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【上手くしゃがむコツ】下腿三頭筋の機能低下で起こる ”スクワット" への影響

スクワットでしゃがむ際には、股関節〜膝関節〜足関節を曲げながら、上半身を倒していきます。そのまま曲げた姿勢から伸ばすことで立ち上がることが出来ます。

スクワット動作において、「股関節の屈曲時」には後面を支える大殿筋や大内転筋、「膝関節の屈曲時」には前面の大腿四頭筋の機能が重要になります。「機能低下」が起こると関節を痛めたり、フォームエラーが起こりえます。膝関節や股関節はスクワットで怪我が起こりやすく、注目される方も多いと思います。

ですが、足関節の後面を支える下腿三頭筋も、スクワット動作において適切な力が働くことで、しゃがみやすさに貢献されます。

下腿三頭筋の解剖学的特徴

下腿三頭筋は、「内側・外側腓腹筋」と「ヒラメ筋」の3つの筋肉により構成されています。起始部がそれぞれ分かれていますが、下腿三頭筋は「アキレス腱」へと移行して「踵骨隆起」に停止しています。

腓腹筋は大腿骨から起始しており、膝関節をまたぐ「多関節筋」です。膝関節の運動にも関与しています。「膝関節伸展位」で足関節の底屈させると腓腹筋への刺激を高めることができます。
ヒラメ筋は下腿から起始しており「単関節筋」です。膝関節屈曲位で足関節の底屈させるとヒラメ筋への刺激が高まります。

腓腹筋は「外側頭」に比べて「内側頭」が発達しています。これは立位での膝関節への外反ストレスや足部の回内ストレスに対抗するための変化と考えられます。

特にヒラメ筋は、体が過度に前傾しないために働く「姿勢保持筋」としての役割を果たしています。

SQ動作における下腿三頭筋の機能

スクワット動作で膝を前に出していく運動は「下腿の前傾」と言います。
スクワットの下腿の前傾時には、過度に前傾しないために「下腿三頭筋」が機能します。これは膝の前面を支える大腿四頭筋や股関節の後面を支える大殿筋の機能と同じ働きをしています。
下腿の前傾時には、足趾の屈筋群や足底腱膜が緊張することで足部は「剛性の力」が働き安定しています。足部が安定することで、より下腿三頭筋の力が発揮されます。この「下腿三頭筋」の機能が高まることで下腿の前傾角度を増大させてより深くしゃがめるようになります。

逆に、後天性の「扁平足」や「慢性足関節不安定症」などの、足関節捻挫の後遺症がある方はこの「下腿三頭筋」の機能低下が起こりやすく「下腿の周囲径(大きさ)の左右差」が出る場合があります。

下腿三頭筋の機能低下が及ぼす影響

上記のような後遺症により下腿三頭筋の機能低下が起こると下腿の前傾が出来ずにスクワット動作で膝を前に出せないリスクが出てきます。

①アキレス腱の伸長ストレス

下腿三頭筋の機能低下が起こると、下腿の前傾時に筋肉で受けることが出来ずに、付着部に近いアキレス腱にストレスを受けることになります。スクワットでは関与は少ないですが、歩行やスポーツ時に「足関節の底背屈」を繰り返すことで、アキレス腱に伸長ストレスが加わり痛みに繋がります。特に「背屈時」に痛みになる場合が多いです。

※足関節後方の痛める部位に関してはアキレス腱以外にも、多くの部位や原因があります。

下腿三頭筋の機能低下は起こっているものの、アキレス腱への伸長ストレスが高まり、足関節の背屈制限(下腿の前傾角度減少)が起こっていきます。

②SQ時の下腿の前傾角度が減少

①のアキレス腱の伸長ストレスがない場合、他動的な足関節の背屈可動域は高いはずです。つまり「ヤンキー座り」などの下半身の筋肉に力が働いていない状態では問題ないはずです。

ですがスクワット動作における「下腿を前傾」していく際の、下腿三頭筋で支える力や足部の剛性が働きにくいため、しゃがんでいく際に「下腿の前傾角度」が減少して、お尻を後ろに引いたしゃがみ方になります。膝を前に出せない原因にも繋がります。
このしゃがみ方では、股関節も膝関節も力が働きにくく、上半身の前傾も強いため、腰を痛める原因にもなります。

膝を前に出すのが怖くてお尻を引いてしまう方は、大腿四頭筋の特に膝蓋骨に近い部位の機能が低下して支えれない場合もありますが、下腿三頭筋の機能低下によっても間接的に膝関節の不安要素になり得ます。

まとめ

スクワットをする際には、膝関節や股関節にばかり注目されますが、足関節の機能が低下すると、間接的には膝や股関節を痛める原因になります。
特に下腿三頭筋の機能低下では、既に「足関節の捻挫の後遺症」で「足部のアライメント異常(扁平足や浮足など)」が起こり、スクワット動作において「足部の剛性」は失われている可能性が高いです。

学生時代にサッカーやバレーボール、バスケットボールなどの足関節の捻挫が多いスポーツをされていた方は、既に今回紹介した問題に当てはまっている可能性も高いので注意していただければと思います。

足部の剛性を改善するためのエクササイズ↓

スクワットのエラー動作として解説していますが、この中で紹介したドリルを行うことで、扁平足(回内足)の改善や足部の剛性が強くなりやすいです。

下腿三頭筋を鍛える方法↓

足部の不安定性を抱えている方は、カーフレイズを正しく行うことが出来ません。足の指先にも刺激をいれつつ強化する方法を紹介してます。

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