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おめでた?

久しぶりに会う友人。

仕事の関連があるので、よく2人で電話やWeb会議などしていたが、直接会うのは半年ぶりくらいだろうか。職場が変わり、遠くに行ってしまったので、なかなか会えずにいた。

そんな友人と一緒の仕事があり、2人で出張。久しぶりにゆっくり話そうと思ったが結局バダバタして時間が過ぎていく。飯を食おうと言ってたものの、打ち合わせが入り、結局別々。オンラインでいつでも会議や打ち合わせができてしまうのも、便利なような、不便なようなと複雑な思いが巡る。打ち合わせが終わり一緒のチームの子が、お疲れ様ですと言った後、ちょっと気持ち悪いことを言われた。

「今、お一人ですか?」

出張中だからね。ホテルに1人だよと伝えると、

「そうなんですね…なんか声みたいなのが入ってたので、てっきり。」

なんだかなぁ…と思いながら、残念ながら1人だよと笑い飛ばした。

その後、やっと落ち着いた最終日の昼下がり、私は友人に車で駅まで送ってもらいながらやっとゆったり話ができた。他愛のない会話が気をゆるした友人相手だとなんというかとても実のあるように感じる。笑い話や、しょうもない話で盛り上がり、友人が元気であることに喜びを感じていた。

なんとなく笑い話のつもりで昨夜の話をした。笑いながら、怖いよなーなんて言いながら。

すると彼は顔色を変えて、私にこう言った。

「子供はいないんだよな?」

そう、結婚してまだ数年の私は、結婚当初から友人に、連絡するたび、子どもは?出来たのか?と事あるごとに聞かれてた。まあ、友人は子どもがおり、子どもはいいぞと言っていたので、ずっと勧めてるものだと思っていた。ただ、表情の固くなった友人に違和感を覚え、いないと伝えたところ

「連絡するたびに、後ろから子どもの声が入るから、てっきり隠してるだけかなと思っててさ。」

思わず黙ってしまった。少しの間を開けて、まだなんだよな。と言うと、無理やり友人は話題を変えてきた。

帰り道、なんとなく引っかかりながらも、考えない様にしながら気を紛らわした。

数日して、会社の仲間と打ち合わせをするたびに、ノイズ入ってなかった?聞き取りにくくなかった?と聞くようにしている。安心するために、勘違いだろうと思うために。

みんな、「外の音かな?入ってくるけど微かなので、聞こえてますよ。」

「なんか子どもみたいな?じゃあお疲れ様です!」

当面は様子を見ようと思う。

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