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コーラスラインの登場人物全員に共感していた話

『コーラスライン』は、1975年に初演されたブロードウェイ・ミュージカル。ダンサー達がオーディションを受けていく中で抱える苦悩や葛藤や生い立ちが描かれている物語。日本では劇団四季さんが公演をしています。
登場人物一人一人にスポットが当たっていて、生々しい。私は今後人生の岐路で、セリフが、歌が、ダンスが、きっと頭を過ぎると思う。

歌やダンスも独学で、ローカルアイドル・シンガーの土壌で何年か活動して何と無く出来た気になってて、でも何者にもなれていない。直感で、このままではまずいし自己満で終わるって思った。
歌番組でたまに見るミュージカル俳優さんの歌い方や表現力が好きだなって思ってたのと、ジャニーズミュージカルはよく見てて好きだったし、いろいろ調べて岡山シンフォニーホールのミュージカルワークショップに通いはじめました。

入るのもオーディションあったしレッスン初期がコロナで外出自粛の時期だったので、続けられるか分からない状況だったけど、シンフォニースタッフさんや先生方の御尽力で、マスク着用で1年レッスン。東京の演技指導やボイトレの先生たちもZoomで遠隔レッスンしていただき、大切なお言葉をたくさんいただけました。ステージ人生の礎になると思う。先生たちだけじゃなくて小さい頃からずっと歌にダンスにやってる中高生とか、何年もステージに立ってる先輩たちとか、普通の主婦っぽいのに素直に意欲的にレッスンに通われてる方々とか、一人一人に刺激を受けて、ステージだけじゃない生き方のことを沢山教わりました。あんなすごい人達に囲まれてたのが不思議で仕方なかった。私は本当にあそこに存在してたのだろうか?未だにボンヤリします。

東京大阪などの2回目の緊急事態宣言で、岡山だとしても、当日もどうなるか分からないし、透明マスク着用のステージ。小屋入りしてからも直前まで変更に次ぐ変更で大混乱でした!透明マスクの歌い方がやっと分かった時に終わってた感じ。。いろんな逆境があったけど、それが逆に「やってやろう」と全員の一体感を生んでたのかも。この時期、このメンバー、全てが奇跡の塊みたいに輝いてました。コロナありがとう。


それで、本題なんですけどもコーラスラインは登場人物の描写が本当にすごいんです!それを当日見に来た人にはもう一度、見に来れなかった方にも改めてシェアしたいなと思い好きなセリフとともに書き連ねていきます。ラインに並んだ下手の自己紹介場面順に行くぞー!ぜひ読んでね。

・ダン「今は全てが請求書の支払い」「何でもとにかくやってみないと!」
コーラスラインの現実派担当ですね。ビビちゃん(私の役の子)は若くて夢見る夢子だし現実とかナニソレオイシイノ?状態なので彼の話はあんまり聞いていません。でものんち自身にはとても染みますね、、請求書?ナニソレオイシイノ?彼を見習って何でもやってみようと思います。

・マギー「あしながおじさんが言ったの『マギー一緒に踊るかい?』」「あたたかい家庭夢にみた」
ひどい家庭環境により幼き頃からイマジナリーフレンド(だと私は思っている)のおじさんと踊ってきたattheballetのリードボーカルマギーちゃん。かわいそうで切なくて尊くて大好き。ああバレエ〜〜のロングトーン&クレッシェンドしていくのはボーカリストは一度チャレンジしてみるべきと思う、14日2部のマギー役さんのクレッシェンド素敵すぎて私は後ろで泣いてた(心の中で)次やれるとしたらやりたい役の1人です。

・マイク「今じゃ結婚してデブ!」
小さい頃からダンスに情熱を注いでいたダンサー中のダンサー。ABとも中学生が役しててとても愛おしかった〜。Bマイクは私のバレエの先生になってくれましたwビビちゃん立ち位置0番だから特等席でずっとキレキレダンスが見れるのが嬉しかった。ずっと踊り続けててほしい、マイクのように!

・コニー「32歳で14歳の子供の役よ!」「でも文句も言えないかな、お陰で仕事があるんだもの」
2006年のブロードウェイミュージカルでは本人が演出陣に入り、さらに日本人のダンサーさんが演じられていた役でコーラスラインの根幹。私たちのコニーちゃん、AチームもBチームも元気で可愛くて後ろで見てて愛おしかった。。私自身童顔なのでコニーにはすごい共感しちゃう、何年10代のアイドルちゃん達と共演してるんだろうか…でも文句も言えないかな?お陰で仕事があるんだもの。笑。

・グレッグ「人生とは、いいかい?」「その日を生き抜くだけで精一杯」
前述の通り私のビビちゃんは現実見たくないのでグレッグの話も聞いてませんwでものんちさんは分かる〜〜の連続です。逃げ道も目標も作りません。目の前のことに全力投球です。

