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野菜好きの我が家の心強い味方たち

我が家は野菜をたくさん食べる家だ。
どれぐらいかというと、だいたい週に一度の買い出しが、こんな感じ。
(画像はそれぞれ違う週のもの。基本は切らした常備野菜と旬のものの買い足しだが、出番が多くほぼ毎週買うものも。)

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天気のいい日に少し遠くの八百屋まで自転車で買い出しに行くのだが、帰りにはカゴもリュックもいっぱいでなかなか良い運動になる。
進学で家を出た息子がいた頃は、この他に生協の宅配でも週2回野菜の補充をしていたが、今はうっかり切らしたものや鮮度が落ちやすいものをその都度近所の八百屋で買い足すぐらいで、大人3人分の一週間分をほぼこれで賄っている。

野菜の買い出しから帰宅したら、直ちに下処理に入る。
常温保存するものは、布の袋に入れかえたり新聞紙にくるんだり。
冷蔵するものは、葉物の根本を濡らしたキッチンペーパーでくるんだり、根菜は葉っぱと身に切り分けたり、ミニトマトのへたを取り除いたり等の下処理をする。さらに、まとめ買いしたきのこ類などは一口大にほぐしてしてから冷凍・・・などなど、1週間新鮮なままで食べるため、面倒くさがり屋の私も最初のこの手間だけは惜しまない。

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この後、冷蔵保存する野菜はほぼ全て、野菜の鮮度保持を目的に作られた専用の保存袋に入れる。
ここで私が長らく愛用しているのが「くりかえし使えるやさいエコバッグ」という商品。住友ベークライトという日本のバイオ企業が開発したP−プラスという青果物鮮度保持包装技術を家庭用に商品化した、とても優秀な保存袋だ。

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P−プラスはこの分野でトップクラスのシェアを誇る技術で、スーパーなどで市販されている青果の包装にも多く使われていて、ロゴをよく見かける。
そのしくみは、特殊なミクロ穴が開いたフィルムで包装することで、フィルムを透過する酸素や二酸化炭素の量を調節し、野菜や果物の保存中の呼吸を抑えて「冬眠状態」に近づけて鮮度を保つというスグレモノ。サイズもS/M/Lと3種類揃っていて、だいたいの野菜や果物はどれかしらに収まる。

*Pプラスについてさらに詳しくはこちら
https://www.sumibe.co.jp/product/p-plus/index.html


しかし、この「やさいエコバッグ」は一番大きいLサイズでも最大幅が40cmなので、大根やごぼう、ネギなど長さのある野菜は横にしても入らない。でも、野菜を愛する私としては、長い野菜は使う時までなるべく長いまま、それが畑に生えていた状態に近い縦置きで保管したいのだ。

そこで、こうした長さのある野菜用には別メーカーの保存袋を使っている。関西紙工株式会社の鮮度保持袋「愛菜果」という商品だ。
オヤジギャグそのもののネーミングセンスはともかく、こちらもまた日本のバイオ技術を応用したスグレモノ。フィルム素材に含まれる大谷石の粉末が野菜からでるエチレンガスを吸着して鮮度を保つという、P−プラスとは異なる方式で野菜をフレッシュに保ってくれる。その鮮度保持能力はこれまた優秀で、入れると入れないでは全然日持ちが違う。

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ちなみにこちらはP−プラスのように袋の口がジッパー式ではなくただの袋なので、中に入れるものの形状に合わせてクリップ等で止める必要がある。フィルム自体の質感もだいぶ違い、薄くてサラサラしている。
P−プラスよりも耐久性では劣るがその分価格は安く、なにより、サイズ展開が豊富なのがよい。S/M/L3種類の他、ロングという長いサイズがあり、私はこれを愛用している。ロングは長さが55cmもあるので、大根・ネギ・セロリ・ごぼうなどがほぼ切らずに長いままそのまま入るのだ。素晴らしい。

*愛菜果についてさらに詳しくはこちら
http://www.kansaishikou.com/product.html


こうして私は買いこんだ野菜や果物を、それぞれの形状に合わせた処理をしてからそれぞれの保管場所へしまい込む。ここまですれば、次の買い出しまでばっちり鮮度が保てる。

さて、ここから出番となるのが、我が家の冷蔵庫。
野菜の保存に最適化された大変ユニークな設計がされたシャープの冷凍冷蔵庫、SJ-PV43Gである。
とっくに生産終了になっている旧機種なのだが、私はそのあまりに尖った独自コンセプトに惚れ込み、購入当時のカタログまでしっかり保存してある。
(画像の方が分かりやすいので、以下、適宜カタログの写真を引用する。)

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まず冷蔵庫の野菜室といえば、最近の主流はドカンと間口がでかくて深さもあるバケツ型収納庫のような形をしているが、この冷蔵庫は全然違う方向に設計されている。
なんと野菜室が縦型なのだ。しかも引き出し式。
人によっては使いにくいと思われるかもしれない。でも、私にはこれが一番使いやすく、我が家には無くてはならない冷蔵庫なのだ。

