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東京ドーム2daysを目指す兄弟ギターロックデュオを福井に呼べるかどうだかやってみた

2025年に東京ドーム2daysを目指す兄弟ギターロックデュオ、GoodMoon。

今はまだ広くは知られていませんが、海外での受賞歴にも裏打ちされるその演奏技術と楽曲センスは、多くの人の心に刺さるであろう才能をお持ちのお二人です。

福井県の片隅でその目標の実現を信じる一人のおじさんが、どうしても地元にお二人をお呼びして演奏をして貰いたがる紆余曲折のお話。
過剰な熱意、ご査収ください。


始まりは10月9日。
いつものようにGoodMoonがtwitterで新宿駅西口での路上ライブの告知をしていました。
こちらも同じくいつものように東京いいな~と指をくわえて眺めていましたが、この日は羨ましさが溢れてしまい、つい願望のこもり過ぎた引用リツイート。

するとまさかのリプを頂けて、その数日後になんと「全国路上ライブツアーやります」との発表が。
会いに行けるアイドルにはご縁がありませんでしたが、会いに来てくれるロックミュージシャンの爆誕には心が躍ります。
「遠征リクエストや情報提供も大歓迎!」なんて一文は、じっとしていられない習性を刺激するにはそれだけで十分なのです。

とにかく場所さえご用意出来ればGoodMoonが来てくれる!!

早速福井駅前での路上ライブについて調べたところ、福井市が出資する「まちづくり福井株式会社(初耳)」の運営による「まちなかステージ(初耳)」なるものがあると知り、突撃連絡。

「アーティストへの表現の場を提供、誰もが気軽に芸術文化に親しむ機会の提供」とのことで、もう既にこちらと両想いじゃないですか。ほぼゴールじゃないですか。
ご本人ともDMで連絡を取りながら、せっかくだから昼は「まちなか」、夜にはバーでの演奏も出来るようにと調整を進めます。

福井市内のバーでライブが出来る所、という普段ご縁のない界隈の店舗探しから始まり、目星を付けた一店舗と詳細を詰めようかという段階で、まちなかステージの方が「県内の人が優先」等で条件が折り合わないこととなり、一転して断念。両想いと思って告白したのに実は他に好きな人がいたパターン。
それならばおれがGoodMoonに加入して、県内の人を含むバンドとして再連絡しようかとタンバリンの練習を始めかけましたが、そこはギリ理性が勝ちました。

まちなかステージ自体が年内いっぱいの事業とのことで10月25日、計画は一旦白紙に。福井で冬場の路上は寒いしね。

お二人はそれから山梨、鹿児島と遠征が順調に始動しており、それぞれに盛り上がっている様子がSNSやブログから伝わって来ます。おれはといえば頬杖をつく少女の面持ちでそれらを眺める日々。そこに花びらがあれば何やらぶつぶつ言いながら1枚ずつちぎっていたかもしれません。

年が明けて3月。
ふいにネットの画面に現れた、「まちなかステージ再開」の文字。
去年だけで終了と思っていたから、じっとしていられない習性を秒で刺激されます(2回目)。鼻息がなるべく伝わらないように確認のお電話を入れると、「コロナが落ち着いている今の状況なら県外の人でも大丈夫ですよ」と神の審判。従順な忍者が片膝を付いて主の前に現れるイメージで、すぐご本人に一報を入れました。吉報でござる。

更にここで従順な忍者はひとつの策が浮かびます。・・・春に向けて調整するなら、西山のつつじ祭りに絡められないか!?!?
せっかく福井まで呼ぶのなら「まちなか」「バー」「もう一つ」の豪華3本立てで提供したい。
地元、鯖江市が運営する年間最大のイベントなので無謀な思い付きではありますが、動いてみずにはいられません。西山管理事務所に近しい知人に軽く相談をして、企画書を提出。回答を待ちます。

