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「持ち家派」と「賃貸派」の議論に終止符を

皆さん、こんにちは。

よくさまざまなメディアで「持ち家が得か」「賃貸が得か」ということが議論されています。私もこの手のご質問は良く受けますので、本日はこちらについてお話させて頂きたいと思っています。

この議論はわたしもいつも見ているのですが、たいてい議論がごちゃごちゃになっています。コンサル的に言わせて頂くと、「ロジック」が整理されていないというか…。

大きく2つの論点があるとかなと思っています。ひとつは「①持ち家は資産か」ということ。そして、もうひとつは「②家を持つ目的はなにか」という2つかなと。

「持ち家」は資産なのか?

まずは「家は資産か」という点です。

こちらはまずは、「資産」ということの定義が必要かと思っています。いろいろあるかと思いますが、一番わかりやすいのは「金持ち父さん貧乏父さん」で提唱されている「資産はキャッシュフローを生み出すモノ」という理解が一番シンプルかと思っています。この考え方からすると持ち家はキャッシュフローは生み出さないですよね。

ただ、持ち家で住宅ローンを組んだ方が賃貸の家賃より月々の支払は安くなるためキャッシュアウト(支出)を抑えられ、結果的に結果的に手元にキャッシュが残るのではというご意見があるかと思います。住宅ローン減税とかもありますしね。

このあたりが特に「サラリーマン」の方を惑わせるロジックなのかなと思っています。

ただ、こちらも少し考え方を変えていただければすんなり腹落ちして頂けるかと思っています。以前の投稿で、個人事業主/法人化することで課税所得を圧縮して所得税の還付が可能というお話させて頂きました。

こちらの例では個人事業主になり、土日が「仕事の利用」に認められれば、住宅費の約28%を経費計上でき、課税所得を圧縮できます。法人経営者の場合は家賃の50%が損金に計上可能なため、法人税を約30%とした場合は事実上15%の家賃を低減することが可能となります。賃貸契約を法人ですればもっと経費算入可能です。

こちらのスキームを活用すれば、持ち家のほうが必ずしもキャッシュアウトを抑えられるということにはならないかなと思っています。

これらのことから「持ち家」は「資産」とは言えないということはご理解いただけると思います。では、資産ではない家は「どのような尺度」で判断すればよいかが次の論点です。

家を持つ「目的」は何か?

家というのは高額な買い物なため、いろいろ付加価値?をつけて勢いで買わなければなかなか判断が難しいシロモノとなっています。ただ、元々の目的は「雨風をしのげ」「休息や睡眠をとる」というものかと思います(このご時世ではワークスペースという観点も加わってくるかと思いますが…)。

これは車のほうがシンプルでわかりやすいのですが、車はA地点⇒B地点にいくための手段です。その目的が果たせれば良いので、その他の乗り心地やスピードが出る等はあくまで「付加価値」になります。

本当に効率的に目的を達成するためには軽自動車のようなものが合理的であり、フェラーリやランボルギーニなどとの差額のお値段は趣味や自己アピールためのコストと考えられます(節税というこもとありますが)。

持ち家もこちらの考え方と同じです。極端にいうと「起きて半畳寝て一畳」以外はあくまで「趣味」の領域です(ちょっと極端な例ですけどね)。賃貸ではできない「大型犬を飼いたい」「ガーデニングが趣味」「部屋をDIYしたい」「家族団らんのために」等々が主な、持ち家購入のための趣味の目的になるかと思います。

以上から「資産ではない」持ち家を「趣味」という目的で保有しようとする場合、家を「持ち家」にするかを判断するための「問い」は次の一点になると思います。

「あなたは趣味にいくら出せますか?」

その限度額が5000万円であるか1億円であるかは人それぞれかと思います。ただ、5000万円をフィギアにかけている方をみると「うーん…」と思われる方も多いかと思いますが、「家という買い物」だとそれが麻痺しているだけです。

不動産はバブルが崩壊したとはいえ、今でも日本人の根幹には「やはり資産」という考えが残っていることが多いのかもしれません。

決して持ち家が悪いわけではありません。人生の中で優先順位が高ければ、それは問題ありません。ただ、あくまで趣味であり資産でないものにいくら出せるかということでご判断いただければ問題ないかと思います。

ちなみに私は投資用不動産としては、現時点では200世帯超保有していますが、住居としている東京とバンコクのマンションはともに賃貸です(笑)。

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