ニッチじゃない、イッチなんだ
「ニッチなもの」という言葉を聞いて、どんな印象を持ちますか?
もしかしたら「マイナーなもの」のような、ネガティブなイメージがあるかもしれません。
たしかに「ニッチ」とはすき間。全体のパイに対して少数の人にウケるようなものだから、マイナーといえばマイナーかもしれません。地球を俯瞰してみれば、ウケてる人が少なく見える。
けれどもニッチなものが刺さった当人にとっては、少数派であろうが何だろうが関係ありません。メジャーだろうがマイナーだろうが、自分にとって切実な課題を解決してくれる「願ってもないもの」なんですよね。
そう、自分の願いと一致するもの。つまりニッチとは、ある人にとっての「イッチ」なんですよね。
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この3日間、東京は表参道のスパイラルホールで開催された「MaG.」という展示会に出品していました。
商品を探して仕入れるバイヤーさん向けのイベントだったのですが、開発陣とその周辺の近しい方々以外で初めて「BYP 1」というプロダクトの実物を手にしていただく機会となりました。
とても興味深かったのは、バイヤーさんの反応が極端に分かれたことです。
ひと通り商品の説明をすると「へえ、面白いね」と素っ気なく立ち去る方がいる一方で、説明をし終える前から「これこれ、これだよ私が求めていたのは」と前のめりに興奮される方がいらっしゃる。
つまりこの鍵を包んでスマート持ち歩けるキーケース「BYP 1」は、普段から鍵をたくさん持ち歩いている方にとって、求めていた「答え」になってくれたようなのです。
「鍵が多くて煩わしい」
「ジャラジャラするのが本当はイヤ」
「でも鍵を持ち歩かないわけにはいかない」
そんな状況に対して「何かいい方法はないものか」と考えていたところに現れた救世主、とも言えそうです。
一方で、鍵をそんなに持ち歩かない、そもそも鍵をたくさん持っていない方にとっては「それの何が問題なのか」と、ピンとこない。
この「刺さる人には刺さる」「刺さらない人には刺さらない」ということが改めて分かったのは大きな収穫でした。考え方は間違っていなかったと、たしかな手応えを感じた3日間でした。
ジャラジャラと悲鳴を上げる鍵たちを、革で包んで持ち歩く。たしかにニッチかもしれません。
しかし求めていたものと完全イッチする人がいる、そんなユニークなプロダクトに仕上がったと思います。
【お知らせ】
Makuake にてクラウドファンディングを実施中。鍵への思いがイッチする方、ぜひ応援購入してください。(4月10日まで)
ありがとうございます。励みになります。