【詩】愛(かな)しみのボールペン

大事な出来事だけ覚えていられたら

記憶の中はベストアルバムになるはずなのに

どうでもいいような写真が多過ぎて

頭の中の削除者に文句を言いたくなる


鼓動と合唱

光という闇

素晴らしいはずの感動が

100均のボールペンに負けるものか


自宅と実家

ライブ会場

出来上がったトライアングルに

自分だけの大きな旗を立てたい気分


人生の結果がプラスマイナス0ゼロなら

喜び半分 哀しみ半分

そんな風に思って過ごせたなら

哀しみのボールペンさえ愛しい


大事な出来事は忘れたくても

忘れられずに記憶の中に居座り続ける

忘れちゃいけない理由があるって

頭の中の削除者には分かってるんだ



©nori


2023/03/09

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