副業診断士の生きる道(中)~診断士の強みを理解する
(今回の内容は約2,800字、所要時間は5~6分です)
中小企業診断士登録をして、協会に所属したり、開業したりすると、怪しい勧誘もきたりする。この前はマンション買いませんか?まできた。
今の仕事に、不満があるわけでもない。でも、仲間の診断士がバリバリ活躍し始めて、オレ、どうしようかな。
診断士の名刺を出せば「何が得意ですか?強みは何ですか?」と聞かれるけど、かたや成功している人の中には、何でもできるスーパーマンもいる。
そんな自分は副業診断士とか企業内診断士。そういう人も、少なくないはずだ。ということで、前回はそもそも副業・兼業の現在地を整理してみたのだが...
今回は、2024年版 中小企業白書を読んで想った、診断士の強みを整理したい。
1.強みを「客観的に」把握する
(1)話のきっかけ(イノベーションと外部連携)
イノベーションを起こすために、優先度の高い課題(課題=やること)。2024年版中小企業白書「イノベーションと外部連携」には、このように書いてある。
どれも同じようなことを言っているような気がする(業界用語で言えばMECEじゃない)...
ちょっと順番を整理してみようと思う。まず、ここで言っているのは...
優先度の高い課題は、強みをいかせるニーズの探索、ニーズを把握するためのマーケティングだ。
ただ、そもそも、その強みを「客観的」に把握できていないし、イノベーションには社外の力が大切だ。
ということで。もう少し課題とやらを整理すると...
自社の強みを客観的に把握する。
社外の力もお借りして、ニーズを把握する。
これらを通じて、自社のマーケティング力を高める。(これを繰り返して、そして伝説へ...)
こういうことなんじゃないか。
...とあっさり書いてはみたものの、そもそも自社の強みを「客観的に」把握するのが、容易ではない。
強みを客観的に把握するために、サイヤ人やフリーザは、スカウターで戦闘力を測ったわけだ。「気」なんてものでは、客観的に測れない。
診断士だって「あなたの強みは何ですか?」(...と、聞かれること自体、既にナメられてるわけだが笑)と聞かれれば、一瞬考えこむはずである(スラスラ出てくる方が怪しい笑)
...ということで、「強みを客観的に把握する」って簡単に言うけど、そもそも、そこでつまづいている企業(もしかすると、あなたや私)の方が、圧倒的大多数なんじゃないかと思ったりするわけだ。
(2)「客観的に」把握するためには
それじゃあ、強みを「客観的に」把握するには?
...自社が強いかどうかは、他社との比較でしか得られない。
そして、他社と客観的に比較できるのは、当事者ではない。
「御社(あなた)の強みはなんですか?」
と聞かれて、真実に近い答えを持っているのは、御社のことをよく知っている外部の人(私たちの場合は、信頼できる仲間)だったりするわけだ。
2.支援機関別の戦闘力を客観的に把握する
ただ、幸い「中小企業白書」を読むと、支援機関の戦闘力がつまびらかになっている。さっそく、強みを客観的に把握してみようじゃないか。
(1)戦闘力レーダーチャートより
「第2部 第4章 中小企業・小規模事業者を支える機関」に、支援機関の戦闘力の比較(レーダーチャート)がある。
(2)総合力は、よろずのことに対応できる「よろず拠点」
総合力では、よろずのことに対応できる「よろず拠点」がナンバーワン。
そもそもよろず拠点は●●士とか▲▲コンサルタントの集まりだから、他の支援機関の強みを網羅してて当然か。
一方で、脱炭素とかDXは、よろず拠点でも専門的なサポートがまだまだできてないんだな、とも実感。
(3)中小企業診断士の得意分野は4つ
グラフを見ると、中小企業診断士の得意技は、①創業、②事業計画策定、③販路開拓・マーケティング、④経営改善、の4つ。
ただ、②と④はその他(民間コンサル、かな)、①は商工会・商工会議所も得意技。比較優位があるのは④の販路開拓・マーケティングと読み取れる。
3.イチブトゼンブを理解する、診断士の強み
(1)イチブトゼンブを理解する
レーダーチャートをよく見ると、意外とこのバランスは悪くないじゃないか、とも。
創業だけ、計画策定だけではなくて、①創業⇒②事業計画策定⇒③販路開拓・マーケティング⇒④経営改善、こういう流れ、全体感をひととおり、私たちは理解している。ゼンブ(全体感)を理解して、イチブ(自分の強み)を支援するのが、診断士の強みなんだろうと想う。
(2)足りない部分は補い合おう
人手不足とか脱炭素とか海外展開とか。苦手な部分はあるんだけど、分からないところは分からない、助けてほしいところは助けてほしい、そう言えるネットワークを作っておこう。大事なのはちっぽけなプライドではなく(グサッ)、企業が成長することでしょ、と。
これは、協力して一つの仕事を成し遂げる、サラリーマンの仕事の醍醐味みたいなところに、通じるような気がする。それってもしかして、私たち副業診断士の強みかな、とも。
4.おさらい
今回は自分が考える診断士の強みを整理してみた。
次回はいよいよ(ようやく笑)、副業診断士が愛し抜くべきポイントをひとつ、お伝えしたい。
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