高島屋のケーキと課長
みなさんは、今年のクリスマスは、どのように過ごされました?
ぼくは素敵な彼女とケーキのような激甘な一夜を・・、と書きたかったのですが、残念ながら、仕事をしていました。(まあ彼女なんて、もう何年もいないのですが・・)。
で、職場で起きた話を今から書かせていただきます。
休憩時間、テレビを見ていたら、『高島屋でネット販売したクリスマスケーキが、崩れた状態で多くの購入者に届けられた』というニュースが流れました。(話題になった事件なので皆さんもご存じと思います)
すると、いっしょに見ていた課長が「ひどいなあ。せっかく楽しみにして、待っていた購入者が、気の毒でしゃあないわあ」と言いました。
僕も「ほんとですね」と相槌を打ちました。
課長は「高島屋は伝統にあぐらをかいているんとちがうか? 真剣にお客様と向き合ってへんから、こんな不祥事をおこすんや。猛省せんといかんわ」と言いました。
高島屋にめちゃくちゃ怒っていました。
が、しかし!
テレビのテロップにケーキの値段が出たとたん、課長のそれまでの態度が一変しました。
「ご、5400円!? 高っー!」
値段に絶叫した課長は、その後、なんとこんな発言をしたのです。
「クリスマスにそんな高いケーキ、食おうやなんて、ぜいたくにもホドがあるわい! バチや! ぜいたくのバチをイエス様が与えよったんやあ!」
テレビを指さしながら、こうぬかしたのです。
怒りの矛先が高島屋から、購入者へ完全にシフトチェンジしてしまったのです。
僕は大いに呆れました。
やっかみにもホドがある。
「課長、恥を知りなさい!」
と、三原じゅん子先生よろしく、こう叱責したくなりました。
しかし、当然のことながら、立場が上の者に、そんなことを言えるわけありません。
気が付けば、
「ですよね~。課長のおっしゃるとおりでございますよ~」
と、手をこすりながら、お追従している自分がいました。
帰宅後、僕は、部屋で一日遅れのクリスマスパーティを開催しました。
スーパーで買った半額のケーキをひとり寂しくモグモグ食べました。
その後、天に向かって、
「主よ。来年こそは、素敵な彼女と淡いクリスマスを・・・、いや、素敵な彼女でなくても構いません。せめて真人間と一緒に過ごさせてください」
こう、お祈りしました。
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