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データで見る世界のコロナ:新規感染・死亡者数とワクチン&ブースター

コロナに関して、気になっていることや、CDCやファウチ博士の発言が本当であるかどうか検証のために、時々、Our World in Dataの各国データを比較してみています。先に申し上げますと、確固たる結論に至ったというものはなく、疑問点がさらに増えたという感じです。お時間のある時に、お付き合いいただけたら幸いです。

各国比較による、ブースター接種の検証

ブースター接種が必要か検討するために、ニュース等でワクチン絡みの話を聞く国と、日本とアメリカの感染状況を比較してみました。

●ブースター接種推進国:イスラエルと韓国
●オミクロンの発生地として、各国による渡航制限を受けた国:南アフリカ
●感染爆増を経験しつつも、ブースター接種を進めていない:インド

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日本:謎の水際対策

パンデミック始まって以来、はじめて、感染者数がアメリカをほんの少し上回りました。死亡者数はグラフで見ると、上昇しているように見えますが、100万人あたり0人〜2人の範囲です。

ちなみに、日本の水際対策では、上記全ての国が2月11日時点(最新)では、同じ対応になっています。外国人の新規入国は禁止されているため、日本国籍や最入国者のみを対象としているものだと思います。

https://www.mhlw.go.jp/content/000883243.pdf

このうち、韓国、米国(テキサス州、ハワイ州、マサチューセッツ州)、南アフリカは、2月11日以前は6日間の待機期間が必要とされていました。この間も、イスラエルは現在と同じステイタスでした。イスラエルについては別途検討します。

これよりも少し厳しい6日間待機ステイタスの国は、イタリア、ウズベキスタン、英国、エジプト、オランダ、スウェーデン、デンマークドイツ、 ネパール、ノルウェー、パキスタン、フランス、米国(イリノイ州、カリフォルニア州、ニューヨーク州、フロリダ州)、ポルトガル・・・。
*太字はブースター接種50%以上の国

あれ?中国からの帰国者、再入国者は、待機日数ゼロですか?

中国の100万人あたりの新規感染者数(上)と100万人あたりの死亡者数(下)Our World in Data

まさか、このデータを信じているわけではないですよね? 

中国に住む一般市民ですら、火葬場の稼働率や、携帯電話の解約数等から、中国のコロナの本当の感染者数を知ろうと努力している中で、まさか日本政府が共産国での統計がどういうものであるか、知らないはずはないですよね?
100万人に0.15人しか感染していないような状況で、食糧の買い出しも禁止するほど、ロックダウンする必要があるのでしょうか?

ちなみに、私が参考にしたのは、水際対策上特に対応すべき変異株等に対する指定国・地域について (要旨)です。私の勘違いだといいのですが、理解が正しければ一体これは・・・?

アメリカ:コロナ制限の厳しさと感染者数抑制は関係ない?

今回のパンデミックで、医療と科学の後進国であるかのような状況に陥っているアメリカですが、ようやく感染者数が落ち着いてきました。

昨年の11月半ばに60%を超えた接種完了者は、2月12日時点でも64.7%。5歳〜11歳の子どもの接種が始まったのが11月初めであり、ワクチン義務化政策の影響を受けた人の接種期限が12月〜1月が多かったということを考えると、4.7%ぞうは主にこの層ではないかと思います。ブースター接種も30%とあまり進んでいません。にもかかわらず、感染が確実に減少しています。

ただし、アメリカの問題点は、これだけ感染者数が減っているにもかかわらず、死亡者数がイスラエル並みに多いということです。肥満が問題になっているアメリカでは、重症化しやすい層が多い点や、様々な医療システムの問題等が原因だと思われます。ただし、他国と比べればダントツに多いアメリカとイスラエルですが、100万人中の死亡者数が8人以下です。

また、コロナ政策による制限が厳しい州と解除された州で比較しても、グラフの波の形が変わらないことから、感染減少は、厳しい制限の効果というわけでもなさそうです。

Googleのコロナ情報

日本政府の水際対策として、州ごとに待機期間を3日と6日の指定をしているようです。入国後、検疫所の確保した宿泊施設で6日間の待機が必要だったテキサス州ですが、2月11日、3日間に短縮されたようです。カリフォルニア、フロリダ、ニューヨークは6日間のままのようです。日本の水際対策がどのようなデータに基づいているのか分からないのですが、日本政府の評価としては、テキサスのコロナの状況が上記にあげた他の3州よりも良いと考えたようです。

https://anasalesa.com/covid-19_update/

一方、テキサスと同じ日に3日間に短縮されたハワイ州は、かなり厳しいコロナ政策(飲食店やモール入店時のワクチン接種義務化、ただし、2日ごとの陰性証明の代用可、屋内でのマスク着用義務等)を行っている州の1つです。

コロナ関連の義務化:ゼロ州VS満載州比較【アメリカのコロナ事情Vol.16】    ■ゼロ州VS満載州比較から考える義務化の効果【アメリカのコロナ事情Vol.17】 

マサチューセッツ州は、厳しいコロナ政策で揉めている州の1つです。2月16日にも、義務化政策の1つが阻止されました。

マサチューセッツ州判事、ボストンのCOVID-19ワクチン接種義務化を阻止(2月16日、Just the News)

一時的に義務化の発動を阻止されたのは、ボストンの市職員に対するもので、対象者が解雇されるのを防ぐ狙いがあると言います。ただし、ワクチン接種の代わりに定期的な検査を受ける必要はあるようです。

このように見ていくと、”〜をしたから感染が防げる”という者でもなく、当たり前ですが、総合的な対策が必要なのだと思います。それに・・・パンデミック当初なら、徹底的な対策も理解できますが、もう3年、経過しているわけですし・・・。収束できなかった=効果がなかった政策ばかりを繰り返しても・・・。

イスラエルVS南ア:ブースター接種は感染拡大を止めるのか? 

