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啐啄同時まであと少し
燕のひなが親の帰りを待っている。
いまかいまかと待っている。
ジーッと待つその姿に、我が子の姿と重ね合わせてしまう。
私には3人の子供がいて、皆、社会人。
もうすぐ20代半ばになろうとしている子供たち。
あゝ思い出す。
あのときの、あの姿が蘇る。
小さな手で私の指をぎゅっと握りしめる。
何度も何度も言い聞かせ、親が描くこの子の未来へと導いたりもした。
啐啄同時。
子供に気づかれないように
社会へのドアをそっと開けてあげたのだ。
その私の行為には
しっかり生きてほしいと、願いを込めて。
この雛たちも、やがて巣立つだろう。
そしていつか
親になるのだろう。
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