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APOCALYPSE MEMORIA_No.4

現実に見たことに崩壊した世界のレイヤーを重ね、もう充電できないアンドロイドとなって残量ゼロになるまで世界を記録するジャーナリングLARP「アポカリプスメモリア」その第4回目。


ジャーナリングRPGが認知されたタイミングと相まって、自分の身体で外を歩き回してインスピレーションを得る「ジャーナリングLARP」は少ない。
ジャーナリングRPGの次に流行するかどうか試された「名刺ゲーム(名刺1枚に収まるミニゲーム)」よりも数は少なかった気がする。

■ 見かけた他のウォーキング × ジャーナリングRPG

「The Lazy Lexicartographer(12 hour Walk)by jsenzel」はポストアポカリプスジャンル。1ゲームは12時間かかり、それを1回で行うことが推奨されています。1時間経過するごとにプロンプトが開示され、それにインスピレーションを受けながら崩壊した世界の地図と、新しい言葉の辞書(記録するのは日記帳)を作ろうというゲーム。12時間歩き続けるとかではないので体力に自信がない人でも遊べます。

「a stollplaying game trio pack by spines」は、散歩する中でプレイヤーが目にしたランドマーク、風景、建築物から幽霊の物語、ファンタジー地図、崩壊して自然に飲まれた様を思い描き記録するゲームです。

「Gossip Squirrel: Solo Walking Larp by Lucian Kahn」は、ロックダウン中に登場したジャーナリングRPG(しっかり、そこら辺のことも言及されている)。あなたはリス(!?)となって、色々な動植物や無生物から情報を聞き出し、ゴシップ新聞記事として記録するゲームです。

「HEX of Protection by gayhalforc」は、魔術師となって外を散歩し、印を書いたり何か物を残したりすることで結界魔法を発動させます。それを日記に記録したりヘクスマップに記入したります。魔法を唱える際に身振り・手振りだったり儀式めいたこともするため、LARP寄りと開発者は概要に書いています。

APOCALYPSE MEMORIAに戻りまして

■ 4回目の記録

■ 下書き

2★22年 1月9日

起動が完了すると、視覚素子が最初に記録したのは珍しい青空に老朽化した橋のフレームだった。改めて自分自身を観察すると、殺傷型の農業ボットに接続された荷台に横たわっていた。どうも軍用荷台に旧時代の宿泊施設のベッドと一緒に搭載されたらしい。人間が利用していたというベッドは、私のようなアンドロイドがメンテナンスベースで使用する物とは違ってフカフカしている。農業ボットへ会話を試みると、今日は農業ボットの上位機種であるEMSボット部隊(救急・消防・レスキューなどの緊急事態活動ヒューマドイド)が勢揃いで儀式を行うという。デゾメ儀式というそうだ。参照できるデータベースに詳細はなかった。秘密の儀式なのだろうか?

面白いのでそのまま空を眺めていたら、珍しく輸送ヘリでも飛行船でもない飛行機が飛んでいるのを目撃する。あれはEMSボット部隊の装備なのか?と質問してみたら否定的解答が帰ってきた。あれはアンドロイドやヒューマノイドが操縦しているわけではないらしい。解答に疑問を抱いた途端、その飛行機の翼が鳥の翼を彷彿とさせる形に展開して羽ばたくのが見えた。なるほど、空中観察ボットのオーニソプターというわけか。今回のように3機も目視できることは珍しいという。

何か、無線通信でデータを受信した。記憶域ユニットにノイズが走った気がする。

デゾメ儀式という会場が見えてきた。赤いカラーリングのボットと赤い制服を着用したヒューマノイドが規則正しく整列して、中央の奇妙なオブジェを囲んでいるのが見える。あのオブジェに火をつけて、燃え尽きるまで隊列を崩さないでいるようだ。本当に一体どんな意味と祈りがある儀式なのだろう?

大きな無線中継アンテナユニットと、旧時代の食料品店の看板が発見した。そういえば、ケーキを欲しているブルーハァがいたな。私は、ここで下車させてもらうことを告げた。別れ際に農業ボットから何か送信されたようだが、私はもうそれを知ることができない。


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