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映画館で体験すべき『もののけ姫』

中一の次女がめずらしく映画館に行きたいと言った。ジブリの4作品が特別上映されているからだ。
4作品の中から次女が選んだのは『もののけ姫』。理由は「ちゃんと観たことがないから」だそうだ。
いいのを選んだと思うし、令和の時代に映画館で『もののけ姫』を体験できるのは幸せだ。

僕自身も23年ぶりに大スクリーンで体験する『もののけ姫』だ。
ストリーミングが当たり前になった現在、あらゆる映画を小さな画面で見ることができる。
だけれども映画を見ることと体験することは全く別物だ。映画の体験は映画館でしかできない。

そして『もののけ姫』こそジブリの諸作品の中で最も映画館で体験すべき作品だ。
設定が難解でストーリーが複雑で結末がすっきりしない。『もののけ姫』には集中力が必要。
手元の小画面で見るよりも、映画館の暗がりに放り込まれて強制的に2時間体験すべきものだ。

2時間暗がりで『もののけ姫』を初体験した次女。
現実に戻った後に感想を聞くと、うまく言えなくて戸惑っていた。
その戸惑いは正しい。『もののけ姫』は戸惑うべき映画なのだ。

宮崎駿が最初にこの映画につけたタイトルは『アシタカ聶記』。
でもマーケティングの関係で鈴木敏夫が『もののけ姫』を提案したそうだ。
タイトルに「の」がついてる作品がヒットするジンクスがあるとかないとかで。

23年前の僕はそれを知らなかったけれど、今は知っている。
今回の僕は、アシタカの物語として『もののけ姫』を体験した。
暗がりの大スクリーンで鑑賞すると、アシタカの内面に没入できる。

『もののけ姫』の劇中ではアシタカの感情に同調して風が吹く。
風はあらゆる場面でアシタカの感情、呪いに打ち勝とうとする強い意思を現している。
小画面では気づかないかもしれない。だからこそ今映画館で体験すべきだ。

そういえば『もののけ姫』は僕が最後にVHSソフトを買った映画だ。
VHSって次女に言っても通じない。
おまけはコダマのキーホールダーやってんで。


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