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猫に学ぶ信頼への考え方

おはこんにちばんは。nonです。

今回はだからどうっていう事はないが、
信じてもらう事は簡単じゃないねという話。
よろしければ、私の猫歴にお付き合いくださいませ。

憧れのぬこ様

私は生まれてこのかた猫派である。
小学校の同級生が放し飼いしていたキジトラちゃん・ピンキーとの絡みが
人生最古のニャンコとのふれあいだった。

なんと形容すれば良いだろう、

収まりのよいサイズ
くねくねと柔らかい身体
もふサラ(もふもふ&サラサラ)な毛の手触り
黒目と白目の神がかったバランス
ちっこい顔
にゃーんという高い声

etc…

ピンキーとの出会いで、上記ほか全てひっくるめて猫という存在を好きになった。

このふれあいがあり幼い頃から、私はすっっっっっごく猫を飼いたかったが
超バリキャリ家庭なnon家では
人間(=私と兄)でも手がかかるのにペットなんて...という雰囲気で飼育不可能だった。

周囲の友人も割と猫を飼っていて羨ましかったし、
猫カフェに行っても満たされない思いでいっぱいだった。

そして大学生になり長期留学などで私が家を空ける期間が無事終了した後、
チャンスは到来した

うちにニャンコが来る?!

2019年9月。
21の私も成長して親もそこまで気をかけなくて済むようになったし、
大学後期となり時間に余裕ができ猫系Youtubeを見ていたら
猫飼いたい欲がマックスに達した。

そんなタイミングで兄が、
保護猫活動をしている知り合いの方から、
飼い主を探しているニャンコの写真をもらったよと見せてくれた。

それはそれは本当に美形な猫さんだった。
当時送られてきた写真がこちら。

ベビパン(1)今とあまり変わらない

この子はノルウェージャンフォレストキャット?
と聞いたら野良猫だったから多分ミックスとの返答。
こんな上品そうな野良猫おるんか...という印象だった。

しかも青山の美容院裏で餌付けられてたのを兄弟もろとも保護されてきたらしい。
育った場所も港区なんだな...とどうでも良い感想。

たまらずこのニャンコに会いたくなって母と父を説得。
相変わらず両親は多忙なので、私の猫として飼うということならまあいいかととりあえず会いにいくことに。

この保護猫・(旧名)ベビパンとは
初対面の時ケージを通じてしか会えなかった。
(※ちなみに保護主さんはドラクエが好きなのでこのネーミングらしい)

数多の猫たちを保護してきて猫の扱いに慣れている保護主さんにも
シャーシャー威嚇し、強烈な猫パンチをかましていて本当にびっくりした。

人馴れしてないにもほどがあるわ、と。

今まで接してきた猫ちゃんたちと明らかに警戒心が違う。

初めて人がこんなに嫌いな猫ちゃんと接して、
しょうがないと分かりつつも拒絶の態度に気持ちはへこんだ。

ただ、保護主さんの先住保護猫たち(計10匹)と相性が悪く
今の居心地も良くなさそうとのことで良心が痛んだ。

猫を飼ってみたいしベビパンの見た目がめっちゃタイプだったのだが、
彼1匹で連れて行くには猫飼育初心者の私たち家族では心もとなかった。

ちょうど保護猫たちのいた部屋には、
シャドパンのきょうだいのシャドパンがいた。
(これもドラクエ由来のネーミングらしい。)

シャドパン(1) まだ体が細い

ベビパンほどノルウェージャンぽさはなく、
和洋どちらの雰囲気も感じさせる、少しとぼけた顔のハチワレの子だった。

この子は仲の悪い先住猫たちとは違い、
生まれた時から一緒なだけあって
ベビパンが唯一心を許している猫ちゃんだったのだ。

シャドパンもまだ野良猫根性はありちょっとそっけないけど、
保護主さんも「接し易い猫ちゃんだと思いますよ」とのコメントをくれた。

当初はベビパンだけ引き取ると会う前は考えていたが、
人に慣れていない猫を初めて飼う私たち家族のメンタル面、
兄弟猫が引き離されるデメリットを考えて
じゃあ2匹トライアルで・・・と決めた。

