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7歳の子が習い事で得たもの。

息子はいま、習いごとをいくつかしているのだけど、最近改めて思う。
習い事って、やっぱり素晴らしい!!と。

習い事って、なんか少し親のエゴみたいなイメージがあって、実際我が家も最初のスタートはそうだった。

みんなやってる公文や英語系のお勉強ではなく、運動系ばかりになったのは、実は運動のほうが苦手そうだからという理由にすぎない。

こどもの得意を伸ばそうという昨今の風潮にあって、この後ろ向きな理由はどうなのかと思ったけれど、赤ちゃんの頃から何もない場所で頭から転び、犬神家の一族よろしく逆さに両足を突き立てて泣く息子を見ては、このままじゃあかん!!ちょっとなんとかせねばと内心思ってきたのだ。

最初にはじめたサッカーは、「お友達のボールを取れと言われるのがつらい」という理由で早々に離脱。

それぞれ好きにボールを蹴って走りまわってるときはよかった。だけど、忘れてたよ。
サッカーとは結局、一つしかないボールを人と奪いあうスポーツなのだってこと。。

続けるうちにコーチにボールを奪ってこいと発破をかけられることが増え、ほかの子が蹴っているボールを決死の覚悟で取りに行くようになった。
彼がボールをうまく自分のものにできたとき、わたし達は「すごいじゃん」「よくやったぞ!」なんてほめていたんだけど、どうも様子がおかしい。
明らかに元気がなく浮かない顔に見える。

息子はしばらく沈んだままで、ある日ようやく
「人のボールをとるのはぼくにとってつらいことだから、もうあそこには行きたくない」
と教えてくれたのだった。

自分のボールを取られることはなんともないけど、人のものを取ることには震えるほどの勇気がいるし、つらい。
そうなのだ。この人は、そういう人だ。

その日に即退会の電話をして、それから一度も行っていない。こんな簡単にやめていいのかという疑問は、そのときは不思議と浮かばなかった。

そういうスポーツだから、ということはできる。
でも、人と競い合うとか争うとかが根本的に向いていない人間にはなかなかつらいものなのだとそのとき思った。

そして別の習い事をはじめて、定期的に体を動かして2年以上になる。

そのひとつが、ダンス。
これが、息子に劇的な変化をもたらした、気がする。

もともと、そのクラスはみんなダンスが好きではじめた人ばかり。
一年は2人だけ、六年生までいるクラスで、音楽は好きだけど「運動能力をどうかしたい」という理由ではじめた息子はクラスのレベルについていけておらず、確実に一番下手だったと思う。 
だけどかっこよく踊れるようになりたいから、そこで毎回、人の何倍かの練習をする習慣ができた。

このクラスを導く先生が、また厳しくも素晴らしい。表面上の「どれだけ上手か」ではなく、いつでも努力の過程と成長を見てくれるのだ。 

最初は不安そうで自信がなかった息子。
でも、一番練習した人、とか、先週から一番成長した人、として毎週クラスで自分の名前を呼んでもらうたびに、その顔が目に見えて輝きはじめた。

自信ややる気は、人の顔つきまで変える。
ダンスをしているときの息子は、輝くようないい顔をしてるのだ。

努力をすればその分上達し、それをちゃんと見ていてくれる人がいる。

この習い事は、期せずしてそんな素晴らしい経験をくれる場になった。
親バカなのかもしれないけれど、今、息子のダンスはとてもかっこいい。
全身でのリズムの捉えかた、ダイナミックな動き、ふとした瞬間に顔を向ける角度や足の置き方など、かなり、センスがあるんじゃないの。
とバカ母は思う。正直、トキメキが止まらない。

「ぼくには、ダンスがあるから」
ある日なにげない会話の中で、ふとそう息子が言った時は、驚いた。いつのまに、そんなふうに自信をつけていたのだろう。

子育てにおいて、他人である大人の存在というのはほんとにありがたいものだ。

息子の内に埋もれていた、努力をする才能。
それを見つけてくれた先生には、感謝してもしきれない。

今日は体操の日だったのだけど、時間に遅れそうだった息子に、はやくはやく!と急かされた。
ぼくがクラスのお笑い担当なんだから、ぼくがいなかったらみんなが困る
とのこと。

そこは、息子がひとつ面白いことを言うたびに、みんながドッと笑ってくれるあったかい現場であるらしい。いつも肩をぶん回し、はりきって入っていく。

跳び箱は苦手だし、逆上がりの補助板がなかなかとれないみたいだけど、そんなこたぁほんとにどーーだっていいのだ。

お笑い担当にはりきる姿を見られるだけで、通ってる価値ありってもんである。
きっと学校とはまた少し違った、人との関係やキャラクターがあるのだろう。
彼は彼なりの理由を見つけて、いまどの習い事も毎週すごく楽しみにしてる。
習い事って、やっぱりありがたいなぁとしみじみ思うのだ。

サッカーはすぐにやめてよかった。
大人も子どもも、やりたくないものを無理に続ける必要なんてないのだから。

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