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コロナ禍で切り上げになった、ドイツ留学の話をする

2020年4月5日、1回目の緊急事態宣言発出が決まったころに更新したインスタの、
切り上げ帰国になったドイツ留学のまとめとして書いた文章を引っ張ってきて、ちょっとだけ修正しました。

日本に帰ってきてから2週間、帰国を決めてからは半月が経つのに、なんとなく消化しきれていなくて、書き終わって長すぎて引いています。

2/2に日本を出発して、ドイツで留学をしていました。半年の予定を切り上げて、2ヶ月足らずでの帰国です。

送られてきた資料も碌に読み込まないまま、期末テスト終了2日後に飛び乗った飛行機。
不十分すぎる準備と無に等しい英語力のせいであちこち無駄な動きをしながら手続きを済ませ、生活を整え、授業に出て、真面目に復習をしたり。

ようやく生活のリズムを掴めたかな、少しずつテンポよく会話ができるようになってきたかな、と思った矢先、

3/11、留学先大学に1ヶ月の休校指示。
留学中の最難関だったビザは、予定されていたカード型ではなく、紙をパスポートに張り付ける形で発給されました。
3/16、畳みかけるように日本政府の出す感染症危険情報がレベル2に引き上げ。所属大学側が「帰国を強く促す」ラインに到達します。

所属大学側からの連絡を待つ時間も惜しいくらい、目まぐるしく変わる状況。感染症危険情報に基づく帰国勧告の強制力と、継続した場合にオンライン授業を単位申請の可否、帰国した場合の扱い。焦っても日本は夜なのに、何度も何度もメールの受信ボックスを更新して。

ようやく自分の置かれている状況を最低限整理できたのは、帰国か継続かを決断するタイムリミットの、僅か2日前でした。

商学部に復学するなら3/18までの申請が必要、でも帰国を「勧告」されるレベル3まで粘ることもできる。

結局私は復学を選択するわけですが、ここにこんなに長ったらしく打ってる未練の大元は多分ここです。

感染症危険レベル3への引き上げは時間の問題。休校が長引いた場合単位互換はできないと言われている。ここでマーケティングの単位を取らないと、行きたいゼミに申請できない。なにより、もし感染しても適切に医療を受ける自信がない。

日に日に店が閉まり、規制が厳しくなり、人と人の間に物理的な壁を作って視覚的に線を引く。
死んでいく街を見ていく中で、復学申請の締切に滑り込むことは、間違いなく合理的だと頭では認識していました。

ただ、「残りたいじゃ残れないの」と母に言った言葉を正しいと自負する一方で、どうしても自責と悔いを拭いきれない自分がいます。

はっきり言ってついて行けていない授業に、難しいから勉強しておけと宣言されるテスト、入りきれない留学生の輪、状況の悪化と共に厳しくなるアジア人への視線。少しでも逃れられると期待しなかった?

もう少し英語を勉強していれば、もう少し早く覚悟を決めていれば、授業にちゃんとついていけたかも、気軽に話せる友人も増えただろうか。私が逃れたがっていることは、ただの努力不足の結果ではないか、と。

結果レベル3に上がった時期を考えれば、これで良かったとぼやいて許されたいですが、

それでも、頑張れたはずのことを頑張らなかったんじゃないか、頑張るべきことから逃げたんじゃないか、を振り払えない。春学期をやり通さずに帰ることを選んだ時点で、これは多分、これから先もずっと消えないんだと思います。

そして情けないことに、頭の中をよぎったことを打ち消すだけのものが自分にないのは事実で。いかに自分が自分の価値を結果や数字に見出していたのか痛感しました。


今のところ私の心を慰めてくれるのは、半泣きで街を駆けずり回り、はじめて英語でごねて交渉して、今度は普通に泣いて、また走り回って、入国から実に1ヶ月半かけてもぎ取ったビザだけです。(3ヶ月以内で帰国するなら要らなかったというオチがあります)

まあ全然未練タラタラなんで長いこと言い訳を書き連ねましたが、呑気に過ごせてた時期もあったし、楽しいことも沢山ありました。

夜11:00から始まる恐怖のウェルカムパーティーに行ったり、IKEAに家具を買いに行ったり、ばったり会った友達とお肉屋さんでソーセージ食べたり、友達の誕生日パーティーをしたり、異文化交流会みたいなのに出てみたり。街で急に始まったカーニバルのせいで路面電車の路線が変わって帰るのに4倍くらいの時間がかかったり、寮でやってるパーティーにお邪魔したり、近くの街まで一人旅を敢行したり。

そして、この留学で得たものがあるとすれば、自分の弱い部分を見れたことです。
大学に入って以来、自分にとって害をもたらさなかった、臆病さと頑固さで、
人の輪に入っていけない、得意じゃない・楽しくないと判断したものを楽しむところまで自分を持っていけない。
ここまでかと呆れるほどで、このふたつが出来るようになればもっと色々なものを見られるのだと思いました。まずは気づけてよかった。

それに、「居住外国人」として、悪いことはしません、お金も不法労働をしなくていい分はあります。と証明するためにあちこちの手続きをしなければならなかったことも面白かったです。自分が明確に「外国人」として扱われるのは新鮮でした。

春休みに短期留学をした人ですね!経験は決して無駄ではないと分かっているものの、まだ自信がありません。
いつか、やり通せなかったという事実を超えて無駄じゃなかった!と胸を張れる日が来るように、精一杯精進していきたいです。


帰るまでが遠足だから手続きが終わるまでが留学なので、銀行口座に置いてこざるを得なかったお金を取り戻すまでが私の留学です!大使館が平常業務に戻りますように!! そして、今の厳しい現状が出来るだけ早く平常に戻りますように。

この留学で関わって下さった全ての方に感謝します。


書きためていたドイツ留学日記を一年越しに上げたのをまとめたマガジン↓

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