トルコ版”IMF”爆誕!? エルドアン政権のための無尽講か…
先日、トルコ史上初とされる大統領選の決選投票が実施され、現職エルドアンの勝利に終わりました。独裁政権が変化しないことへの幻滅から、トルコリラはさらに下落し底知らずの様相を呈しています。
こうした中、トルコメディアに「トルコ版IMF誕生」の見出しが躍りました。
トルコ諸国機構が独自の基金を設立するというのです。トルコ諸国機構とは、トルコが主導するアゼルバイジャンや中央アジア諸国のトルコ系国家による枠組みです。
その”IMF”とやらの本部はトルコのイスタンブールに置かれます。参加するトルコ・アゼルバイジャン・ウズベキスタン・キルギスタンの5か国が1億ドルずつ拠出し、5億ドルの基金を作ります。そして、5万ドル相当の”株”を1万株発行するということです…。
まず、基金の額が微妙ですね。たった5億ドル程度の金で何ができるというのか。参考までに、中国主導のAIIBが設立された年にアゼルバイジャンが申請したパイプライン敷設計画は6億ドル規模です。
記事では、ロシアと中国のせめぎ合いに苦しむ中央アジア諸国が、自分たちの基金をよりどころにできるとかなんとか自画自賛していました。
詳細がまだ出てきていないようなので、何とも言い難いところはありますが、通貨価値が暴落するトルコを支えるための基金のような気がしてなりません。参加国からはドルで金を集めて、プロジェクトが持ち上がったら紙くず同然のトルコリラで融資してトルコの企業に便宜供与をするのではないかと推測されます。
もう一つは、エルドアンをトルコ系諸国の指導者として演出する目的も確実にあります。自画自賛や一部の期待とは裏腹に、エルドアン政権のせこい目論見が透けて見える無尽講です。
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