待つこと4日。事務所から来た回答は、「歌のイベントは市の許可が下りませんでした。」
無念。コロナ禍でなければ可能と聞いて、ここ数年で27回目のコロナを恨む瞬間となりました。

西山がダメなら次なる案。9月に福井市中央公園で開催予定の「ワンパークフェス」に出演は出来ないか!?
2019年には2日で1万人を動員した大規模イベント。ここでお二人が歌えば福井から全国に人気が飛び火する未来もあるぞ!?ということで丁重にメール送信。
頂いたお返事は、「出演アーティストの募集は行っておりません」。取り付く島もないという言葉はこういう時に使うんでしょうね。
続けて問い合わせた、今年閉校の地元高校でのイベントに絡めた出演相談も、コロナのためイベント自体が中止となり28回目の恨み節と共に万策が尽きます。

お二人へは、すみませんが「まちなかステージ」と「バーでのライブ」の2本立てでお願いしますとご連絡。3本立ての夢は潰えたか・・・と思った5日後の4月7日。
目に飛び込んだのは「県独自のコロナ特別警報がコロナ警報へと引き下げ」のニュース。これは一筋の光明ではなかろうか!?食い下がるチャンスと見て良いのでは!??と勝手に思いを募らせながら西山公園に再度ラブコールをします。

前回は管理事務所に行って「市の許可がー」と言われたので、作り直した企画書を今度は鯖江市役所に持って行って交渉を試みます。反応は良くも悪くもなく、感染対策を重点的にまとめた書面を頂ければ再検討したしますと。
こちとら一度フラれた身。検討の余地ありならば大きな一歩前進と捉えましょう。

併せてまちなかステージの予約状況を確認したところ、つつじ祭りに合わせられるようにご本人にも空けて貰っていた5月1日(日)が既に埋まってしまっていたので、1週間ずらしの8日でひとまず仮押さえ。
鯖江市の許可が下りれば5月7日と8日で「西山」「まちなか」「バー」の3本立てが出来るかもしれない!!!ということをお二人に伝えたところ、頂いたお返事は悲しみの3本立てでした。
「7日、8日は予定が入ってしまい・・・」「変更できないか確認中です」「もし変更できない場合には大変申し訳ないのですが、また別日程で・・・」
頂く言葉には終始配慮があって丁寧で、変に漏れないようにどうにか抑えてるけど音楽以外のお人柄もああもう好きっってなってます。
なのでもう全然お待ちします!こちらはどう転んでも大丈夫な心の準備でお待ちします!急な調整申し訳ありません!!

5日後。GoodMoonから届いたDMを恐る恐る開くと・・・「7・8日空けられました!」のメッセージ!!良かったー嬉しいーー!!ありがとうございます!!しかも前日から福井入りして6日夜も路上ライブを出来そうとのスペシャルなおまけ付き!!
残る関門は西山の許可(1)、そしてバーでのライブ開催調整(2)。

(1)西山の許可。コロナ感染対策を重点的にまとめて市役所に提出。ここまですれば大丈夫だろうのレベルに仕上げて、頂いた言葉は「ここまでして貰えるなら大丈夫でしょう」。心の中で割れるくす玉。祝!大丈夫!バサバサバサッ!
飛び出たハトにびっくりしてるおれに、続けて「ではこの申請書に記入して、管理事務所に提出して下さい。」
書類が一面去ってまた一面。それは何?イコール許可ということ??これを出してからまた審査??とはもう聞けないまま、言われる通りにハイハイと進めます。管理事務所には責任者不在でまた後日の連絡待ち。

(2)ライブ開催調整。3Fのライブハウスを利用するには集客の見込みが必要。15人以上集められない場合は、2Fのバーに普通にお客として入って数曲歌うカタチに・・・。この試練が思わぬラスボスとなり最終局面に立ちはだかります。
最初の時点で参加者はうち夫婦2人。ご本人からの発信と共に、おれも公私混同でSNSやLINEを駆使したり、自分の店や色んな店に手作りチラシを貼って回ったり。
正直、音楽的には15人集めるのに苦労するレベルでは全っ然ないので、どんなパラレルワールドに転生したおじさんの物語かな、という思いを抱えながら。

そして4月22日。ついに。
ついに正式に西山の使用許可が来た!!一度断られてから21日後、開催の16日前!!咲き誇るつつじの前で演奏して貰えたらというあの思い付きが現実になる!ありがとう地元ー!!!

