【詩】獣の末路

ぶどうの一粒一粒を
つまんで取っては皿に置く
残ったいびつな枝は
肺胞みたいで苦笑する

私は寿命を縮めてきました
自由だけを求め過ぎました
案の定 下された診断に
私は治療なんてあきらめました

年金を頂く前に
黄泉よみへと向かうチケットを
受け取ればもう払い戻しなど
無理ならいっそ…
なんて事 考えるくらいはいいでしょう
それが私という人間だから

ぶどうを口にふくんだ後
吐き出した種の一粒に
何となくうらやましい
可能性に泣きました


©nori

2023/11/04


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