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指導力のある先生が必ずもっているもの

以前の記事で、「指導力とは子どもが学ぶべき事柄を伝える力」と定義しました。

ただ、それは「戦術的アプローチ」なんですね。

戦術と戦略ってのがあって。

教師にとって大切な指導力って、戦術と戦略、両方なんですよ。

そして、フォーカスすべきは戦術ではなく、戦略です。そんな話です。

戦術と戦略の違い

戦術とは、どうやって戦うか。戦う手段や方法のことです。
例えば、敵をどうやって倒すかを考えるのが戦術です。
銃? それともミサイル? それとも経済制裁?

つまりミニマムで、具体的な方法。それが戦術です。

当然、優れた戦術は教師にとって大切なスキルです。
よく飛ぶ大陸弾道ミサイルがあれば、相手をどこからでも攻撃することができますよね。

それと同じで、子どもへの指示を出す方法は、戦術レベルで考えたときにはたくさんの種類があるわけです。
・スモールステップで指示を出す。
・板書して指示を出す。
・プリントに書いて指示を出す。
・指示したことを口に出して確認する。
などなど。

これら指示の出し方ひとつで、子どもの動きは大きく変わってきます。ベテランの先生が上手なところは、指示の出し方がうまい。
混乱が起こらないように配慮して指示を出すことができる。

これは、ベテランの先生が優れた戦術をもっている、ということになります。

それに対して戦略とは?

戦略とは、大局的に見て何をもって勝利とみなすか。そしてその勝利のために、どういう戦いを仕掛けるのか。より効率的に、効果的に勝利するための方法を考える。これが戦略です。

戦いが起こったときの「勝利」とは、相手を絶命させることだけではありませんよね? 

要は、戦いに勝てばいいわけです。
血を流す必要はないと考えるならば、相手を降伏させたり、相手が撤退していくような情報を流すという戦略を取ることができますよね。

ただ闇雲に、相手を攻撃する手段を考え、あの手この手で戦うのは戦術レベルでの話です。

戦略は、「戦いを略す」と書きます。
その名の通り、計画的・効果的に目的を達成するための手段を考えることが戦略です。

戦術の上位概念が戦略って感じですね。

本当に指導力のある先生は、クラスの子一人ひとりに対しても、学級経営に対しても、「戦術的アプローチ」だけではなく「戦略的アプローチ」をすることができる教師のことです。

学級における「戦略的アプローチ」

学級経営はその名の通り「経営」ですので、そもそも戦略的に考えていかなければ成り立たないものです。

毎日、教師が思い描く未来が不明瞭なまま、なんとなーく授業し、なんとなーく消化する毎日を送る先生。

そこに戦略的アプローチは存在しません。
子どもたちはいったいどの方向に成長していけばいいか分からず、教師の顔色を見て手探りで生活していくことになります。

学級という集団が一体どの方向を向き、何を目標にしていけばいいかわからない。
そういう学級は荒れます。

つまり、そんな場当たり的で無計画な教師は、指導力がない先生、ということになります。

「戦略的アプローチ」を取ることのできる教師は、クラス開きのときや、節目節目で、教師が思い描く未来、子どもたちに見てほしい世界を伝え続けます。

そして、その未来を見据えて、計画的に子どもたちを指導していきます。

私はクラス開きの初日、必ず語ることがあります。

・担任としての信念。大切にしていること。
・1年間で目指す姿。
・担任として許せない行為。

これをはじめの日に話します。
そうすることで、はじめて出会った子どもたちは担任の思いや「叱るライン」を知ることになります。

すると、子どもたちは安心して学級で過ごすことができるようになったり、教師の顔色を見ながら不安定な精神状態で過ごすことがなくなります。

さらに、目指す姿がぶれないので、担任の指導に一貫性が出てきて、子どもたちも指導の内容に納得することができます。

「あのときは叱られたけど、今日は叱られなかった。」
「あいつには注意しないけど、俺には注意してくる。」
といった、不満が出てきづらくなります。

結果的に、その担任の先生は「指導力のある先生」ということになります。


多くの場合、指導方法や指導内容など、「戦術的アプローチ」にフォーカスしがちです。
当然、戦術はとても大切です。ですが、それだけでは首尾一貫した戦略がなく、最初はうまくいくかもしれませんが、そのうちクラスのあちこちで綻びが生じることになるでしょう。

わたしたちが目指す理想とする教師像は、
・様々な方法論を知っていて実行できる、「戦術的アプローチ」に優れた教師。
・大局的な見地からクラスや子どもの将来、未来を見据えて、計画的・効率的に指導できる教師。

これが、わたしたちが目指す「指導力のある教師」ではないでしょうか。

さーて、ここまで偉そうに書きましたが…!

実際、自分ができているかどうかといえば、正直▲な所が多いですね。
まだまだ修行不足。だからこそ、日々の実践を大切にしたいと考えています。

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