この決断はのちに本当にして良かったと考えている。

保護猫の気難しさ

猫は生後2ヶ月頃に人間と触れ合わなければ
社交性をその後会得するのは難しいらしい。
野良猫で人にすりよってくる子もいるが、
性格にもよるのと子猫時からの人との関わり方次第。

ベビパンあらためしとろんと、
シャドパンあらためぷらむは、
引き取り当時1歳を過ぎていた。
(ちなみにネーミングは果物の名前&見た目のそれっぽさで決めた)

青山の路地裏で餌付けられていたと聞いていたが、
ケージに入っててもこちらが見ている前では
フードも食べないし水も飲まない。

ケージ生活を終えても、近づいたら
ステレオの下や手の届かない棚の上に行って逃げてしまうので
これじゃあ2匹にまったく触れない。

運よく良い感じの写真が撮れてもすぐそそくさと逃げたり、
撫でようとしたら猫パンチされて私の腕や顔に切り傷ができた。
(当然爪切りも私たちではできない)

私たち人間と猫たちは、コミュニケーションが全然とれないただの同居人(猫?)でしかなかった。

こんなに好きなのに、相手に好きになってもらえない片思い。
かなわない恋をしているときの気持ちってこんな感じなんかな。

地道に猫に危害を与えない人だと分かってもらうために、
むやみに近づこうとはせずフードをあげ、
トイレを掃除し、猫たちの環境整備に努めて9カ月くらい経った頃。

ぷらむが初めて私と母に向かって
にゃーん、と鳴いたのだ

しとろんは何か主張する時大体ウーウー怒って鳴くのだが、
ぷらむに関しては猫同士のクルルという鳴き声しか9カ月間聞いたことが無かった。

「えっ、本当は喋れるんだ笑 」「もしかして甘えてくれてる?」
と2人でソワソワした。

それからというもの、おやつの要求・トイレできたよの報告など
無口だったぷらむが私たちに向けてメッセージを発するようになった。

9カ月でまずコミュニケーションができるようになるという小さな進歩。

その3カ月後には猫トンネルやボックスなどの狭い場所限定だけど、
前脚しかナデナデできなかったのが全身を触らせてくれるようになり
ゴロゴロ言うようになった

ぷらむは保護主さんの言うとおり接し易くなつく可能性を感じられたが、
問題は当初の予想通りしとろんだった

何もしていないのに私を見たら隅っこに逃げるし、
多分保護される前に人に何か嫌なことされてきたのかなと想像してしまうほどの臆病さんだった。
1年の歩みといえば、せいぜいフードをあげる時に近づいてちょっと様子を見てから食べるようになったくらい。

問答無用でウーウー唸るし、猫パンチもぷらむの比ではないくらい威力が強い。
家族もなつかないしとろんを刺激しないよう距離を取っていた。

トリミング後ヒントを得る

年1の定期健診以外は基本外に連れ出しておらず、(捕まえるのも体力を消耗する)
毛づくろいをする猫には基本シャンプーは要らないと思ってトリミングに2年近く連れて行っていなかった。
しかし2021年の夏ごろから、
しとろんがなんかお腹の辺りに毛の塊をぶら下げて歩くようになった。