  • 6日 夜:福井駅前路上ライブ

  • 7日 13時:西山ライブ

  • 7日 夜:バーorライブハウス

  • 8日 10時:西山ライブ

  • 8日 13時:まちなかステージ

ここまで形になりました・・・あと一息・・・。
ライブハウス参加者は6人増えてあと7人。開催まであと13日。DMでの「引き続き動きますので是非実現させましょう」の言葉が頼もしい・・・自分のだけど。
数年動いてないLINEグループや話してない友人知人、まるで宗教勧誘のように連絡出来る先を絞り出しつつ、一方で地元のラジオ局へGoodMoonの出演手配。やってることはほぼGoodMoon事務局福井支部のマネージャー体験、オッサニアです。何それ。

そんな頃に宣伝のためにご本人からお送り頂いたフライヤーの束。そのうち1枚の裏面に、ビッシリと直筆メッセージがあり感激・・・ほんとなんてええ人なんや・・・額に入れて家宝にします!!!
それで更に力を得て、突然勧誘される側からしたら温度差がうざかったかも知れない頑張りもジワジワと実を結び、開催6日前、ついに集客15人を確保!!ライブハウスが実現できるー!やったー!!!

しかもバーの方との調整を進める中で、「ライブ後に料理をお出しして打ち上げも可能ですよ」とのご提案が飛び出るではないですか。
そんなことは一切考えていなかったので、ライブ後は普通に解散でしょ・・・いや熱量そのまま宴会もいいかも・・・もしかしてお二人に声かけて少しでも同席とか・・・!??ゼロからの妄想がすごい勢いで膨らんでいきます。
全く想定外の展開ではありますが、お誘いしてみたところ快諾を頂き、なんとお二人を交えた打ち上げまで開催が可能となったのでした。

路上、西山、ライブハウス、打ち上げ、まちなか。全国路上ライブツアー福井編は、こんな充実の夢の奇跡の5本立てが実現出来そう。まじで!?!?

数週間前からにらめっこしていた空模様も、3日間で晴れのち曇りのち雨という油断のならない全天候型予報が続いていましたが、無事に各日ともに晴天で迎えることが出来ました。

3日間の内容は、それはもうここまで書いた半年間よりも何倍も濃密な思い出深い色々があり過ぎて8万文字ぐらいになりそうなのでここでは控えます。

初日 福井駅前
2日目昼 西山公園 
2日目夜 ライブハウス
打ち上げ
3日目朝 西山公園
3日目昼 まちなかステージ

本当に、やりたいことが全部(全部!)叶って、こんなに報われることってあるんだなーと感無量の3デイズ5ライブ。

福井から神奈川への帰路のインスタ配信で「人生で一番楽しいゴールデンウィークでした」と話してくれたお二人の一部にご一緒出来たことは本当に光栄だし、こんなに才能と人柄に魅力ある方達とのズブズブの3日間はこちらこそ人生に大きく刻まれる宝物となりました。

3年後、東京ドーム、そしてサンドーム福井で一緒に「ほらね」を歌えたらきっと親戚のおじさんのような気持ちで泣いてしまうだろうな。必ず来るその日を楽しみにしております!!福井に来て頂いて本当にありがとうございました!!!!!

ツイートが叶った福井駅西口

GoodMoon公式HP:http://goodmoon-music.com/
全国路上ライブツアーブログ:http://goodmoon-music.com/blog/


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