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秀でた能力は呪いである 〜ミッション:インポッシブルとフォレスト・ガンプ〜

映画『ミッション:インポッシブル』シリーズを観ていて、『フォレスト・ガンプ』を思い出した。
トム・クルーズ演じる凄腕のスパイ、イーサン・ハントが、トム・ハンクス演じるフォレスト・ガンプに重なった。
ヒーローと知的障害者。一見真逆の主人公像に見えるけれどこの2人は一緒じゃないか。

世にヒューマンドラマというジャンルがある。
ヒューマンドラマには主人公がハンデを背負った存在であるケースが多い。
病気で余命が短かったり、身体・精神障害を持っていたり、外見が人と違ったり。

フォレスト・ガンプはそのジャンルの代表的な一作だ。
知的障害のフォレストは、常人には予測のつかない行動を繰り返す。
それが結果として周りの人間を惹きつけ巻き込んでいく。

フォレストの知的障害は一般的には人より劣っているとされる特性だろう。
それでもフォレストは一般的に成功と言われる生活を手に入れた。
一方、イーサンはヒーローだ。人よりも優れた能力をたくさん持っている。

高い知能、高い運動能力、武器や道具を使うのも長けている上に変装の名人。
おまけにリーダーシップもとれちゃいます。ときた日にゃパーフェクトヒューマンじゃないか!
しかしイーサンはその突出した能力ゆえに普通の生活を送れない。

イーサンは映画3作目で結婚して普通の幸せを手に入れた。
しかしすぐにそれを手放さざるを得なかった。
次が7作目になるけれど、彼は未だ波乱の中で生きている。

能力は他人より優れていても、劣っていても、それが人生の中でどう作用するかはわからない。
強い味方になることもある。と、同時に呪いにもなりうる。
しかし、そんなイーサンも周りの人間を惹きつけて巻き込んでいく点ではフォレストと同じだ。

人間誰しもが固有の能力の優劣を持っている。
映画は分かりやすく誇張された能力を描く。
飛び切り秀でていることも、飛び切り劣っていることも、周りの人間を惹きつける。

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