毛玉の束が絡まりあって20cmくらいの長さになってぶら下がっていたのだ。

長毛種ちゃんはこまめなブラッシングが必要なのだが、
お腹周りなんて当時の関係性で見せてくれるわけもなく遠目で見て
初めて毛玉の深刻さを知った。

ぷらむは毛づくろいが大好きで毛玉もあまりできないのだが、
しとろんは毛づくろいが下手なのだ。

こんなことになるまで、気づかず放置してしまった飼い主として反省しつつ
もう毛玉以外も全身ボサボサすぎたのでサマーカットを依頼

サマーカット直後のしとろん。別人過ぎて笑ってしまった

誰?という見た目になったしとろんを連れて帰り、
家の中のちょっとした隙間に入った時に皮膚が傷つかないように
1カ月半ほど部屋内で解放しつつつケージで生活させた。

彼はうろちょろする自由を奪われ、夜も出せ出せと鳴いていたが、
毛が少ないうちは家のあちこちは危険だしと心を鬼にしていた。

部屋を開放してぷらむを入れると、時折ぷらむもケージに入ってきたので、
一緒に2匹がグダグダしているスキをみて
しとろんを触ってみたら「あれ・・・?怒らない」となった。

逃げ場がない狭いケージと室内で過ごすうちに、
日々出入りする人間が害がないことに気づいたのか分からないけど
撫でて初めて振り払われない瞬間だった。

我が家に来てから2年が過ぎた頃だった。

彼と暮らし始めて

そのころお付き合い中の彼と同棲が決まり、
私の猫たちなので彼の了承は得つつ私たちで飼うことになった。
(彼も猫を飼うのは初めてで不安もあったが、彼が猫派で助かった。)

そんなこんなで2022年1月から実家より狭い空間で
2人と2匹で暮らしはじめた。

同棲当初2匹はすみっこや高いところにいき
なんとかよそ者の彼を回避しようとしていた。

この前のケージの経験で
逃げ場をなくした方が多分なつくなと勘づいた私は
人間の手が届かない場所をとことん整理。
また冷蔵庫の横にイスを置いてぷらむをナデナデできるようにした。

変化の兆しが表れたのは3月くらいだった。

ぷらむが「撫でて、撫でてー」と言わんばかりに
私と彼に近づくようになったのだ。

撫でられ待ちのぷらむ

ぷらむですら積極的に撫でられに来る行動は
初めてだったのでひたすら感動した。

しとろんも定位置のクッションの上限定だけど
撫でさせてくれるようになりブラッシングもできるようになった。

更に6月にもなると、しとろんが自分から近づいてくるようになり
基本機嫌が悪くなければ場所関係なく撫でれるようになった

こんな具合でモフモフ触れるように


なんなら首周りを撫でてくれ!とクネクネ体を動かしながら要求してくるようになって、
以前からは信じられないレベルで親密になった。

焦らず時間をかけよう

同棲スタートからの
猫たちとの急速な関係性の変化に正直なところ驚いている。
月単位どころか年単位で彼らとのコミュニケーションに苦戦してきた。

けれど同棲はスペースが狭くなったので
距離感が近づいたというきっかけに過ぎない。

今までニャンコたちと一緒に過ごした時間の長さが大事なのだ。

友達でも同じような感じで仲良くなった人がいる。
向こうが人見知りな性格で、こちらがフレンドリーに接しても
初めて会ってからしばらくの時間打ち解けてない感触があったが、
ウマが合うと思ってもらえる出来事をきっかけに心を開いてくれた。

人間は通じ合える言葉があるから、
それがうまく作用する時としない時があるけど
言葉でフォローしやすいし親密になるスピードは多分早い。

ニャンコは言葉が通じない分、
こっちは大好きだけど愛情を無理強いしない・
一緒にいても大丈夫だし、優しくしてくれる人だよ
行動で示し継続性があると認められるまで時間がかかるのだ。

信じてもらったり、好きになってもらうことって
一筋縄ではいかないこともままある。

もしかしたら、こちらを信用してくれないなって人への対応に困っても
時間をかければ意外と解決してくれるかもしれない。
人生の大事な時間を信じてもらってもしょうがない人に掛けることはしなくてよいが、
信じてほしいならばそれなりの時間はかけないとねと感じた。

以上、ニャンコたちから3年かけて学んだ信頼に関するお話でした。

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