・乗越たかおダンスマガジン評論集 【お試し版】 2
本書は2013年11月号から、2023年3月号までダンスマガジン誌(株式会社新書館発行 https://www.shinshokan.co.jp)に掲載された乗越たかおの舞踊評論をまとめた「集成版」のお試し版です。
1パックに評論が4本入って各300円とお値打ち価格で、気になる演目だけ読むのも可。第一弾は全21+1パックのラインナップで約10年間の流れがわかります。
※無断複写・転載を禁じます。この資料は、許可なく公開、書き換え、または再配布することはできません。
『アーキタンツ2014 2月公演』
(初出 ダンスマガジン 2014年5月号 約1000字)
/アレッシオ・シルヴェストリン『Opus 131』、ケネス・マクミラン『マノン(寝室のパ・ド・ドゥ)』、マルコ・ゲッケ『火の鳥のパ・ド・ドゥ』、森山開次『HAGOROMO』
アーキタンツは元々国内外の有名ダンサーを講師に招いてレッスンを行うスタジオとして有名だったが、次第に豊富な人脈を活かして自主公演を手がけるようになった。とくにここ数年は強い独自色を打ち出しており、この公演も多彩な魅力に満ちた4演目となった。
アレッシオ・シルヴェストリン振付の『Opus 131』はタイトルのベートーヴェン弦楽四重奏曲を使い、横関雄一郎、イ・ソン、金田あゆ子、近藤美緒らがクラシカルな技法をベースに静謐で濃密な情景を紡いでいく。途中からは紗幕が中央を区切り、照明によってソロの後ろに群舞がフワッと浮き上がる。シンプルだが、一幅の絵画となった舞台全面の前で踊っているようだった。
ロバート・テューズリーと酒井はなという豪華な組み合わせの二人が、マクミラン振付『マノン(寝室のパ・ド・ドゥ)』、そしてマルコ・ゲッケ振付のコンテンポラリー作品『火の鳥のパ・ド・ドゥ』を踊った。
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