ーSilent Loveー
つい先日バレンタインの日に、こちらの映画を見に行ってきました。
この前書いたMrs. GREEN APPLEさんの「ナハトムジーク」という楽曲が主題歌に起用されているから、と言うのもありつつ、純粋に主演2人のお芝居が勉強になりそうな気がしたりして、やっとこさ行って参りました
結論から言うと、ぶっちゃけエンドロールの主題歌が耳に入ってこないぐらいには物語の重みが凄かったです。
まずそもそもどんなお話かというと、
あらすじ読んでも中々ヘビーそうだなぁと思っていたのですが、実際はその予想を余裕で上回るヘビーさというか…
でもヘビーという一言では言い表わせられない、片付けられない、色んな人の感情が複雑に絡み合った物語で。
蒼(あおい)役の山田涼介さんは、ほんっっとうに一言も発していなかったのですが、言葉がない分、目の演技が凄すぎて
「目は口ほどに物を言う」っていう諺がありますが、まさにそれを体現したようなお芝居で、ただただ圧倒されました。
目に色が無かった日々から、美夏に会って段々目に表情が宿り、最後は愛しい人に向ける優しい目に変化していて、いやー…最高でした。
浜辺美波さん演じる美夏は、"ガムランボール"と呼ばれる物を身に付けていて、これが物語におけるキーアイテムになっているのですが、私、ガムランボールという物を今回初めて知りまして
(公式でも販売しているみたいです↓)
気になって調べてみると、どうやらバリ島から産まれたものみたいで、インドネシアの伝統楽器「ガムラン」の音を再現した「ボール」、という意味みたいです。
この音が、鈴の音に似てはいるけれどそこまで高い音ではなく、ちょっと落ち着いた"シャンシャン"という音色で
別名「ドリームボール」とも呼ばれ、幸せを呼び夢や願いを叶えると言われているようです
今回ガムランボールが最初から最後まで2人を繋げるアイテムになっていたので、「ドリームボール」としての役割も持っているのかな、とも思ったりしました。
蒼が美夏に夢を諦めてほしくなくて、身を粉にしてまで働いてお金を作って、そのお金で非常勤のピアノ講師である北村悠真に美夏のためにピアノを演奏してもらう。
蒼が美夏に惹かれた経緯は具体的にはっきりと描かれていた訳ではなかったのですが、「ナハトムジーク」の歌詞にもあるように、蒼にとって美夏が暗闇の中に射した一筋の光だったんだろうなと
その存在を失いたくなくて、守りたくて、無理してでも北村に何度も頼んだんだろうなぁと
それでも北村と美夏が楽しそうに連弾しているのを見て辛くなったり、北村が美夏にキスしているのを目撃して声にならない聲を独り泣き叫んでいたり…
ここらへんが結構メンタルにきました…笑
蒼の友達が良かれと思って根回ししたことが、美夏が暴力沙汰に巻き込まれる原因になったり、その暴力沙汰で蒼が結果的に刑務所に入ることになってしまったり
人生ちょっとしたことで大事になるあたり、分かりみが深いなぁと思ったり、他の場面でも細かいところまでリアルに描写されているなぁと思いました。
古田新太さん演じる同僚柞田が、蒼のために警察押さえて逃がすとことか、心がギュッとなった。
そして映画のフライヤーにもなっている夕焼けでのキスシーンが、最後の最後に映されるのですが、実は偶然の産物らしく!!
脚本にはなく、その場で思いついたシーンだったらしいです。
このラストがあるから、まだどこか救われた気持ちになるというか、泥臭さの中の美しさ、のようなものを感じました。
映画のレビューとか感想を見てると、結構はっきり分かれてるのかなと思いつつも、多分この作品はここの演出が、とか、ここの流れが、とかではなく、もっと深いところに流れている、
言葉が溢れすぎている現代だからこそ直接触れ合うことで生まれる感情を大切にしたい
というメッセージを受け取れたらそれで大丈夫なのではないかなと
こう書いちゃうと語弊があるかもしれないけど、でもそんな気がします。
その人が背負ってる過去とか、肩書きとか財産とか地位とか、そんなの関係なくて、ただただ今という時間を必死に生きている、命を繋いでいる人たちは皆等しく美しいし、格好いいと、この映画を見て改めて感じました。
そして、この綺麗事じゃない泥臭さの中にある希望、愛を描いた作品だからこそMrs. GREEN APPLEさんの楽曲って本領発揮するよなと思いました。
「ラーゲリより愛を込めて」の『Soranji』とかも最高にマッチしてたもんね
今回もミセスらしさがうまく融合してて、納得の主題歌でした。
最後に。
少し前の「ミセスLOCKS!」というラジオ番組の中で、Mrs. GREEN APPLEキーボード担当の藤澤涼架さんが『ナハトムジーク』について素敵な言葉を話されていたので、ちょろっと紹介して終わろうと思います!
ここまで読んで下さりありがとうございました!!
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