・キャシー「自分がするべき事を人に教えて暮らすなんてもっとイヤ!」「みんな特別だわ」
情熱的自我主張系女性、のんちさんの苦手なタイプ。笑。ABともにキャシーさんの演技ダンス歌全てハイレベル。私たちのBチームの子なんて高校生です。凄すぎる。のんちさんの推しメンです、大好き。。Aキャシーさんは美しすぎて憧れ、あんな大人女性になりたい!
演出家ザックの元カノでハリウッドスターになりかけた人が、コーラス(端役)のオーディションを受けに来るというのが1本主軸でコーラスラインのストーリーは進んでいく。
トップの世界を垣間見たからこそ、挫折があったからこそ、コーラスだとしても、あの人もこの人もみんな特別だと言える。そこはまだ私には分からない、だから今後見つけていきたい気持ちです。

・シーラ「若くなりたい!」「そんな人となぜ結婚したのよママってバカみたい、かわいそう」
ひどい家庭環境により性的にひん曲がってしまった大人女性シーラ。劇団四季もブロードウェイもこの人ほぼ裸です。笑。機会があればぜひ見てみてほしい。女性の人生の疑念をママと自分を通して描いてる存在、現代でも通じるしすごい染みます。
attheballetの土壌、基礎、導入と下ハモ担当。この人が心を開いたから吸い込まれるようにビビちゃんも自己開示出来たんだと思う。ABともにシーラがはまり役すぎて大好きだったー。Bチームシーラさんと一緒に歌えたから私は歌と真正面から向き合えたと思う。お上手すぎて沢山のことが学べました。感謝です!

・ボビー「(ブロードウェイは)心配ないさ、死んじゃいない!」
上中流の家庭に生まれ育って変人奇人になったボビーが、最後のシーンでビビちゃんがギャーってなったあとこのセリフを言って安心させてくれるの、好き!ってなってました。ボビーはシーラともイチャついてるしなんかちょっとプレイボーイなのか?wボビー役さん一生懸命で良い方でほんと好きだった〜。

・ビビ「自殺する!」「本当の自分が見たい」
配役ぎめで希望を出したのは違う子だった、最初はコーラスラインを知らなくてattheballetもビビちゃんも知らなくて、セリフ量的にも少ないこの子をどう掴んで良いのか分からなかった。なんかいきなり自殺するとか言ってるしどうしたんだこの子頭大丈夫か、、って笑。その違和感とか取っ掛かりをそのまま出してた、やり方合ってるかは分からないけど。私にも「表現を取り除かれるくらいなら死んだほうがマシ!」って思ってた時期はあったし。実際今取り除かれたら死にはしないけど死んだように生きてると思うし。共感する部分と出来ない部分があって右往左往しながら、でもビビとattheballetが私の元に来てくれたのは意味がある!って今は思う。
歌の面ではバレエ三姉妹の真ん中パートで、最初音が全然取れなくて泣いたし、次は3人でハモるのが出来なくて泣いたし、1年間壁だらけだったし悔しかった。多分、自分はそこそこ歌えるって過信してたし、歌うってことが本当に分かってなかった。先生と先輩方とに学びながらなんとか本番での歌になりました。ビビちゃんはどうでしたか?attheballetに出会って、人と歌うのは改めて、好きだなって思いました。
原作の歌詞と私たちのビビちゃんソロパートはテーマは同じでも歌詞が大幅に変更されてて、「美しい自分が見たい」から「本当の自分が見たい」になってるんだけど、意味合いが深まったと思ってて、こっちの方が考えさせられる。これからも「本当の自分」を探し続けていきたいなと思います。
ビビちゃん私の元に来てくれてありがとう、大好きです。
ダブルキャストAビビのみやちゃんは本当に良いこで(Youtube参照)一緒に出来たのがみやちゃんで本当に良かったなって思う、巡り合わせに感謝!

・ジュディ「でも、コーラスで踊ること以上の望みはないの?」
天真爛漫おとぼけダンサージュディさん、全然分かんないんだけどきっと仲良くなれると思ってた笑。空気読めずにダンの言葉を遮り、人の言葉に同調してすぐ意見変えたり、不思議。あの人何だったんだろうって家帰ってふと思い出すタイプの個性。
ビビの両隣にボビーとジュディがいるのが本当に安心感がすごかった〜。ジュディ役さんも良い人で、話すと安心してました。

・リチー「8年間実に楽しくやってきた、でもそれが一体何になるんだーって」
小さい頃から人気者で特待生で大学まで行ったけど幼稚園の先生だって?冗談じゃねえ!ってダンサーをやってるパワーあふれる男性。シットリチー楽しすぎた!最後までABリチー役の子達がそのパワーの出し方分からず大変そうだったけどどんどん進化していくのが見ててお姉さんは感動していたよ、、本番が一番良かった、、
昇進も出世も安定もない、やってる舞台も無くなって来てる。最後にダンサーたちに問題を投げかけるセリフを言うのもリチーから。楽しいを見せるのは楽しいだけじゃない、裏で苦しんで涙して悩んで壁を超えてから、楽しいパフォーマンスが輝くんだなって思い知らせてくれた存在。