ワクチン推進派科学者は、ワクチン2回ではオミクロンに対抗できなくても、ブースター接種をすれば、感染防止効果があるというようなことを言っていました。しかし、イスラエルのグラフを見ていると、どうしても???がいっぱい出てきてしまいます。

一方、”ワクチン接種が進んでいなかったことで、感染力が今までになく強力なオミクロンを発生させてしまった”と、言われていた南アフリカですが、前回のコラム作成時にはすでに抑制できていましたし、その状態が継続できているようです。デルタ株による感染爆発をワクチンではなく、イベルメクチンで抑えたと言われているインドも、デルタ後は、感染者は抑制できている状態であるようです。そうなると、ワクチンがコロナ収束の救世主であるかのような考えは、果たして・・・どうなのでしょうか?

韓国:えええ!?

今回の比較で、最も気になったのは韓国です。

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えええ!?

欧米に比べると、最近、アメリカの新規感染者数を超えたとはいえ、そこまで注目していなかったのですが、単独のグラフで見ると、これは・・・どういうことなのでしょうか?

上のグラフがワクチン接種数(左)と新規感染者数(右)、下がICU患者数(左)、死亡者数(右)です。

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ええっと。

新規感染者数が増えれば、重症化する人(ICU)も増えるでしょうし、重症化する人が増えれば死亡者が増えるのは当然です。右上のワクチン接種データは、100人あたりの接種回数です。こちらも順調に増えていたのですが・・・、これは思ったことをそのまま口に出してしまってもいいのでしょうか?この段階で言葉を発してしまうのは、ちょっと乱暴な気もしましたので、もう少しデータを見てみると・・・。

  1. ワクチン接種完了者は10月29日(2週間後は、11月12日)までに急増。それ以降の増え方は緩やか

  2. 死亡者のピークは12月24日、そこから減少し、再び増加に転じたのが2月5日

  3. 12月の波に関連する新規感染者のピークは12月17日、その後減少。再び増加に転じたのは1月10日

  4. ブースターが本格的に接種はじまったのが11月1日頃(2週間後は11月15日)。接種スピードにギアが入ったのが12月12日頃(2週間後は12月27日)

  5. 2つの波(12月と2月)を比べると、新規感染者数は2月が圧倒的に多いものの、死亡者数は12月の方が深刻そうに見える。

2と4の太字をみると、ブースター接種が進んだことで、重症化が防げているように思えます。しかし、2月5日には再び死亡者が増加していますので、効果はたったの1ヶ月ちょっと?という疑問が生じます。それよりは”オミクロンはデルタよりも軽症傾向”という、南アの医師会の発表の方が当てはまるように思います。

そして、何よりもやはり「1月10日に何が起きた?」です。
1つ影響が考えられるのは、”1月10日から百貨店や大型スーパーなどの大規模店舗に入店する際、新型コロナウイルスのワクチン接種完了やPCR検査の陰性を証明する「防疫パス」の提示が義務付けられる(1月10日、聯合ニュース)”です。検査数が増えれば、当然、無症状の陽性者数は増えます。しかし、実際には検査数はそれほど増えてはいません。仮に検査が10万件増えたとして、偽陽性がでる確率は特異性99%ならば、1千人。これに対して、感染者増は5万人以上ですから、検査数増の影響はあったとしても限定的で、他の理由があるはずです。

・・・となると、この1月10日以降の感染爆増の原因は何だか不明です。ただし、ブースターが感染抑制に役立っているとは思えません。

Googleコロナ情報
Googleのコロナ情報

韓国は、現在のブースター接種率はイスラエルを超えていますが、イスラエルの方が接種開始が早いため、もう少し様子を見る必要があるかと思います。

アフリカ諸国とイスラエル、米国との比較

アフリカのコロナ事情・2月15日版

アフリカのコロナ事情については、これまでに何度か取り上げてきました。WHOやCDCは、ワクチン接種が進まないアフリカでの感染拡大が心配だと言い続けています。しかし、これまでアフリカでは、欧米のような感染爆発は起きていません。変異株が2回見つかった南アフリカでさえも、イスラエル、アメリカと比べると、感染者数がかなり少なくなっています。

■関連記事
アフリカのコロナ政策:ワクチン接種率と新規感染者数の関係(2022年1月)
【アフリカのコロナ事情】ワクチン支援の前に、彼らから学ぶべきこと  
”オミクロン in ボツワナの3つの謎”から検証する、ワクチン接種とオミクロンの関係。

下記のグラフには、全てのアフリカの国名が入力されています。しかし、ほとんどの国は、0に近いところで推移しているため、表示が不可能な状態になっています。

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チュニジア:アフリカのワクチン推進国で死亡者増?

