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「地方移住」がなかなか浸透しない理由を考えてみる

皆さん、こんにちは。

以前も少しお話させて頂きましたが、私はセミリタイア後、現在は微力ながら「地方創生&再生」のお手伝いをさせて頂いております。

おかげさまで何件かのご支援依頼のお話を頂き、先週も支援先の九州のある地方都市にお伺いしてその地域をいろいろ視察させて頂きました。

コロナの影響で地方移住も熱い視線が注がれ報道も多く目にするようになりましたが、実際に移住した方の人数はそこまで多くないのが実情です。

今回はこのあたりの課題を踏まえ、皆さんにお話出来ればと思っています。

注目されている地方移住の取組が進まない理由

先日のニュースで25年ぶりに東京が「人口減」になったというニュースが取り上げられていました。

もちろん、これは地方移住が進んできたという影響もあるかと思いますが、そもそも1400万人いる都市で4万弱のの移動となると、統計的にはほぼ誤差レベルです。また人口流出しているといっても、東京以外の一都三県(神奈川・千葉・埼玉)の東京隣接地域に移動している方が多いため、実際にいわゆる地方に移動している方は少数だと思われます。

私は日本の拠点は東京になりますが、2021年は1/3弱くらい地方に滞在していました(コロナで海外に出られないというのも大きな理由です)。行く先々で地方移住に関しての情報/インセンティブを目にしますが、正直移住者への負担が大きいと言わざるを得ません。

移住者への対応は地方ごとに多少異なりますが、めちゃくちゃざっくりお伝えしますと、「多少補助金は出すが、仕事・住居・コミュニティに関しては自分でやれ」という感じです(めちゃくちゃざっくりですよ)。

仕事に関しては出来る限り「地方で雇用や取引を創出」するために、なにか地元でビジネスを立ち上げてくれという「都会のベンチャー企業よりも高い要望」ですし、住居に関しては都市部のような「気密性に富んだ家」は少なく「夏は暑く、冬は寒い」というのがデフォルトです。

仕事と家でもてんやわんやなのに、その上いろいろな独自ルールがある地域コミュニティに「波風立てずうまく溶け込んでくれ」と言われてもそれはなかなか難しい話です。

もちろん、ごく一部このような課題を見事にこなすスーパーマンのような方もいますが、あくまで「稀なケース」であり、そのような方々はボリュームゾーンではありません。スーパーマンのような方を当たり前と思っているとなかなかうまくいかないのではと思っています。

これからの時代は少し目線を変える必要も

ということで、現在の地方移住が進まない理由としては、まだまだ移住者に過度な負荷をかけていることが原因ではないかと思っています。

ですので、移住者の負担を軽減する少し目線を変える施策として、私も保有しているタイの富裕層ビザ:タイランドエリートのようなコンセプトも参考になるのではないかと思っています。

こちらのビザは充実したサービスが多数存在するのですが、ざっくり内容をお伝えすると「仕事はするな、金を使え」という内容となっています(笑)。

まあ、こちらは少し極端な例ですが、今のこのテクノロジーが進化しているご時世で仕事も地元でという必要はないかと思っています。

生活の基盤のひとつとなってもらえればそれだけでも地方にお金も落ちますし、空いた時間で副業をしてもらえれば都心部のビジネスマンの知識を活用して地元企業の活性化に一役買ってもらう事も可能だと思っています。

となると次は住宅。

実はここが一番大切ですが、だいぶ軽視されているのではないかと。これは「タマゴとニワトリ」なのですが、現在は移住者が来るかよくわからないから移住者が来たら着手するというのが地方のスタンスかと思います。

ただ、都心部の人間からすると長期間(賃貸でも)で住むことを考えた場合、都心部に近い住居クオリティがなければそれはそれでストレスを感じてしまう方も多いはず。ですので、地方を選ぶ際には「現在の住居レベルと近いレベルで生活可能」ということが一つ重要な選択要素になってきます。いきなりハードルが高い分譲ではなく、お試し感のある賃貸の選択肢も十分とは言えません。

その住居クオリティが「古民家という名の空き家」だったり、補助金はでるが「自身でDIY」ということであれば、一部のマニアは良いですが、なかなかボリュームゾーンの方には刺さらないのではないかと。

少なくとも、私は隙間風や都市部より大きな虫が我が物顔で入ってくる住居に長期滞在したいとは思いません。

ということから「地方移住に決断出来ない」というのは「住宅環境がボトルネック」なのではないかと個人的には考えています。

何から何まで自分達で抱え込む必要はない

ただ、その住居整備だけでも地方によっては財政的に負担を強いられる所もあるかと思います。

それは都心部の投資家から資金を集めることも十分検討可能です。現在、都心部の資本家達は投資先がないのが現在の大きな問題です。このご時世、都心部はマネーがじゃぶじゃぶですw。

オーナーは投資家で入居者は移住者(賃貸)というケースも十分検討可能です。その際、投資家としてはリーシング(客付け)が心配ですが、客が付かない場合は最悪自治体の方に住んでもらえれば、ほぼサブリースのようなものです(笑)。

大きな流れとして「テクノロジーの進化」というのは地方にアドバンテージがあり、その流れを掴む方法として「自分達で抱え込まない≒レバレッジ」ということが出来れば、まだまだ地方には大きなビジネスチャンスがあるのではと思っています。

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