・クリスティン「素敵ね〜〜デブのところ以外は」
歌が全然ダメな新妻クリス、、本当に可愛い!友達になりたい!
女の子らしく生きながら、ダンサーとしての夢も追っかけてて強いなって思う。attheballet後のSingで明るくポップに笑える、ほんとに癒された〜。

・アル「だからどんどん辞めてくんだ」
天然クリスを支える旦那アル、ダンディで素敵です。最後のシーンの上記一言は効くね〜〜、ほんと、どんどん辞めてくんだ〜。
Sing毎回楽しませてもらいました。最後の曲Bowsで良く立ち位置分かんなくなった時教えてもらったりアル役さんにはお世話になったなあ〜。

・ヴァル「ひどいブスだったの!」「くたばれラジオシティ!」
何人か目の自己主張爆発系女性、私のビビちゃんはヴァルに同調するって思った。整形してダンサーの仕事をとってる腹の据わった女の子だと思う。今じゃプチ整形とかで少しは市民権得てると思うけど1970年代当初はカミングアウトも含めてすごいハードル高かったんじゃないかな。役が取れたのはきっと持ち前の芯の強さのお陰なんだと思った。次は「ダンス10ルックス3」歌いたいな!
Aヴァル役さんにダンスを習い、Bヴァル役さんに歌を習いました。本当にお世話になって感謝してもしきれないです!憧れ。

・マーク「僕なんてただの子供でした」「僕は受かるだけで良いよ」
思春期に爆発してる普通の男の子っぽいマーク。盲腸を自分で診断する、そんなことよりはよ病院行け。私もただの子供だったな〜って思う。優しい良い子がABともにやってたからとても和んでたよ。幸せになってほしい。

・ポール「誇りを失ってました。その誇りのなさが原因だったのか〜〜辞めました」「でもこれで仕事は取れませんよね」
長い長いモノローグで存在を魅せるポール。のんちさん共感の嵐で本当に大好き。Aポールさんは本当にお上手、いろんなことを学ばせてもらったし、Bポールは純朴で演技に一生懸命な、本当にポールそのもので。14日2部はポールの勢いでラストシーンセリフを引っ張ってもらってた。「これで仕事は取れませんよね」言い方最高すぎた、本人にも言ったけどw絶望と安堵感が入り混じってると思うの、その塩梅がちょうどよくて本当に良く切なかった、後ろで見てて引き込まれたよ。
いつかあの長ゼリフを喋ってみたいな、まずどうやって覚えるんだろうか??役者さんって本当にすごいね。。

・ディアナ「悔やまない、好きだからこそ」「死んでほしいと思ったわけじゃないんです、でも…」
ラストの自己主張爆発系女子、笑。最初はディアナソロを歌いたくて、でもABディアナさんが適役すぎてそりゃそうだと、両方とも大好き!ディアナのセリフ「でも…」の「…」がやりたかった!自分に辛く当たって来た人がこの世を去っての思い、私も似たような経験があったから「…」に込めたい表現があったー。あーいつかやれたら良いな。
ABディアナさん優しくしてもらったし、Bディアナさんとは色々喋ったなー美人だしドキドキしてたw Aディアナさんはカープ先生が最高だった。面白いができるのって才能だって見てた、憧れる。

・ラリー「アゲイン!」
オープニングは演出助手ラリーのアゲイン!から始まる。本番のアゲイン!5・6・7・8!は本当に気持ちが引き締まったー。
ABラリーさん、長年舞台やられててたくさんリーダーシップ取ってもらって演技のこと教えてもらったりサポートしてもらえて感謝しかないです!

・ザック「なぜトップを目指さない?」「真剣に聞いてるんだ」
演出振り付け全部自分でやる向上心の塊ザック。冷酷な一面もあるけど人を愛せる心がある、何よりダンサーという存在を心から愛して、コーラスラインを生み出し残した人。あなたの愛は日本の私にまで届きました。そしてあなたから受け取ったものを、これからもお客さんに届けていきたいと思います。
「自殺する」の後の「真剣に聞いてるんだ」も最初はどう受け取ろうと思ってたけど、私のビビちゃんは真剣に「自殺する」なので反抗期に走りましたw
演技の先生たちが面白がってくれたからビビちゃんを解釈して自分なりに表現するのを楽しめました。ありがとうございます!


以上のんちさんなりのコーラスライン登場人物解釈です。1人ずつに自分が重なり、演じて深めるたびに全員好きになった。
コーラスライン知らない方も私通して興味持ってもらえたらとても嬉しいな。私も1年前知らないところからこんなに大好きになれた!きっと誰かに共感できるよ。こんな素晴らしい作品に出会えて幸せでした。

これからの人生はこのキャラクターたちと一緒に生きていけるんだね、舞台ってすごいや。

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