壁をレンガで埋める
私が今までやったDIYで、最もハードコアだったと自信をもって言えるのは、数年前にやったコレ。レンガ造りの家がほぼない日本ではもちろん、ドイツ人でも自分でやる人は滅多にいないと思う。
しかし、なぜこんなことをやることになったのか。
うちは2軒長屋みたいな造りになっている家(ドイツ語でDoppelhaus)なのだけど、元のオーナーはこの2軒の間の壁を開けて両方使っていた。そして私達とお隣さんが別々に住むことになったので、壁を作る必要ができたというわけ。
お隣さんは先に入居して、急いで壁を作っていた。しかし、よりによって気泡コンクリートの壁。安いし作業性もいいし悪くないのだけど、音がけっこう筒抜けだ…。これは急いで何とかしないといけない。
そういうわけで、まずは遮音性のよい材料でサイズが合うものを探した。ネットで情報を出していないところもあったので、いくつかの建材店に直接行って問い合わせした。いきなりやってきてレンガについて問い合わせるアジア人女性なものでビックリされつつも、ちゃんと対応してもらったとは思う。
これが買ってきたレンガ。パレット1個注文して、使ったのは3分の2ぐらい。住宅を建てるのに普通に使われるレンガである。地震がない場所だからこれで大丈夫。空気層が間にあって、これで断熱性と遮音性が高まる。断熱性の方は隣も住宅なのであまり気にしなくていいのだけど、遮音性の値がよいものを選んだ。
しかし、お隣さんはただ石を積んだだけみたいだから、モルタル部分は隣と一続きっぽい。これは剥がすのがよいだろうと判断した。あとは下のフローリングも、レンガを置く部分は剥がしておくべきだ。
フローリングは振動を使って切るマルチツールを使って切った。今でこそ色んなメーカーが売っているマルチツールだけど、このFeinがオリジナルだったと思う。治具を使えば正確にきれいに切れるし、こういう目的には最適だ。
あとはモルタルを剥がすのは力技で。なんだかんだで数日かかった。
こんな感じでレンガが見えるところまで剥がした。
そして準備ができたところでレンガを積んでいく。これは造園をしている義弟と2人で作業した。レンガ用には専用の接着剤があって、けっこう薄く塗るようにとの説明書の指示だった。
レンガの後ろの層はロックウールの遮音材。少しでも音の響きを抑えるために入れた。レンガは数段ごとに、元からある横の壁のレンガと金具で固定している。
そして完成!一番上の段のレンガは、粉塵をまき散らしても大丈夫な場所まで行って、ディスク・グラインダーで切った。だから1日余分にかかった(半分サイズの左右の端のレンガは、積む前に先に切って用意しておいた)。この状態で、隣からの音がほぼ聞こえなくなった。よかった!
そして上からモルタルを塗っていく。レンガはかなり水分を吸うので先に下地処理剤を塗り、その後は目立つ場所なのでプロにお願いした。ここまで目立つ場所でなかったら自分でやったと思うけど、これはよい判断だったと思う。
そして仕上げのモルタルを塗って完成!色を塗ったら、どこに穴があったか全く分からないぐらい平らにはなったので満足。
でも実際は、ここまで一気にやって疲れて、ここの壁に色を塗ったのは、引っ越し後、しばらく経ってからになりました・・・。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?