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野菜室の扉を開けると、引き出しが4段縦に並んでいる。私はこれを、一番上には果物、二段目に細かい野菜や使いかけの半端野菜、三段目に中型の野菜や葉物、一番下には根菜や大きくて重い野菜、と分別して使っている。
こうして引き出しごとに入れる野菜の種類をざっくり分けることで、どこに何が入っているか直感的に分かり、探しやすくて管理が楽なのだ。ピンポイントに出し入れが出来るので、扉を開ける度に全ての野菜を温度変化に晒さずに済むのもいい。

さらに素晴らしいのは、扉に縦型のポケットがついていて、ここに先程わざわざ長い袋を探して入れた長モノ野菜達がそのまま立てて収納出来るのである。これが非常に便利!!もちろん鮮度保持の面でも断然長持ちする。

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そして実はこの冷蔵庫、他にも色々と個性的な機能を備えている。
例えば、メイン冷蔵室に使われている、左右どちらからも開く両開きドア。
マンション住まいの我が家では、冷蔵庫置き場がカウンターキッチンの入り口に固定されているため、片開きでは冷蔵庫の扉で入り口が塞がれてしまい、何かと不便なのだが、

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その点、両開きドアなら調理中はキッチン内側から、それ以外の時はキッチン外側から扉を開けてダイレクトに必要なものを取り出せる。動線に無駄がない。
ちなみにこの日本の住宅事情においては不可欠と思われる冷蔵庫の両開きドアは、「どっちもドア」という名称で30年以上シャープが独自技術として提唱しているもので、今もシャープだけが一社独占で作り続けている。
つまり引っ越ししない限り、我が家の冷蔵庫は今後もし買い換えるとしてもシャープ製一択ということだ。

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*シャープ社製冷蔵庫の「どっちもドア」についてさらに詳しくはこちら
https://jp.sharp/reizo/door/


この冷蔵庫の面白さはまだまだある。冷凍室も独自路線の設計だ。
今現在販売されている家庭用冷蔵庫の冷凍室は、だいたいどのメーカーも主力商品はとにかく収容力重視で幅も深さもある巨大な引き出し型が一般的で、せいぜい機種によって中段か最下段に配置が変わるぐらいだ。
ところがこの冷蔵庫は、そもそも本体全体の下半分を占める野菜室が縦型なので、当然ながらその残り半分を使う冷凍庫も縦型なのだ。

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冷凍室の扉を開けると中は3段の引き出しになっている。野菜室同様、私はこの引き出しを用途別にざっくり使い分けていて、一番上はスパイスや薬味ストック、その他諸々の細かいもの、真ん中が肉や魚、下が冷凍野菜やかさばる半調理の冷凍食品等を入れるようにしている。
こうして使い分けることで食材の管理が楽になり、扉を開けた時に欲しい物がすぐ見つけられる。もちろん、ピンポイントで必要な引き出しだけ開ければよいので冷気も逃げにくい。

さてこんなにも素晴らしいこの冷蔵庫の唯一最大の難点といえば、当然ながら野菜室も冷凍室も入る食材の大きさが引き出しの大きさに制限されるため、収容力が一体ボックス型よりだいぶ劣るという点だ。
野菜室は丸ごとの白菜や西瓜など入れようものならそれだけで一つの引き出しがほぼ埋まってしまうし、冷凍室も大きな冷凍ピザや巨大な塊肉や丸ごとの魚などをは到底入らない。コストコなどで大容量の冷凍食品を買ってきても入れる余裕がないため、潔く諦めるしか無い。
それでも、ズボラ主婦の私の食材の買い過ぎ(=食べ過ぎ)や死蔵を防ぎ、便利な冷凍食材にやたらと頼らず極力新鮮な食材で自力で料理せざるを得ないという、使う人間の心の鮮度まで保持する最高にありがたい仕様・・・と無理矢理考えることにしている。


そんなこんなで、まるで私が設計したのか?と思うほど我が家の食材管理事情(と、私の性格)にぴったりの最高に素晴らしい冷蔵庫なのだが、大変残念なことにシャープはもうこの型の冷蔵庫を製造していない。ガーン!

理由は簡単で、この仕様にそれほど需要がなかったのだろう。
別に家電業界のマーケッターでもないただの主婦の私でも、共働きが多く忙しい今の一般家庭での食材の購入・消費傾向をちょっと想像すれば、ファミリー向けの冷蔵庫の機能として、生野菜の保存に最適化された特殊な設計よりも、ドカンとまとめ買いした冷凍食品をゆうゆうと収容できる大型冷凍室の方がよほど需要が高いだろうことは想像に難くない。

かくして、我が家では2003年製のこの変わった冷蔵庫を今もしつこく使い続けている。さすがに18年目ともなれば当然あちこちガタが来ている。使用電力だってもはや省エネには程遠くなっているはずだ。いつだったか最後に製氷室の修理に来てもらった時には「もう部品が無くなりますので、次に壊れたときは覚悟してくださいね」と、何やら余命宣告みたいなことまで言われてしまった(涙)
それでも、これほど我が家のニーズに合っている冷蔵庫は他にないので仕方がない。なにしろ壊れたら代わりが無いので、なんとか少しでも長く動いてくれますようにと願いつつ、今日も頼りにしている私の大切なキッチンの相棒なのである。


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