見出し画像

APOCALYPSE MEMORIA_No.3

現実に見たことに崩壊した世界のレイヤーを重ね、もう充電できないアンドロイドとなって残量ゼロになるまで世界を記録するジャーナリングLARP「アポカリプスメモリア」その第3回目。


(No.2からの続き)ジャーナリング要素の無いウォーキングLARPとして紹介されている作品は多くなく、私が確認が出来たのは3作品

◆ 涙の天国

残念なことにルールは公開されていないが、ゲーム世界観の概要が
『君たち冒険者パーティは、リーダーの聖騎士の死と引き換えに強大なリッチを打ち負かした。しかし、最も純粋な湖「天の涙」に沈めなければリッチは消滅しない。今、過酷な最後の旅が始まる』
これは、ファンタジーな衣装を着用し、終着地点はリッチを打ち負かした場所から10km先の湖まで歩くらしい。体験レポートも見つけられなかった。

◆  The White Road

これは、デンマークで実際にあるホームレス文化を体験しながら死んでしまった自分たちのグループの大切な人の遺灰を海に撒くため、3日間かけて40kmを歩く。その間、ずっとホームレスとなってゲーム外の人ともあってもホームレスとして対応することになる。
普通なら敬遠されるところだが、デンマークにはタイトルにもなっている「White Road」というホームレスだけの称号がある。1年間、公共サービスの保護を受けず「麻薬をするな、物乞いするな、盗むな」的な戒律を守ることによって称号を受け、尊敬を得ることができるらしい。その人たちは自分たちの荷物買い物カートに入れて道を歩く。もちろんお酒も嗜む。なので、このゲーム中、ずっと飲酒した状態で40kmを歩くことになるそうだ。休憩ポイントで各種イベントが起きる仕様らしい。これは、ゲーム紹介と体験記が物理書籍となって残っている。

◆ Legion: Siberian Story

第一次世界大戦時、ロシア内戦時にシベリアの地で結成された56人のボランティア軍が25km離れた故郷へ向かって帰ろうと試みる、実際にあった出来事を元に作成されたウォーキングLARP。この作品も大きなイベントは休憩ポイントで起こっていたらしい(大抵は誰かの死亡)。

このゲームに関しては、後にボードゲーム化されることとなり、このLARPの存在が知れ渡ることになる(海外の話)。
このLARPは別のWebサイトで「移動しながら行うLARPの空間演出とは?」というタイトルで考察が行われている。


APOCALYPSE MEMORIAに戻りまして

■ 3回目の記録

■ 下書き

2★22年 1月6日

改めて起動した時、私は木のベンチに横たわっていた。確か、石に関係するすべての記憶と記録が全損したので山にサンプルを取りに来ていた……はず。目視できるかぎりではあるが色々なサンプルを集めた。でも、ネットワーク上のデータベースとのリンクも失っていて再ダウンロードもできない。37マイル以上歩いて思ったが、山々は地肌丸出しでも突然変異をすることもなく旧時代の植物の種が復活をしていた。植物系のデータベースには接続できたので、少し安心する。

しかし、こんな人間くさい感想を抱くのもプロセッサの異常で、非科学的だが時間が止まってしまったのではないか?

都市部の方へ戻ろうと歩いていると、朽ち果てた観覧車が見えた。旧時代の地図データによるとリゾート施設らしい。タイプは違うが、接客用アンドロイドのメンテナンスベースが稼働していないだろうか?と考えた。ひび割れたアスファルト舗装された道路へ出たところへ、背後から敵意剥き出しの突然変異生物に襲われた。旧時代のデータベースに存在していないその生物はヘビのような頭を持った四足歩行動物のような身体をしている。仮称:蛇面犬といったところか? 不意打ちで身体が損傷するほどのダメージを受けなかったが、利き腕の手袋がズタズタになってしまった。

再度飛びかかってきたところを、殺傷型の農業ボットが助けてくれた。武装していないし歌を聴かせてくれるこのボットは、前回音楽CDを何枚か譲ってくれたボット。どうやら、このリゾート施設が農業ボットを殺傷型に更新するベースのようだ。旧時代の宿泊施設が利用可能らしく、申し出を受けて利用させてもらうことにする。

よろしければ、サポートをお願いいたします。 紹介もチョイスも未熟なところがありますが、“こういった遊びがあるんだー”というのをお伝えし続けられればと思います。