契約が会社の収益に直結するので、なおさら重要です。


なので、「詳細が詰まっていない提案は営業が悪いのか?」というタイトルにある問いに対する僕の見解としては、会社としてはそれが正解の場合もある、ということになります。当然、内部事務の方への負担を無視していいということではなく、会社として限られた資本の中で、1番効率よく収益をあげるためにどうすればいいかを会社全体で考えていける組織を作ることが、経営者としての責任だと思っています。



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