そのような中で、気になったのがチュニジアです。10%とはいえ、アフリカでは珍しくブースター接種が進んでいます。そのチュニジアの死亡数が決して低いものではなく、アメリカ、イスラエルの水準まで増えています。

ここでこの数字を2つの角度から見る必要があります。1つは、オミクロン株の評価です。今のところ、100万人あたりの死亡者数が10人以下です。ほとんどの人が感染しても死亡しないということは、そこまで厳しいコロナ対策が必要か?ということを検討する必要があります。

もう1つは、ブースター接種がオミクロンに有効かという点です。CDCのワレンスキー所長は、デルタ株が蔓延していた頃に、すでに「ワクチンは感染防止のためではなく(感染を防ぐことはできない)、重症化防止のために重要」と発言しています。ところが、イスラエルやチュニジアの死亡者数を見ると、ブースター接種をした方がかえって重症化(死亡)してしまっているように見えます。

そんなことってあり得るのでしょうか?

この点が気になりましたので、次はブースター接種推進国の感染状況を見ていきたいと思います。

ブースター接種推進国と、ブラジル、インドとの比較

この章の目的

ブースター接種が50%以上の国の感染状況について、感染者数と死亡者数を調べてみました。比較対象として、ブラジル、インドを入れています。これはブースター接種推進派の科学者が「オミクロンは再感染のリスクがあるため、一度感染した人にもワクチン接種が必要」と、語っていたからです。

これまで感染爆増した国の中で、注意が必要な変異株が出た国には、UK、南アフリカ、インド、ブラジルがあります。過去に別の変異株による感染拡大を起こした国は、オミクロン以外の新型コロナの感染者が他国よりも多い国となります。

過去に要注意変異株が出現し感染拡大を経験した国と、ブースター接種率が高い国を比べてみることで、獲得免疫とブースター接種の緩やかな比較を行ってみたいと思います。ただし、今回のオミクロンが発見された国の南アフリカと、ブースター接種50%以上のグループに入っているUKは、前者から外しました。

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新規感染者数

ブラジルは2月になってから上昇基調にあります。ブラジルのブースター接種率は28%くらいです。ブースター接種がほとんど行われていないインドですが、オミクロンが拡大した時期に多少増えたものの、他の国に比べれば小さな波で済んでいます。デンマーク、オランダの感染者数増加の波がとても大きくなっていますが、ほとんどの国が現在、減少傾向にあります。

素朴な疑問ですが、急激に増加したところは、減少するときも急激なのは何故でしょうか?増加する角度と、減少する角度が同じくらいの”波”が多いような気がします。あくまでも気がするだけですが。

ブースター接種が進んでいる国々とインドを比べると、ブースター接種が感染抑制の理由になっているようには見えません。もしくは、ブースター接種は効果があるのだけど、インドが特別というのであれば、やはりイベルメクチンが予防薬としても効果があるという仮説にたどり着きます。

死亡者数

死亡者数はどこの国も100万人あたり10人以下です。ただ、死亡者数を比べても、インドがダントツに少ないようですので・・・。ブースター接種が重症化を防止していると本当に言えるのでしょうか?繰り返しになりますが、ブースター接種は効果があるのだけど、インドが特別というのであれば、やはりイベルメクチンが治療薬としても効果があるという仮説にたどり着きます。

水際対策の謎、深まる

ここで最初の章の日本のところで触れた、日本政府が行っている水際対策の謎に戻ります。

基本的に現在は、外国人の新規入国ができませんから、日本国籍か、再入国の外国人を対象とした水際対策として、入国後の決められた場所での待機期間が最も厳しいステイタスにある国ということになるのですが、6日間待機の国は下記の通りです。

イタリア、ウズベキスタン、英国、エジプト、オランダ、スウェーデン、デンマークドイツ、 ネパール、ノルウェー、パキスタン、フランス、米国(イリノイ州、カリフォルニア州、ニューヨーク州、フロリダ州)、ポルトガル

イスラエルは感染者が多いけれども、感染を防ぐという(実際には?ですが)ブースター接種率が高いから、リスクの少ない国と認定した・・・というストーリーなのかなと思いましたが、最も厳しい措置が必要な国の半数以上はブースター接種50%以上の国です。ブースター接種が評価基準というわけでもないようです。

というわけで、上記の、日本政府が最も厳しい対策を行っている国と、イスラエルでグラフを作ってみました。

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上記14か国と比較しても、イスラエルの感染者数は多い方です。
接種完了者(2回接種)の割合だと、14か国中、良くも悪くもない状態です。

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それではオミクロンの占有率かと思いましたが、それも違います。データが取れていないと思われる、エジプト、ネパール以外はほぼ100%がオミクロン株です。

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 結局、何を根拠に、イスラエルからの入国者の制限が厳しくないのかは分からずじまいです。

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