【詩】temps couvert
バスを降りた時視線に入ったのは
今にも走り出しそうな君の姿
「久しぶり」と声を掛け合う
「変わらない」と横目でチラリ
長い長い階段の先
いくつものドアが待ち構えていて
少しバランスを崩す君を
僕が横から支えていたい
ふいに目に止まった芸術作品
僕はその価値さえわからなくて
絵に映る影を追って
首をかしげる君を笑ってた
暗い暗い地下道の中
僕らはただ出口を探して
彷徨うことに幸せを感じ
いつか眩しい光の下へ
そう願う曇り日の午後
©nori
2009/12/27
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