日本vsウズベキスタン GK分析
ウズベキスタン戦ハイライトチェックしました。アジアカップ、日本代表は予選リーグ首位通過ですね。素晴らしいです。
シュミットダニエル選手がアジアカップ初登場でしたね。90分通してどんな評価だったかは観た人に委ねて、ハイライトに載っていたプレーについて言及していこうと思います。
先制点を失った場面は立ち位置に違和感を覚えましたが、その点は本人も自覚的でした。
(シュミットダニエル)自身の対応が不十分だったと挙げたのは前半40分に先制点を許した場面だ。「ポジショニングでミスがあって、ニアが空いてしまった」と悔やんだ。
なんでポジショニングにエラーが起きたんでしょうか。順を追って考えてみる。
ショートカウンター発生初期の狙い
ショートカウンター(正確に言えば擬似カウンターかも)が生まれ相手FWショムロドフが抜け出したときGKが狙っていたのは「ニアでの勝負」。槙野の背後は取られたが中央から三浦がカバーに入ってこれたので「縦に行かせたところで止める」が現実的。よってシュミットは侵入するであろうスペースを狙ってポジショニングをとる。さらに身体を通常より外側に向けている。誘ったところ(相手にとっての縦のスペース)に出やすいようにするためだ。
しかしカバーに入った三浦もまた背後を取られてしまう。よってこの後の展開によってはGKとの一対一が待っている。
カットイン後の狙い
三浦が背後を取られたことによって相手FWが内側で勝負できる展開が生まれてしまう。この時点でGKにできることは2つ。
1. ステイするか下がってシュートへの準備
2. 前に出てシュートコースを狭めつつ相手のドリブルのカットも狙う
シュミットの決断は2だった。待つよりも、前に出る選択をした。よって前に出て間合いを詰め、シュートコースを削りながらドリブルが大きく出たらスペースに出る準備もできていた。
そして、おそらくここでポジショニングにズレが生じた。
この2枚のあいだにシュミットは一歩前進して間合いを詰めている。そして(おそらく)ゴールラインと垂直方向に前進したことによって、ニアのスペースを明け渡している。その理由は(これも推測だが)相手がシュート体勢に入っておらず、さらにドリブルで侵入してくると予測したからだろう。2枚目をみてみると、シュミットが中央のスペースを狙っているように見えるのは、そうした予測に基づいていたからだろう。
しかし、その予測に反して、明け渡したニアへシュートを入れられてしまう。結果として前に出た決断が凶になってしまった。
…と、ここまででだいたい1000文字も書いてしまった。もっと軽い感じで書くつもりが、当初の予測に反して分析記事になってしまった。久しぶりに時間かけて分析できて楽しかったので、まあ良しとする。
後、もちろん試合終盤のセーブは見事だった。本人も語った通り、しっかりと足を運んでのトップハンドセーブ。ああいうプレーはGKにとってめちゃくちゃ気持ちいいものである。
ひとこと
シュミットにとって先制点の場面で不運(と言っていいものでもないが)だったのは、狙いがことごとく外れたこと。特に最初のが狙い通りになっていれば彼の得意な形で防げたかもしれない。しかし、予測不可能な事象がたびたび起きるのも、それまたフットボールだもんね。
追記
書き方が悪かったんですが、2つ目の狙いのところで当然シュートの予測をしていなかったわけではなく、優先順位を間違えていたように感じた。つまりゴールを守ることよりスペースディフェンスの方を優先させていたために、ああいう形でニアを明け渡してしまったんではないかなと、考えています。
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