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元インター職員のつぶやきです

「どこのインターナショナルスクールが、一番良いと思いますか?」そう聞かれる度に、「どの程度の情報が必要なのかな。」と思ってしまう。世間はインターナショナルスクールを一括りにしてしまっていることと、質問する側の情報量が少ないことがほとんどだからだ。

東京、横浜のインターナショナルスクールの分類として色々あるけど、設立されて100年以上という「老舗組」と、設立されてまだ何十年もしくは何年かの学校に分かれる。老舗組でよく知られているのは、聖心、清泉、西町、セントメリーズ、ASIJ、CAJ、YIS、セントモール。西町、ASIJ、YISは無宗教の学校。他の学校はカトリックかプロテスタントの学校なので、聖書のクラスがある。

そしてどの学校でも入学試験で、生徒の英語力を必ずチェックされる。いくら経済的に余裕があっても、この老舗組だと英語力がネイティブレベルでない、もしくはレベル的にネイティブに近くないと入学は出来ない。

老舗組ではないインターナショナルスクールは、ノンネイティブスピーカーの生徒が多い。生徒の割合は英語力がそこそこの日本人、韓国人が多くなる。「教員はネイティブスピーカーなんでしょ。」という声があるけど、生徒がコミュニケーションを取るのは教員だけではない。生徒たちは友人と過ごす時間が多い。その友人たちがノンネイティブスピーカーだとすると、英語力の向上も遅くなる可能性がある。

生徒の個性を伸ばし英語を身に着けてほしいというなら、受験して私立校に入学させても良いのではと思う。それに体調不良で欠席します、担任に連絡をとりたいという些細なやり取りをする時に、保護者にもある程度の英語力が出来た方が良いのも事実だ。

わたしは老舗組の調布にあるインターナショナルスクールで働いていた。ここの学校の日本人生徒は、小学生からの在籍組や西町から編入してきたり、帰国子女の高校生が9割だった。彼らの英語力はネイティブレベルだとよくわかっている。それに高校生の宿題やプロジェクトの話を聞いていると、レベルが高いのがわかった。ただ授業についていくだけではなく、レポートひとつとっても、きちんとしたものを提出しないと良い成績は取れない。親の転勤でアメリカから転校してきた生徒と話した時に「アメリカではずっと公立校だったんだ。前の学校では、そこそこの成績だったんだけどここの学校はヤバイよ。マジで頑張らないと、ちゃんとした成績取れないよ。なにこれ大学かよ?って思うレベルだよ。」と愚痴をこぼしていた。

全体的に老舗組の学校の学力は高い。授業で学んだことをレポートやプロジェクトの際に自分なりに創意工夫してアウトプットすることが、とても大切だからだ。それゆえに高校卒業後の進路先も、「あ、知っている」という大学名があがってくるのだろう。

聖心、清泉は女子校、セントメリーズは男子校だから異性との関りが少なそうと思われるかもしれないが、高校生になると他校との関りが増えてくる。清泉とセントメリーズは関連校なのでダンスパーティーなどのイベントで交流がある。

個人的に西町もユニークな学校だと思うけど、9年生(日本の中学3年)までしかないので、高校進学の際に学校選びをしないといけない。生徒によってはインターナショナルスクールではなく、海外の寄宿学校に進学する場合がある。そういった視野に入れておくのも良いかもしれない。

「どこのインターナショナルスクールが、一番良いと思いますか?」という質問に戻るけど、毎回「わたしの意見をどの程度参考にするのかな?」と思ってしまう。大概は「お子さんの性格に合うか、学校の方針、立地、日本語教育の取り組みといったトータルで考えた方が良いですね。優先順位も決めてくださいね。」と答える。そして質問した相手は「そうかー。うん、そうですね。」と納得した様子を見せる。インターナショナルスクールにお子さんを入学させた人もいれば、私立校に入れた人もいる。彼らが納得していれば結果往来だと思っている。

ここまで読んでくださり、ありがとうございます。元職員のあくまでも個人的な見解なので、ご了承ください。


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