見出し画像

数字ではなく、価値でつながる

公共善エコノミーは、エコノミーの語源である古代ギリシャ語の「オイコノミア」を基盤としています。アリストテレスはこれを、「すべての人間の良い生活」を目標とし、「お金はそのための単なる手段」になる経済形態として、推奨しました。一方で、お金の獲得と増殖が自己目的になっているもう1つの経済形態を「クレマティスティケ」と名付け、「反自然」なものだと酷評しました。現代風に翻訳すると前者が「公共善エコノミー」であり、後者が「資本主義経済」です。公共善エコノミーは、手段と目的が取り違えられている(=逆立ちしている)現代の経済を、本来あるべき姿に戻していこうとする運動です。

社会のみんなが幸せになることを目標とする公共善エコノミーでは、あらゆる時代、文化圏の人間社会に共通して存在する価値を基準としています。それは人間らしさであり、人間の美徳です。

公共善エコノミーの中核的実践ツールである「公共善決算」は、企業や団体の経営を倫理性・社会性・環境保護・民主性という観点で包括的に評価するツールを持っています。4つの基本価値と5つのステークホルダー部門からなる20項目マトリックスで評価が行われます。金銭的な決算(財務諸表)では表現できない、企業の多面的な価値と意義を数値化することができます。SDGsの17目標もすべて含んでいて、SDGsの達成度を評価するツールにもなっています。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?