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「多数の意義ある市民活動のスポンサーになるためにオンラインブックストアを設立した」 ECG グット・プラクティクス20選(18) E2: コミュニティへの貢献

本シリーズでは、ECG(公共善エコノミー)グット・プラクティクスに選ばれている20優良企業・団体を、公共善マトリックスの20項目に沿って、1社づつ紹介。

18社(団体)目は、ドイツの社会的オンラインブックストア「buch7」。利益の大半を社会的な事業へ寄付している。

E2: コミュニティへの貢献

オンラインブックストア「buch7」は2008年に数名の有志によって有限会社として設立された。設立の主要目的は、利益の大半を、社会・環境・文化の市民事業に寄付することだった。設立時から一貫してこれを続けている。とりわけ、一般的な補助金や寄付金をもらうための行政的・法的な条件をクリアできない小さなNPO団体や市民グループなどへ直接、寄付をしている。
設立から数年は、売り上げも少なかったが、それでも利益を出して寄付をするために、設立メンバーが無償でプログラミングを中心とする仕事をしてきた。設立から5年目の2013年に事業が大きく飛躍し、売上が急激に伸びた。きっかけは、その年に、大手オンラインストアAmazonの労働環境に関する批判的なドキュメンタリーがドイツ第1国営放送ARDで放映され、社会に大きなインパクトを与えたことだった。大手オンラインストアの小さなオルタナティブとして、buch7の理念と活動が、数々の取材やブログなどで知られるようになった。多数の意義ある市民活動のスポンサーになるために設立されたこの社会的オンラインブックストアは現在、従業員14名に成長し、年売上は約3百万ユーロ(約5億円)、年あたり利益の75%にあたる約60万ユーロ(約1億円)を多数の小さな社会的事業に寄付している。

https://web.ecogood.org/media/filer_public/bc/c0/bcc041d5-3bc2-4e7a-8d2e-3896554bda6e/2021-04-07-good-practices-web.pdf

https://www.buch7.de

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世界35カ国、3000以上の企業・団体が参加するECG(公共善エコノミー)運動の主要ツールは「公共善決算」。横軸に人間社会の基本価値4つと縦軸に5つのステークホルダーからなる「公共善マトリックス」で、企業や団体の倫理的・社会的・エコロジカルな経営をホリスティックに評価する。SDGs17目標もすべて含む「公共善決算」を行う企業・公益団体、自治体、教育機関は、世界的な草の根ボトムアップ運動の先導役。

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シリーズ一覧はこちら:

https://note.com/noriaki_ikeda/m/m13ff063cc3f9


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